【観じて想う#052】ここにいる
昨日は年の中間、大祓をされた人も多いだろうか。
昨今の世界や社会の情勢、自然現象…これまでにない事象の数々を前にしたら、己の何かしらの穢れが要因のひとつかもなどと思ったりする。
そんなことを思っていたら、ポンペイ展のチケットを買っていたことを思い出し、会期もこの日曜までなので急遽出かけた。
豊かな文化を謳歌していた都市だがヴェスヴィオ火山の噴火という自然”現象”で消滅した。
展覧会のテーマは「そこにいた。」
その豊かな社会や暮らしぶりが分かる遺跡や遺物は、今もなお発掘調査が続いているそうで、まさに「そこにいた。」である。
ヴェスヴィオ火山の噴火によって時が止まった都市、火山灰の中から掘り起こされた数々の文物を前にして、私は「ここにいる。」はずなのだが、「そこにいた。」ような気分になった。
これらの物はまさに「生き証人」、物が語る当時の様子をもっともっと聞いていたかった。
<今日の美>
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