徒然なるアナログ生活〜今日の1枚〜VOL.31 テーマ別名盤探訪プログレ編③ 22.07.05
朝好天、昼どんより、夜嵐。
情緒不安定な天候すぎて、私のメンタリティも上を下への大騒動…w
皆さん、おはこんばんにちは。
いかがお過ごしですか?
やはりメンタルを整えるのには、、、
そう、プログレだね!
ということでテーマ別名盤探訪プログレ編3つめ!
今日は最近話題のこちらをお届け!
PINK FLOYD/ANIMALS
77年作。先日、オリジナルのマスターテープからのリミックス盤が発表された1枚。
人間社会への風刺をコンセプトにしたアルバムで、『炎〜あなたがここにいてほしい〜』に収録される予定もアウトテイクとなった2曲が改題されて収録。
『炎』についてはこちらを参照https://note.com/tmge_lh1011/n/n6f3ff4eeab21
本作は人間をPig(豚) Dog(犬) Sheep(羊)に喩えた辛辣な社会風刺作。一説にはジョージ・オーウェル『動物農場』にインスパイアされたという向きもある。
それくらい政治的な風刺が込められた作品であり、その点にロジャー・ウォーターズがバンドの主導権を握っていたことがわかる。
ウォーターズらしさはサウンドにも現れていて、かなりロックテイストな作品になっている。リチャード・ライトも「かなり攻撃的なサウンド」と評するように、プログレ感はあるものの、ロック寄りの作品に仕上がっている。もちろん各動物の鳴き声も入っている。
5曲42分
Dogs、Pigs(Three Different Ones)、Sheepという大作3曲を
Pig on the Wings1、Pig on the Wings2で挟んで構成されており、Dogs以外は全て作詞作曲はロジャー・ウォーターズだ。
この2年後に一大傑作『The Wall』が生まれるわけだが、はっきりとその布石を感じるサウンドである。
テーマの根幹には「豚」があり、ジャケットにも豚が飛んでいる。
そこにははっきりと当時の社会に対する怒りと、人間に対する絶望と侮蔑がある。
近年陰謀論おじさんに成り下がってしまったウォーターズだが、この頃からかなり極端な人間性であったことが窺えよう。
ジャケットの豚さんは可愛い。
さて内容だが、歌詞のことを書き出すと夜が明けてしまうので、サウンドを中心に言及していこう。
先述の通りロックテイストが強めであり、『狂気』『炎』とは一味違った仕上がりだ。
しかしながら紛れもなくプログレであり、まごうことなきピンクフロイドのサウンドである。
ギルモアのギターがやはり中心で、激しいロックサウンドを奏でつつも、軸のぶれない美しくも尖ったサウンドで聞き手を魅了する。
ウォーターズのベースはより攻撃的で荒々しい。
それでいて前に出過ぎることはなく、かといって控えめになることがない。
ソングライティングのセンスはやはり抜群である。
リチャード・ライトのキーボードが本作では実は一番肝だと思っている。
激しくロックにギター、ベースがうねる中、しっかりプログレの要素を入れ込んでいる。クリムゾンがギターを主にしてプログレッシヴ感を表現するのに対し、フロイドはライト無くしてプログレたり得ないと思う。
ニック・メイスンのドラムもまた重要だ。
きめ細やかに下支えしつつ、手数で魅せる。
決して派手ではないが確かな必然性を的確に表現している。
アコースティックで始まり、大作が連なる。そして元に戻るようにアコースティックに締める。
タイトルから分かるように、1曲目と5曲目は同じ曲と言っていい。
『炎』と同じ構成になっており、これはあくまで筆者個人の見解だが、
本作と『炎』は2つの対になったアルバムなのだと思う。
内容こそ違えども、構成、サウンドはまさに瓜二つ。
「Wish You Were Here」と歌った作品と、社会風刺では随分毛色が違うが、「人間」という大きなテーマの中で、二項対立的なコントラストも見え隠れしてくるように個人的には思っている。
飛躍がすぎるかもしれないが…。
2作を聴き比べると、何か見えてくるかもしれない。
2枚ともお気に入りの名盤である。
本盤はTower Vinyl 渋谷の海外買付けセールにて購入。
特記事項はなかったはずが、よくよく見たらUKオリジナル盤!
確かに多少値が張った記憶はあるが、それほど高くはなかったはず。
なんにせよオリジナル盤。
音質は最高でノイズはほぼなし。控えめに言ってかなりの美盤。
かつて新宿にあったTower Vinyl。
聖地渋谷に移転してもなんとなく穴場感がある。「おっ!」と思って買う盤が多くかなり重宝している。
難点はレジが少ないことかな笑
暑さの次は猛烈な湿気に悩まされる今日はここまで。
夜の更新が当たり前になって久しいが、今日はPCで書いているので、快適な執筆。やはり物書きはPCに限る。
テーマ別名盤探訪プログレ編、3枚目の本日はいかがだっただろうか。
2つのバンドしか取り上げないが、そこには無限の魅力が詰まっている。
そんなプログレの魅力、1ミクロンでも皆さんに伝わっているのなら、冥利に尽きる。
プログレは、いいぞぉ笑
日常の片隅に名盤を。
明日は4作目のご紹介。
大作をズドンとお送りしよう。
また明日もこのシリーズにお付き合いいただきたい。
それでは!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?