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【ココロの旅#56】「テ-ティファニーで朝食を」-ワタクシの人生「イロハ帳」

 こんにちは、晩秋ながら20℃を超す日もある今日この頃ですが、いかがお過ごしですか。今週末は三連休、遠出の予定を入れている方も多いと思いますが、健やかな楽しい時間を過ごされますように。

~映画も良いけれど原作も~
ホリーのココロの中は...?

※本内容はワタクシ独自の見解と解釈であることを予めご了解ください。

1)一般的意味:

📖米国の小説家トルーマン・カポーティによる中編小説、1958年発表。NYを舞台に自由奔放に生きる女性主人公を描く。1961年にオードリー・ヘプバーン主演で映画化された。

🐐乙女なら(そうじゃない人も)一度は魅了される映画ですね。NY本店ではついに朝食のとれるレストランができたそうです!

2)ワタクシの旅:

📚小説「ティファニーで朝食を」

この小説との出会いは、まずは映画でした。皆さんにお馴染みのオードリー・ヘップバーン主演のお洒落な映画です。
この映画の世界に胸をときめかせ、原作に興味を持ち、早速図書館で借りて読みました。

・・・が、この小説は映画とはその印象が大いに異なることに驚きます。

まず、映画にある、あのオードリー扮するホリー・ゴライトリーが持つキュートさやエレガントさが、小説のホリー・ゴライトリーについての描写や彼女言葉から見えにくい。
小説のホリーは、

・何とかリッチなセレブに入れ込もうと、美貌とセンスを使って彼らの世界に挑むのだけれども、その背中には、いつも薄ら寒さを抱えている

・その薄ら寒さをかき消すように、大袈裟な衣装を着込み享楽的なパーティーに潜り込み、日々を過ごす

・その日々は、ちょっとした誤魔化しと悪意のない嘘で彩られているが、その偽りの数々こそが彼女の生活の糧でもあり、唯一人とのつながりを持つ手段でもある

映画は、パーティーガールが時々見せる"素顔"が衣装やセットのセンスの良さとも相まってある種コケットリーで、時々切ないながらもラストは心温まるシーンで終わっていましたよね。寂しさはスパイスのように使われていて、映画全体のトーンはやはり「オードリー」そのものでした。

一方の小説は、終始、乾いた冷え冷えとした寂しさをたたえているように感じます(丁度今時分の、晩秋の夕暮れのような感じ)。
勿論、ホリーの風貌・言動からは、自由奔放さや無邪気さをくみ取ることはできますが、同時に同じほどの痛々しさを覚えました。

🐐小説を読みながら、映画の主人公はホリーではなく「オードリー」だったのだと改めて思いました。この劇中歌もオードリーが歌える範囲のキーで作られたそうです。


📕ホリーとは我々そのもの

ホリーの寂しさは作者カポーティが常に抱えているものが投影されているとのことですが、ワタクシが思うに、この寂しさには誰しも身に覚えがあるはず。

ホリーは最愛の弟とともに、親の愛情を受けられず、あまり幸福でない少女時代を過ごした後、ホリー自身はそんな辛い生活を捨てて都会NYへ出てきます(このくだりは上記の"Moon River"の歌詞に上手く反映されているのですが、小説内に載っている原作の歌は全く異なり、歌詞には彼女の放浪癖が表現されています)。

彼女は、都会のセレブ生活に取入るため、あれこれ知恵をつくし、その日を送る。でも、ふとした時に、弟や弟と過ごしたあの農園の優しく穏やかな日々を思い出し、そして、弟を思い煩い、自分の過去に心を痛めて涙する。

この半年のココロのサークルで自身を含め、様々な人の心の苦しみに触れたのですが、その根っこにあるものは、人とのつながりがもたらす「澱」と「過去」の磁力でした。

「澱」はその実、「愛」なのだけれども、人が他者と関係を作る際に「愛」の成分の何かと何かが化学反応を起こし、よく透かしてみないと見えない「澱」が生まれる。これが人のココロに突き刺さる、痛い、辛い、でも耐えなきゃ、だって、それが生まれて生きていくってことなのだろうから...

「過去」は、今であり未来でもある。いつもは沈着冷静な人々でも、容易に過去の磁力に引き寄せられてしまう。良くも悪くも逃れることはできないし、その美しさも醜さも、なぜかココロに突き刺さる、痛い、辛い、でも耐えなきゃ、だって、それが自分なのだろうから...

🐐小説のホリーは「今でも」放浪を続けており、笑顔の写真がアフリカ大陸のある国から送られてきたというストーリーが冒頭に書かれているのですが、放浪とはいえ、行く先がありカメラに笑顔を向けられるのであれば、それで十分幸せではと思ったりします。本当の放浪は行き先がないことだと思うので。

👱‍♂️作者カポーティ

もし、ワタクシ的小説「ティファニーで朝食を」に共感してくださった読者の方がいらしたら、作者カポーティについての映画「カポーティ」をお勧めします。彼の孤独が映画全体に染みわたっているうえに、ほぼ実話をテーマにした主人公や登場人物の心理描写は人間分析に役立つように、個人的には思いました。

🐐恐らく『ココロのサークル(スーパーカウンセラーのお弟子講座)』に通っていなければ、この映画について、こんな解釈はしなかったと思います。
ワタクシなりに、ささやかながらも、心理分析(もどき)ができたことをちょっと喜ばしく思っています...

3)おまけ:

と書いていたら、なんとカポーティの実録映画が近々公開されるとのこと。
シンクロ&これは観なくては!!!

<今日の美>

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