読書メモ『君が手にするはずだった黄金について』前編

小川哲さんの『君が手にするはずだった黄金について』を、まさに現在進行形で読んでいる。今25ページにさしかかったところだ。

普段は読みながら考えたことを途中でメモしながら読む、ということはしないのだが、なんとなくやってみたくなったので、ちょこちょこメモしながら読んでみようかと思う。

・美梨のお父さんが「電話口で怒鳴る人間と猫舌の人間は信用してはいけない」という。なぜ?私は猫舌だが信用に値しないのだろうか。

・主人公は「本は読者にかなりの能動性を要求する」「本が「自分だけを見て」と喚いているように感じられる」と考えるが、私は反対の意見だな。本の良いところは、読者が受け取り方をある程度調整できるところではないかと思う。例えばグロテスクなシーンが苦手ならそこは流し読みしたりとか。映像作品のほうが見たくもないシーンを無理矢理見せられるような感じがして苦手だ。

・そもそも主人公は真面目すぎるなぁ?就職活動で会社に自分のことを完全に正しく伝える必要はない。会社のほうだって就活生に正しい姿を伝えてはいない。就職活動ってのは極端にいえば、社会が求めるような姿勢を表面上だけでも取ることができるかどうか、それくらいの社会性があるかどうかを見られているだけなのではないか?

・そう思ったら次の場面で美梨に真実を話そうとしすぎであることを指摘されていた。就職活動はフィクションである、とも。

・私の場合、文章を書きたくなるのは何らかが欠落しているときなんだよな。多分めちゃくちゃ幸せな充実した生活を送っていたら何も書く気にならないのではないかな。主人公がエントリーシートから始まった小説に、美梨といると集中できないのも似たようなことだろうか?

・いきなり六年経過してしまったし、美梨は別の人と結婚してしまった。ここまででまだプロローグである。

・震災の話と、人生のほとんどは平凡な1日でありいずれ忘れてしまう日々だという話。でも毎日が「忘れられない1日」だったらしんどいだろうな。今悩んでることも1年経てば大抵は忘れていること、ということは結構な救いだと思う。

・プロローグとなんだか時系列が合わないような?主人公違う人だったりする?

・なんだってこいつはこんなに必死に3/10の出来事を思い出そうとしているのだろう。

・みんな少しずつ記憶違いをしている。これは記憶というのは不確かなものだという話なのか、それとも世界線が微妙に違うとかそういう話なのだろうか。

・失われた時を求めて。忘れたことすら忘れてしまうこと。忘れようとして忘れた記憶。主人公淡々としてるのに案外恋愛にはグイグイいくタイプだな。そんでちゃんと上手くいってるし。

・いや彼女泣いとる。彼氏とまんまと別れさせて付き合い始めた彼女なのに、別れる時妙にあっさりしているコイツは何なんだ。

・次の章へ。占い師について、ざんっちみたいなこと言ってるな。占いとか霊能力とか、あったほうが夢があると思っている方だけど、残念ながら世の占いはほとんどインチキだろうなぁ……。占いが当たるなら私は今頃好きな人と上手く行ってないとおかしいし。なんせどの占いでも上手く行くと出ていた。あれ以来占いが信じられなくなったな。

・過去のことってわりと当てられるらしいね。それに過去のことなら正しいかどうかがわかる。でも当ててほしいのは未来のことなんだよなー。

・主人公、思いの外占い師嫌いだった。そこまで言わんでも。

・占い師を倒す方法を練る主人公。

・占い師のことオバサンだと思い込んでたが男の人だった。バイアスかかってたな。

・この場面を書くために取材で占い受けに行ったりしたのかな。

・主人公、占いとやや和解する。

・占いってカウンセリングに近いのかも。いや、カウンセリングは受けたことないから全然違うかもだけど。「転職すべきですか?」とかは案外、自分自身のなかで完結する悩みだから、占いという名のカウンセリングで自分の本心を探るのは有りなのかもしれない。恋愛は自分以外をどうにかしないといけないから、占いとは実は相性が悪い分野なのでは。


ここまでで半分くらい。メモ書きながらだと3倍くらい時間かかるな。

多分世界線が違う説は無いな。都合の悪い話を忘れてしまって記憶の改竄が起こることがあるっていうことだろう。私にもそういう正当化してしまった記憶があるんだろうか。さすがに主人公のような行動をした場合は覚えていそうだと思うが……。

そういや猫舌の人間が信用に値しない理由は??これって理由教えてもらえないの?猫舌の人間は舌の使い方が下手なだけであるという話を聞いたことがあるけどそうなんだろうか。ちなみに私の場合は猫舌ならぬ猫手でもある(熱々の湯飲みなどを触れない)ので、単に熱に弱いだけだと思う。信用してくれよ。

読んで考えて書いて疲れたので、前後編に分けよう。今日はここまで!

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