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ドン・カルロス メモ(6)場面整理, 第五幕

第5幕第1場

◆登場人物
カルロス
ポーサ侯爵

◆いつ
15場のあと

◆どこで
王宮の一室
前庭に面している部分が鉄格子

◆できごと
ポーサ侯爵が囚われているカルロスに会いにくる。
カルロスから(4幕5場で)預かった手紙を返す。

◆わかること
ポーサ侯爵は4幕5場で預かった書類入れから、王に見られてはまずい手紙を抜いて保管していた。


第5幕第2場

◆登場人物
カルロス
ポーサ侯爵
ドミンゴ

◆いつ
1場に続く

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
ドミンゴがカルロスは解放される、逮捕は手違いだったと伝える。
カルロスは王が自ら解放を伝えにくるまでは出ない、と拒む。

◆わかること
カルロスに自信が芽生えている。

◆その他
カルロスがドミンゴに毅然とした態度をとれるのはある決意の表れかもしれない。


第5幕第3場

◆登場人物
カルロス
ポーサ侯爵

◆いつ
2場に続く

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
ポーサ侯爵がカルロスを助けるために行ったことの全容を明かす。
ブリュッセルに送った手紙の説明をする。(ポーサ侯爵が王妃に恋をし、近づくために王を騙して信用を得た。カルロスはポーサ侯爵の企みに気づき、王妃に警告するためエーボリ公女を利用したい)
王の刺客によってポーサ侯爵は射殺される。


第5幕第4場

◆登場人物

カルロス
ドミンゴ

◆いつ
3場の続き

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
王がカルロスの自由を伝えにくる。
カルロスが激昂し王に剣を向ける。
カルロスは王にその剣で自分を殺すように訴える。
民衆による暴動の音が聞こえる。


第5幕第5場

◆登場人物

カルロス
ドミンゴ
士官

◆いつ
4場の続き

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
士官が入ってきてマドリード蜂起を伝える。
王は失神する。
王は気を失ったままドミンゴたちに運び出される。

◆わかること
王は失神するほどストレスを抱えていた。

◆その他
王は王座を追われることを恐れていた?
王のプレッシャーは偉大な先王カール5世の影響か?


第5幕第6場

◆登場人物
カルロス
メルカド(王妃付きの医師)

◆いつ
5場の続き

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
メルカドが入ってきて王妃が面会を求めていると伝える。
一度拒否するカルロスだが、ポーサ侯爵の遺言と聞き気を変える。
メルカドが、司祭の服をきて廊下をさまよう先王カール5世の霊の話をする。
カルロスは0時に司祭の服を着て王妃の部屋へ向かうことを約束する。

◆その他
カール5世というモチーフはもっと前から出ていてもいいのではないか。
2021年11月版では宮廷を彷徨う司祭服の男=謀略を巡らせてあちこちに現れるドミンゴとしても良いかもしれない。=父権・封建制度の象徴


第5幕第7場

◆登場人物
カルロス
ドミンゴ(本来はレルマ伯爵)

◆いつ
6場のあと

◆どこで
王宮の一室

◆できごと
王が連れ出されたあと、抜け出してきたドミンゴ(レルマ伯爵)がカルロスに早く逃げるよう伝える。

◆わかること
スペイン王宮内にもカルロスを評価している人物がいる。

◆その他
8場(王の寝室の前の部屋)でアルバ公爵がフェリア公爵と話す。
暴動は王妃が引き起こした。ここは何らかの方法で盛り込んだ方がいいか。アルバ公爵の手の者が王子の部屋でポーサ侯爵の死について聞き回っているカルトジオ派の修道士を見つけた。その修道士が持つ手紙にはポーサ侯爵の計画が書かれていた。(真夜中から早朝にかけてマドリードから逃げるよう。カディスに船が待っている。その船でネーデルラントのフリッシンゲンへ向かう。ネーデルラント諸州はスペインの支配を脱するためカルロスの到着を待っている。トルコ王ゾリマンの艦隊が同盟条約に従いスペイン王を地中海で襲撃するためにロードス港を出ている。ポーサ侯爵はフランドル地方独立のため北欧諸国に同盟を結ばせようとしていた。手紙の中には詳細で完成度の高い作戦も添えられている。逃亡の夜に王妃の部屋を訪ねるようにとある。)


第5幕第9場

◆登場人物

ドミンゴ(本来はアルバ公爵)

◆いつ
7場の続き

◆どこで
王の寝室の前の部屋

◆できごと
様子の変わった王が寝室から出てくる。
ドミンゴ(アルバ公爵)がポーサ侯爵がカルロスに宛てた手紙(欠番5幕7場でアルバ公爵が手に入れたもの)を王に渡す。
王がドミンゴに宗教裁判長を呼ぶように言う。

◆わかること
2時頃に郵便馬車がカルトジオ修道院に停車する。


第5幕第10場

◆登場人物

宗教裁判長

◆いつ
9場のあと

◆どこで
王の寝室の前の部屋

◆できごと
王に呼ばれて宗教裁判長がくる。
王は教えをこう。
宗教裁判長にお墨付きをもらい、カルロスを殺すことを決意する。
ただし直接王が手を下すのではなく、裁判にかける。

◆わかること
教会はポーサ侯爵を監視し泳がせていた。
宗教裁判長はカール5世の時代から仕えている。
教会はカソリックの支配するスペイン王国が続くように謀略を巡らせている。


第5幕最終場

◆登場人物
カルロス
王妃

宗教裁判長

◆いつ
0時過ぎ

◆どこで
王妃の部屋

◆できごと
カルロスが司祭の服でカール五世の幽霊に扮し、王妃の部屋を訪ねる。
ポーサ侯爵の意志を継ぐと決心する二人。
王と主教裁判長がくる。
(原作では王妃は失神して死に、カルロスは宗教裁判長に引き渡される)


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