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【素的視点から#055】ココロ打つもの

先日、ひょんなことから、この作品を全巻一気に読むことになり、数十年ぶりに漫画に触れました。


世代を超えて愛されている、日本少女漫画の最大傑作ですが、妙にオカタイ家庭だったので子供の頃はあまり漫画に接したことがなく、今更ながら初めて読んだ次第。
もう、言葉が出ないくらい…素晴らしいですね!

さすがに、登場人物に“胸キュン”ということはないですが、ひとコマひとコマの完璧さに、漫画や劇画を超えた、オペラを観ているようで。
その一方で、各キャラクターの生身の“ヒト”である姿を緩急うまく描いてある。

読後、♪薔薇は薔薇は🌹〜 というフレーズが頭を巡る中、ふとスマホを見ると、今度はこちらの告知が目に入りました。

上映スケジュールも都合よく、これは素敵なシンクロ!と急いで支度をし出かけました。
2時間半ほどの無観客配信式のオペラでしたが、映画館の大画面と上質なサウンドに心から酔いしれました。
ブラボーも大拍手もない舞台でしたが、アリアの後は涙がうっすらと、無音の拍手を抑えきれませんでした。

そして、なによりこれら二作品を続けて観られたのは意義深い偶然でした。

ご存知のように、「ベルばら」はフランス革命、「トスカ」はその流れが当時のイタリア半島にもたらした革命機運がストーリーのベースにあります。

実は、高校時代にこの辺りの欧州の歴史が苦手だったのですが、数十年の時を経てこんなにスッキリと分かるとは…苦笑とともに、両作家の天才性に改めて感動しました。

教科としての歴史には「原因と結果」に重きが置かれることが多いように思うのですが(だから『歴史に学ぶ』という)、芸術作品から歴史を眺めると、『どういうわけかそうなった』という偶然性がより鮮明になり、(個人的には)むしろ納得がいく。
「理屈」事後にはその出来事を理解/解釈するための一方法でしかない、と思うのですよね。

この辺りのことは次のブログに続けて書き記したく…

<今日の美>

立冬の前に、秋も終盤

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