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Boox Note 5を買ったのでレビューみたいなことをしてみる

Boox Note 5を買ってみた。

想定用途は、読書と仕事(デスクワーク中心)でのノートテイキング。

買う前、凄く迷った。そもそも必要なのか?という迷いがあったし、買うにしても、想定用途に対してはどのBooxを買うべきか?このあまりにも尖った端末は、自分の期待に耐えるモノなのかどうか?に対する答えがネットでは見つけられなかったからだ。

この記事は私の読書とノートテイキングに求める期待と、それに対してBoox Note 5は応えられるモノだったのか、そうでなかったのか、書いてみたい。ちなみに購入後2週間経過している。

私と同じように迷ってる人の、買う、買わない判断の後押しになればいいなと思う。

現状への不満とBooxへの期待

前提として、私は、iPad Pro 12.9インチ、Kindle Paper Whiteを所持している。iPad Proでは主に動画視聴、ブラウジング、漫画、固定レイアウト書籍閲覧に使用。Kindleは、小説、その他寝室での読書に使用。

仕事でのノートテイキングはA4のちぎれるノートを使用していて、一時的なメモ、情報のまとめ、思考の整理など、全てそこに書いて、要らないものはちぎって捨てる、いるものはちぎって物理的に保存しておく、という使い方をしている。

現状への不満点は、

・KindleのWi-Fi接続が不安定で、書籍ダウンロードに時間がかかる。(色々試したが改善せず)
・Kindleは漫画を読むには小さすぎる。iPad Proのように見開きで漫画を読みたい。固定レイアウトも実用的には厳しい。
・電子書籍リーダーとしてのiPadは重すぎるうえ、目への影響が心配
・紙のノートは整理が大変(私は病的に整理が苦手)で書いたメモが分散し、情報をなくしてしまったりすることがある
・ノートとしてのiPad Proは、筐体自体重いこと、ペンシルを充電するのが面倒で忘れがちのため実用に至らない(私は病的にめんどくさがり)
・iPad Proの電池持ちはとても良いが、それでも1日に1度は充電をしないとならない

といったところだ。最近KindleのWi-Fi接続不安定の症状が出始めたので、これを機に上記不満点を解消したいと思いBooxを検討し始めた。

Booxへの期待としては、ネットワーク接続が安定(こんなの問題あれば不良だけど。)していて、漫画がストレスなく読めて、目に優しく、ノートがとれて、ペンを充電しなくてよい、また本体が軽くて充電もたまにでよい、ということになる。

特に、軽くて、電池持ちが良いことは、ノートテイキングと読書をするのに私が重視したかったポイントだ。重いと取り回しに気を使ったり、手が疲れたり弊害が多い。また電池がすぐ無くなるようだと、これまた取り回しが面倒になる。自宅で読書しない日はカバンに入れっぱなしにしたいし、いざメモを取りたいと言う時、電池がなくて書けない、では話にならない。

ちなみにAndroidを搭載した電子ペーパー端末ならBoox以外でも候補になり得ると思うが、無名なメーカーでは心配なので結果的にBoox一択となった。

ではどのモデルを選ぶか?

まずネットワークは当然どのモデルでも問題ない。

目に優しく、ノートが取れ、かつペンを充電しなくてよいのはどのモデルも一緒。

しかし、漫画を見開きで読むには、どう考えても、下位モデルであるBoox Nova Airの7.8インチでは小さい。最低でも10インチは必要だろう。10インチ以上のモデルにはBoox Note Air 2、Boox Note 5、Boox Max Lumi2がある。

Lumi2は13.3インチで、大きさは文句がない。ただし重さ570g。これはどれくらいの重さだろう。ハードカバーもしくは厚めの単行本で大体400から450gくらい。薄いやつなら300g程度だろう。つまり薄い単行本を2冊持っているくらいの重さということ。うん、重すぎだ。

というわけでMax Lumi2は除外。となると候補はNote 5とNote Air 2。

この二つは、何が違いなのかパっとはわからないが、Note 5の方が高い、指紋認証が使える、重さ385g。Air 2は少し安く、指紋認証はないようだが、重力センサーによる、画面の縦横自動切り替えができて、420g。

結果、私が重視したのは前述の通り重さ。たかが35g、されど35g、その差約10%。でも少しでも軽い方がいいもん。。。数十ユーロ値段アップも仕方ないよ。。。

不安点

さて、ここまでBooxに対する期待と、それに対して応えられそうなモデル選定について書いてきたが、どんなに調べても解消しない不安は残った。それは以下

・Amazonのレビュー見ると、ネガティブな評価多し。遅いだのGoogleプレイ使えねえだの。
・純正Androidじゃないので、セキュリティとかどうなってんだろ?
・公称で、スタンバイモードで電池4週間持つとのことだが、自分のユーセージではどれくらい持つのだろうか?あまり情報がない。。
・ノートの書きごこちは実用に耐えうるだろうか?iPad Proを経験してしまってるので、期待値は同じレベル。それより悪いと、ストレス溜まって途中で使わなくなっちゃうのでは?
・Kindleの方がリーダーとしては優秀という話もちらほら。本当だとしたら、ストレス溜まってやっぱKindle買い替えとけば、とならないかな。。。

などなど。しかしこれらは実際に自分で使ってみないとわからない。

一旦こういう不安にはとりあえず目をつぶって、さらに最悪Amazonの返品制度を使う気持ちで(日本は知らんけど、フランスでは30日以内なら、要らなくなった、ってだけで返品できる)、それでも清水の舞台を飛び降りる心境で、ポチりました。

買ってみて

購入から2週間が経った今、全体的な結論から書くと、買って良かった。全て期待通りとはいかなかったが、返品することなく、これからも使い続けようと思っている。
以下には、期待していた、不安に思っていたポイントに対してどうだったかコメントしていく。

リーダーとして(目への影響、漫画が見開きで読めるか)

目への影響について、これは電子ペーパー端末を選んでいる時点でiPad Proよりも良いはずなので割愛。

さて漫画が見開きで読めるかについて。
Kindle、hontoアプリを使用した結果、読めなくは無いが、私はストレスの方が勝り、結果現在見開きでは使用していない。

最初は想定通り、大抵の漫画は見開きで読めるレベルのサイズと、画質だな、と思った。だが何度か読んでみて、漫画の世界に入り込めていない自分がいることに気づいた。最初は疲れているのかな、とか、平日は仕事のプレッシャーもあるから、とか思っていたが、ふと縦向きで、片面ページだけで漫画を読んでみたときに、原因は見開き表示の小ささにあったことがわかった。縦向き片面だと深く集中して漫画を読むことができたのだ。おそらく見開きだと、文字を認識するのに若干の努力が必要とされ、それが無意識下でのストレスとなり、漫画に深く入り込めないという事が起こっていたのだろう。従って、私は漫画見開きを諦めた。

だがそれでも、片面で読む分にはストレスがないし、所有していたKindle Paper Whiteでは小さすぎて漫画を読めなかったのに比べれば、進歩。今後iPad ProからBoox Note 5に漫画リーダーを移行するだろう。どうしても見開きで見たい場合は、iPad Proに一時的に戻れば良い。

重さ

片手で持ち続けるのは厳しいが、それは想定していたこと。ソファに座ったり、椅子に座ったりして漫画を読む、ノートを取るのには許容範囲の重さ。会議室への移動時に重くてストレスを感じることもない。

それこそが求めていたことだったので、ここは満足。420gのNote Air 2ではなく385gのNote 5にしてよかったなと思っている。

ノートとして

Boox Note 5を購入して、一番気に入っているのがノート機能。特別なアプリは追加で入れていない。Boox純正のノートアプリを使っているが、非常に使いやすい。細かく改善してほしいことや追加してほしい機能など、あげればたくさん出てくるが、それでも、現時点で十分実用に耐えうる。

まず書き心地が素晴らしい。紙でノートを取っているのとほとんど変わらない感覚で書く事ができる。買う前懸念していたのが、書き心地に少しでも違和感があって、その小さなストレスによって結局使わなくなってしまうこと。ソフト的には、ペンのスピードと描画のスピードにほぼラグがなく、物理的にはデフォルトで貼ってあるフィルムのサラサラした感触もあって、紙に書いているような感覚になる。今のところ、全くストレスはない。

次に、ペンが充電不要であること。これは想定通りの事実ではあるものの、それがもたらすものは想定以上にストレスフリーのノートテイキング体験だった。いつでも、(本体が動けば)ペンの電池を気にすることなくノートが取れる。iPad Proで、これが原因でノートとしての使用を事実上断念していた経緯もあり、この点は本当に大きなポイントであると思う。また、強めのマグネットで本体につけて置けるのも地味にありがたい。

ノート機能について強いて不満点を挙げるなら、前に書いたページやノートへのアクセスの容易さでは物理的な紙に敵わないところであろう。しかしこれは電子化の宿命なので文句を言うべきではない。その代わりに得られる利便性とのトレードオフだと思う。

なお、設定や、自分なりの整理方法を見出すまでも、少しストレスは溜まるかもしれない。しかし一旦設定が固まり、整理方法が確立されればストレスフリーになる。これは自信を持ってオススメできるポイントだ。

電池持ち

私の使用用途と設定では、6から7日間くらいの電池持ちである。
メーカースペックでは、スタンバイモードで4週間ということだが、私が実際に使った時の電池持ちは約1週間ということになる。

私の使用用途は前述通りだが、もう少し具体的には以下の通り。

設定
自動スリープ:30分
自動電源オフ:1時間

月から金曜日

・毎朝、自宅にて、5-10分程度日経新聞を読む
・​会社にて、毎日合計1時間-2時間程度のノートテイキング
**1-2時間というのは、ペンを走らせている時間。やることリストの書き出し、会議のメモ、思考のアウトプットをメインに、必要な時に、好きなだけ使っている。
・5日のうち、3日か4日は、自宅にて読書および、スプリットビューでノートテイキング30分程度
土日
・合計で1時間から2時間くらいの読書(漫画・小説)
・ノートテイキング30分から1時間程度(考え事など)

この間、特に電池節約を意識していないで使っている。メモ・読書後には手動スリープはかけず、画面はオンにしたままにしている(30分経てば自動スリープする)。

1週間程度では確実に充電しなくてはならないため、驚異的に電池持ちが良いわけではないが、平日は一度も充電しないで使えるため、ストレスはない。欲を言えば10日間ほど持つと、更なる精神の安定が得られるが、それでも平日に一々充電を気にする必要がないのは、病的めんどくさがりの私には有難い。

というわけで電池持ちは、素晴らしい、という結論になる。

不安点についてはどうだったか?

いくつかポイントがあったが、すでにカバーした部分もあるので、セキュリティ、リーダーとしてKindleと比べてどうか、Google Playについてサクッと書いてみよう。

セキュリティについて、フランスAmazonの書き込みとかにあったのは、中国製で、純正Google Playが使えない。Booxに情報を悪用されたりするのではないか。というような懸念。結論からいうとよくわからんがBooxを信じよう。ということにしている。なぜ信じようという気になったかというと、このBoox製の独自UIがとても誠実に作り込まれていると感じたから。そこに作り手の誠意を感じたから、ということになってしまう。独自UIなのは、逆にユーザーにとっての利便性を追求しているからだと思う。Androidそのまま使ってしまったら、多分ものすごい使いづらい、見づらいUIになる。それをわざわざ独自UIにして、それも痒いところに手が届く作り込まれたUIにしているのは、誠実な企業努力の結果だと思う。だから、インテンショナルな情報の悪用はない結論。

ま、この端末を使う以上もう気にしてもしょうがないってものありますねw

Kindleと、リーダーとして比べた時は、画面の大きさと、使える電子書籍リーダーアプリ以外ではKindleの方が優秀なのは間違いない。これはもう疑いようがない。画面めくりのスピード。白黒コントラストの表現力。正直BooxはまだKindleに及んでいない。ここをBooxが改善し、Kindleに肩を並べたならもうBooxは最強の電子ペーパー端末になると思う。でもそもそも電子ペーパーに、(そこまで)スピードを求めていないし、白黒コントラストは少々面倒だが設定でKindleに近づけることはできる。Kindleを100点とするなら、80点くらいがBooxというところだろう。

Google Playについては、普通に使えたので、私は特に問題ありませんでしたとしか書けないです。Activateしてすぐ使えるようになった。ただ日経新聞のアプリ以外、Google PlayストアからじゃないとDLできないアプリは入れてないのだが・・・。Amazonとかhontoとか、Kinoppyとか、BooxのストアからDLできる。

そのほかネガティブなポイント

事前には考えていなかったが買ってみてここはちょっとなあと思った点。(結論から言うとそこまでネガティブではないのだが気にする人のために書いておく)

筐体の素材
アルミのような筐体で、色味、デザイン総合してカッコいいが、普段本の代わり、ノートの代わりにガシガシ使いたい場合には、もっといい素材があるだろうと思う。理想はKindle Paper Whiteのシリコンのような素材Boox Note 5の筐体は滑るし、手汗が目立つ。

カバーの選択肢の少なさ
尖った端末ということもあって、サードパーティのカバーの選択肢が少ない。純正カバーも、Note 5の純正カバーにはNote Air 2のカバーのようにスタンド機能がなく、割高。

縦横画面自動切り替えはあったほうが便利なのは間違いない
Note Air 2とNote 5の大きな違い、縦横画面自動切り替えは、あった方が間違いなく便利。というのも電子ペーパー端末なのでメニューをいちいち出して画面切り替えして、というのがもたつく。これが自動になるならかなり便利だと思う。ただし前述通り重さとのトレードオフになるのが現状。

画面の大きさ
10.3インチというのはノートテイキングには十分だが前述の通り漫画見開きには小さすぎる。後ほんの少しでいいから大きくならないかなというのは正直なところ。ただし重さはそのままで・・・わがまますぎるかもだけど使用実感だけを考えるとそう思った。

自動スリープ、電源オフの時間選択肢が少ない

自動スリープ:3分、5分、10分、30分、Never
自動電源オフ:15分、30分、1時間、12時間、1日、2日、Never

自動スリープについては30分とNeverの間が欲しかったなというところ。自動電源オフは1時間と12時間の間があるといいなと。たとえば2時間とか3時間とか。なんなら自分でカスタマイズできないのが地味にストレス。

総論

長々と書いてきましたが、総論としては素晴らしい端末です。

上記には買う前の不安との関係で書いたりしたため、ネガティブなポイントが目立ってしまったかもしれません。ただ、使用していてストレスと違和感のないノートテイキングは紙からの卒業を確信するほど快適ですし、大きな画面で目への負担を最小限に本や漫画が読めるのも大きな強みです。

最初は30日間のAmazon返品保証制度を使うかもという予感と共に購入しましたが、おそらくこのまま使い続けることになると思います。

また、機会があれば、さらに使い続けた感想などをもっと簡単に書いてみたいなと思います。

ではまた。

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