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【ココロの旅#72】"気になる木"-素的視点から

 こんにちは、気候や天候そして日常生活など、あらゆる面で厳しさが増していますが、皆さんのご無事と春への希望を胸に抱きつつ…

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こちらの写真、自宅近くのとある場所に生えている(元は誰かが植えたのかもしれませんが)オリーブです。こんなに身近な場所で結実しているとは!
ささやかな驚きと、気づきと、そして、この日常と。

~気になるオリーブの木の下で~

●この木がここにあるのは...

このオリーブの木が生えているそばのトンネルをしばしばくぐるのですが、まさかこんなに実を付けるものだと知りませんでした。

枝葉が、よく言えば自由気ままに、悪く言えば寝起きの手入れされていない鳥の巣ヘアスタイルのようで、風景にキラキラした美しさを添える類の木ではない。

しかも、折角大量に付けた実も、甘みが無いからか、鳥すらもちょっと突いては放っている様子。
地面には啄んだ跡の付いた実と熟しすぎた無傷の黒い実がたくさん落ちており、しかも、それらが潰された跡がそこかしこに黒い点というか染みになってついているという、人によっては眉を顰めたくなるような仕業まで。

けれど、今の家に住み始めて、そばを通る度に、この木に何となく心惹かれていました。

春先から鮮やかな緑の葉を茂らせ、初夏には花を咲かせ、酷暑も涼やかに過ごしている姿にうっすらと季節を見ていたのだと思います(地中海沿岸が原産ですから日本の暑さなんて平気、平気)。

そして、心に余裕がなくすさんでいる時も、無気力・無感情・無表情(笑)な時も、トンネルをくぐった後にすぐ現れる、あのボサボサの枝葉が目に入ると何かを感じていました。

それに、あの黒い実が残した墨も、私には、むしろ微笑ましくユーモラスに見えています。

~はて、はて、一体何なんでしょうか?~

●素的視点から

それは、"パワー"というような熱く激しいものではなく、静かな「生」のようなものとでも言えるでしょうか。

ものの本によると、オリーブは次のような意味を持つそうで、

・"生命の木"と呼ばれる常緑樹が持つ「生命力」を
・ギリシャ神話より「知恵、勝利」を(古代オリンピックの勝者の冠はオリーブ樹,NOTローリエ)
・旧約聖書より「平和、安らぎ」を(国連旗にも採用されている)

確かにあの木にも、

・年中、どんな気候天候でも常緑の枝葉を広げる姿に「生命力」
・誰の手も煩わせることなく、こともなげに立っている姿に「知恵、勝利」を
・四六時中、車の往来が絶えない現代の慌ただしさの中にすっくと立つ姿に「平和、安らぎ」を

感じ取っていたのかもしれません。
そして、この冬もまた、「生」の証として丸々として黒々とした実を粛々と結んだのでしょう。

黒い実は誰に顧みられなくても良い、
地に落ちて場を黒くするだけでも良い、
なぜなら、それが己が「生」なのだから

思わず拾ったひどくしわの寄った一粒から、そんなメッセージを受け取りました。

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ところで、食用のオリーブはとっても身近でその用途もホント広くなりましたね。
100均にもあるし(意外に便利!)、先日行ったごく普通の和食店でもテーブルに醤油とともに並んでいましたし("味変"用!)、和菓子にも使われている(たねやのオリーブ大福!)。

<今日の美>

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