「ソフトバンク側の要求は不合理」インドネシア新首都への投資で=現地報道

インドネシアの現地紙「Koran Tempo」が16日、ソフトバンクが新首都ヌサンタラ建設計画から撤退することになった内幕について独自記事を掲載した。

https://koran.tempo.co/read/berita-utama/472449/di-balik-batalnya-softbank-dan-maju-mundur-investor-ikn

以下、ソフトバンクに関する部分の要約。

ルフット海洋・投資担当調整大臣によるとソフトバンクが計画から撤退することは随分前からインドネシア政府に伝えられていた。ソフトバンクの株価が急落し、資金提供が難しくなった、と。撤退に至ったもう一つの原因はビジョンファンドがサウジアラビアとアブダビの投資家から資金を調達することに失敗したこと。孫氏は新首都運営委員会のメンバーから外されることになっている。
アブダビは200億ドルの資金を投資管理機関に資金注入をすることで新首都開発プロジェクトに投資する。サウジアラビアからもコミットを得ているが、金額は未定。投資家は政府施設以外のインフラ建設に資金を提供する方向。政府施設は州政府の予算で賄われる。
ジャカルタで開かれた孫ールフット会談の出席者によると、インドネシア政府とソフトバンク側は投資計画に関して共通認識に至ったことは一度もない。同情報筋によると、ソフトバンクが提案した条件は不合理だった。例えば、ソフトバンクはヌサンタラの人口を少なくとも5000万人にすることを求めた。さらに、ソフトバンク側はジャカルタおよび周辺の全ての産業の移転を希望した。孫氏は「ソフトバンクがデザイン、建設請負業者を自分たちから出せるのであれば、全ての費用を負担する」と言った。
同情報筋は、インドネシア側の計画では新首都をコンパクト都市とする方針で、ソフトバンクの要求と相容れなかったと明かした。「多くの条件はテクニカルな面から見て不合理。詳細な計算もなく、政府はソフトバンクを潜在的な投資家とはみなしていない」

新首都ヌサンタラ建設について解説した記事を先月ダイヤモンド・オンラインに寄稿しましたので、ご参考までにリンクを貼っておきます。


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