【ミセス・ハリス、パリへ行く】
舞台は1950年代のロンドンから始まります。ミセス・ハリスは戦争が終わったのに戻ってこない夫の写真を眺めながら、もう生きてはいないのだろうと思いつつ、希望は捨てずに家政婦としてせっせと働いています。
ある日、仕事先の家で、夫に内緒で500ポンドで購入したというクリスチャン・ディオールの美しいドレスを見つけてしまったハリス。手の込んだモチーフがたくさん付いた、淡いピンク色のあまりに綺麗なドレスについ手が伸び、自分も一度はこんなドレスが着てみたいと心を踊らせるのです。そしてミセ