ブラックボックス詐欺を見抜くのは難しい

なぜ、ドッキリ企画にハマるのか

テレビ番組のドッキリ企画で
よく芸人が落とし穴に落とされる。
もちろんヤラセもあるだろう。

しかし、ガチでやることも可能だ。
で、なぜ落とし穴に落ちるのか考えてみよう。

一般民が落とし穴で
引っ掛けてやろうとして
失敗するのは、

土を掘ると
若干周囲の土色と違うので
すぐに気づかれてしまう。

また、仕掛け人の雰囲気も
くすくす笑う者がいたりして
なんとなくいつもと異なり、

「落ちろー」
オーラが出ていているのを
ターゲットが感じとり

「さては、何かあるな」
っと勘付かれてしまうからだ。

そこでプロはどうするかというと、
暗い時間に撮影したり
掘った痕跡をなくすのはもちろんだが、

注意

重要なことは注意を
そらすようにしているのだ。

人間の脳は集中すると
変化に気付きにくくなることが
知られている。

例としてブレインゲームなどの
脳トレ番組で次のようなものがある。

水槽の中という設定で
チューをしている魚の数を
数えてくださいと司会者が言うと、

多くの人は、そればっかりに
集中し他が見えなくなる。

水槽の中をパンダが
横切ったとしても違和感なく
全く気づかないのだ。

目的は”注意”の実験なので
司会者は
「水中に居てはいけないものがいました。
さて何だったでしょう」と尋ねるが、
ほとんどの人がわからない。

当然水中にパンダがいるわけがないので、
ここでネタばらしというわけだ。

たったこれだけのことで
人間の注意をそらすことができる。

そこで戻って落とし穴では
芸能人走り幅跳び選手権
などと銘打って、

あたかも競技での
優劣を決める番組にするのだ。

そうすると
もうどうなるか、

賢明な読者諸氏なら
想像ができよう。

何がブラックボックス!?

さて、標題のブラックボックス詐欺と
どんな関係にあるかだが、

それは注意を
そらさせるためのものが
何かが重要なのだ。

どのようなものを
利用するかというと
実際にあるものだ。

荒唐無稽なものは
逆に怪しまれ気づかれてしまう。

落とし穴の例では
走り幅跳びは実際にある。
誰もが知っている。

ところが、あまりいい例ではないが
宝探しゲームなどというものを考えると

何かしらルールを
決めなくてはならないし、
設定やセットが難しくなる。

そうすると、なんか変だなとなり、
ある方向に誘導されているように
感じられるようになりバレてしまう。

ところが実際にあるものは単純で、
その上権威付けがされているものなら
信用度がさらに深まる。

権威とは
社会的認証、認知でもある。

走り幅跳びは歴史があり
認知されている。
だから、そこは疑わない。

もし、落とし穴企画で
何で今頃走り幅跳びなんて
やるんだろう?

と疑われたら
番組が成り立たない。
企画倒れだ。

詐欺で言えば
完全に詐欺失敗だ。

そうならず
落とし穴に落とされ、

騙されるのは
単純で権威のあるものは

特に疑うことなくスルーして
注意をそらされるためなのだ。

そして、この注意をそらすものが、
ブラックボックスになっていた
詐欺が発生したのだ。

「株主優待購入巡り詐欺疑い 
4億円超、会社代表ら逮捕

証券会社から投資先企業の株主優待物を購入する入札に参加すると偽り、出資者2人から総額約4億3千万円をだまし取ったとして、株主優待事業を手掛ける「シー・ティ・エヌ」(東京都渋谷区)の代表取締役、菊田裕樹容疑者(54)と元幹部の男2人を詐欺容疑で逮捕した。(中略)

出資者に対し、証券会社などの機関投資家を通じ、入札で商品券などの株主優待物を購入できると説明。株主優待物を転売すれば利益が出るとうたい、出資を募っていたとみられる。(中略)

大阪市の50代男性に対し、証券会社が実施する入札で株主優待物を安く入手できるとうそを言い、(中略)2度にわたり、約3億8800万円を容疑者口座に振り込ませて詐取した疑い。(中略)

大阪市の40代男性に、入札するために5千万円を出資すれば5200万円の返金があると持ち掛けて5千万円をだまし取った疑い。〔共同〕」

出典:日本経済新聞

詐欺撃退法

通常のゼニ儲け系、
金儲け系の詐欺なら

「ハハーン、こいつ、
詐欺撃退法で教えてもらった

ABCの法則を使ってきたな。
その手には乗らないよ、バ〜カ」

というふうに
95%の詐欺は防げるのだが、
ブラックボックス詐欺を見抜くのは難しい。

では、この詐欺が
どう難しいのか説明する。

また、一向になくならない
オレオレ詐欺と関連付けて、
脳科学的見地から解説しようと思う。

ブラックボックス詐欺を
見抜くのは難しいが
対抗策がないわけではない。

オレオレ詐欺と兼ね合わせて
対抗策についても解説しよう。

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