都道府県ごとの真実本

 よく行く本屋さんの中をうろうろしていると、沖縄関連書籍の題名に「真実」「本当」という言葉を含んでいることの多いのに気がついた。沖縄県内の本屋だから目立つだけだろうけど。

 真実は単に一冊の本を読んで得られるものではなく、読み続けるなどの継続した関心によってしか得られないと考えているだけに、どのような立場で書かれていようと、そういった本にはささくれだってしまう。いい本もあると思うけど、お手頃に「真実」が手に入るわけない。

 このような「真実」とセットになった本が多く出版されているのは、47都道府県で沖縄だけなんだろうか?と気になったので調べてみた。暇だし。

 調べ方はごく単純で、オンライン書店「honto」で各都道府県の名前と「真実」「本当」の単語をそれぞれアンド検索にかけただけ。重複があることなどから電子版を抜いて、明らかに関係ないものも排除した。一冊に複数の都道府県名が含まれていることもあったけど、それはそれぞれにカウントした。なんとも言えずに悩んだものはとりあえずカウント。

・結果(詳細は下に掲載)

都道府県ごとの真実本


 エクセルではなく、Numbersで作成したのは初めてなので難しかったけど、こんな感じ。

 最も多かったのが東京で、ついで沖縄、福島、京都という流れ。1冊もヒットしなかった都道府県は10ヶ所。

 東京は東京裁判関連が目立つので、地域の話題というよりは歴史認識的な話題か。福島は全て原発事故関連だった。沖縄は沖縄戦と基地問題が多い。大阪の都構想の本が出てくるかなと思っていたけど、橋下徹氏の電子版書籍のみだった。

 「真実」を含むタイトルは事件事故や歴史ものが多くて、「本当」を含むのは「本当に美味しい」などの旅行本が大半を占める。

 政治的な課題を抱える地域の「真実」を知りたいというニーズに答えるために、タイトルに含まれている印象。そのターゲットがその地域に住む人なのか、外の人なのか、両方なのかは判然とはしないけど。

 「真実」をかたる本の多さが、その課題(地域)と全国的な距離の遠さを感じさせる。

 ちなみにアイヌで調べると「真実」「本当」合わせて7冊、在日だと計1冊だった。

※いわゆる「真実」を冠した書籍の多くが2010年以降に出版されているのは、面白い現象ではある。スマホの普及率と重ねて見れば、情報過多によって手っ取り早く「真実」を知りたいという欲求が生まれたのかもしれない、なんて推測もできそうだけど、流石に安直すぎるかな。(追記:2020/08/03 22:36)


(※重複確認漏れなどあるかもしれないので参考までに)

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