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アニメ「チャージマン研!」と湯浅譲二「プロジェクション・エセムプラスティク」

アニメ「チャージマン研!」

2022年3月に、アニメーション「チャージマン研!」がYouTubeで無料公開されたという記事がねとらぼに掲載されました[1]。このアニメは1974年に放送されたもので、その内容のちょっとおかしいところが、以前よりアニメファンの間では話題になっていました[2]。
このアニメについては、ねとらぼの記事で初めて知り、何話か視聴しましたが、確かにツッコミどころ満載の作品でした。一方で、劇中に使われたサウンドについて、気付いた点があるので以下に解説します。

問題のサウンド

研がチャージマンに変身するシーンでは、第一話から最終話まで特徴的なサウンドが使われています。この音を一聴して、すぐにある音楽作品が思い浮んだのですが、これに気づく人は果たして何人いるでしょうか。
第12話「野菜サラダが食べられない」の変身シーンの音のスペクトログラムを下図に示します。連続的な曲線で示されるグリッサンド音にご注目下さい。

第12話「野菜サラダが食べられない」チャージマン変身シーンより

下図は、現代音楽の代表的作曲家である湯浅譲二先生の「プロジェクション・エセムプラスティク(Projection Esemplastic)」のスペクトログラムです。

Projection Esemplastic 部分(2:20 - 3:15)

プロジェクション・エセムプラスティクの2分30秒〜2分45秒(図の左半分)のスペクトログラムが、変身シーンのグリッサンド音のそれと完全に同じです。プロジェクション・エセムプラスティクの音を、そのままアニメに使用しているようです。

なお私見ですが、チャージマン研!第5話「恐怖!ミイラが馬車でやってくる」の0分48秒〜1分57秒のシーンで使われている音楽は、「妖怪人間ベム」で使われる楽曲との類似性を強く感じます。これが同一楽曲の使い回しなのか、あるいは偶然似ているだけなのか、その調査は私の手に余るので、どなたか詳しい方の調査に譲りたいです。なおWikipediaによれば、チャージマン研!の音楽担当は宮内國郎氏、妖怪人間ベムの音楽担当は五木田岳彦氏とされています[2][3]。

リファレンス

[1] "伝説のアニメ「チャージマン研!」YouTubeで全65話無料配信開始! 一気に見たら脳が溶けそう」". ねとらぼ. 2022-03-24. https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2203/24/news177.html, (参照 2022-03-26).
[2] "チャージマン研!". Wikipedia. 2022-3-25. https://ja.wikipedia.org/wiki/チャージマン研!, (参照 2022-03-26).
[3] "妖怪人間ベム". Wikipedia. 2022-2-26. https://ja.wikipedia.org/wiki/妖怪人間ベム, (参照 2022-03-26).


Version history
v1.0 : 2022/03/26公開

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