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公式戦2大会を終えて


3月19日鹿児島、4月29日熊本の大会を終えた。全日本かるた協会が読みを変えて2年、去年の熊本大会からの積み上げを振り返る。と言っても読手指導員になるまでにしたことと、鹿児島決まってからの準備しかないけど。本当は9月までに音源作って専任の選考会に出してやろうかとも思ったけど、6月からしばらく体調不良で休職してたこともあり、元気出てくるまで時間かかって、かるたまでは回らなかったのは事実。

読手指導員の音源づくりは1〜1ヶ月半で、読んで聞いて、一番いいと思ったやつを10月末に送った。秒数と綺麗さのバランスが一番取れているやつを送ったつもりだったが、推薦を出してくれた専任のコメントは厳しく、もっと違う音源あったやろと言われたそうな。一音目がきついんだって。読みが早いんだって。正直、点数40点で、ギリギリA級合格レベルだったことはショックだったなぁ。

結果待ちの間に鹿児島の読手が決まる。選手としての選択も聞いてくれた専任には感謝であるが、この何年か鹿児島で読んできた読手が撃沈しているということも聞いており、チャレンジのつもりで読手を引き受けた。会場は大きな体育館で反響音が強い、一応マイクは準備するという条件。マイク読みはしたことないので、できれば地声で頑張れるよう、2月いっぱいかけて声量アップに励んだ。同会の人に声楽の先生を紹介してもらい、ボイトレに通う。ひたすら発声と序歌しか読まないという日もあったし、どんだけ頑張ってもあと倍は出るようになるとずっと言われ続けた。家では家族がいない時間帯に習った発声の仕方で声を出す練習をし(隣の家からは苦情はなかった)、録音してチェック。ときどき旦那と快活クラブのカラオケに行って声出し(カラオケはしない)。練習会で読んでチェック。これの繰り返し。
当日、声出ししたあと地声で読ませてもらったが、結局マイクになる。さらに2回戦(読み初戦)は準備時間の読み間違いで、録音できず。ただ、緊張したのは最初の方だけで、割とすぐに落ち着く。しかし、全試合通して、乾燥はしていたが気温が高く、いつもは口を湿らせるくらいしか使わない水分をごくごく飲んだ。4回戦はマイク外して序歌読んだけど、結局マイクにされる。ただ声は出るようになっていて、楽に読めた。決勝は会場変わって3組取ってるところで読んだが、選手との距離はガイドラインのこともあり結構離れてた。さすがに1日3試合は10年以上読んでおらず、バテた。終わっての感想は、「体力」だった(ちはやふるの桜沢先生の顔が浮かぶ)。
鹿児島終了後、自会の練習まで2週間くらい空いてしまったこと、ちょっと所用で(のど自慢の予選)試合数も取れず焦りもあったが、腹筋鍛えるためのプランクと決まり字回しを毎日やった。最後の調整で聞いてもらったときに、声出てるって言われてホッとした。
んで、熊本。天気は雨。屋外での声出しは、空気に音が吸い込まれて、全然声が出てないように聞こえた。その後法堂で読んだらまずまず。その後人の入ってない慈雲閣で読んでもまずまず。しかしそれを本部で聞いてた専任に、かくはなんか違うとあとから言われた。序歌読んだとき、朝とは聞こえ方が全然違った。当たり前だ、声がぶつかるものや人が多くなる(専任は人の入っていない試合会場では読まないらしい)。その上湿度が高く汗もかくし、自分の汗の匂いが鼻につく。マスクの中も酸素が薄い。そらから、75分の呪縛(審判長からのお達し)もあり、なかなかしんどかった。試合終わったあと、仲良くしていただいている福岡の方に感想を聞きに行ったら、読みが変わったと言われた。いや、確かに変えてはいたんだが、人が聞いてわかるのか。熱情型(この表現はスキ)で気合が入ったと言ってもらえて、とても嬉しかった。きれいな読みをしてきた今までから、存在感のある読みを目指してきた一つの評価としては、とてもありがたく泣きそうだった。一方で、甘い音はたくさんあり(あとでチェックしてもそんな音ばっかり)反省も多かった。帰りの車の中で、10年前と変わっていない課題やらきちんとやりきれない自分にがっかりしていたが、よく考えろ私。他の読みはマシやったから選手は取っていただろう。とても速いスピードで取ってる選手が何人もいただろう。
自分にオッケー出してしまうと、そこに胡座をかいてしまう気がして、少なくとも自分はこの結果に納得してはいけないと思っていた。まあそれも極端なのだと気づいて、まずはよく頑張りましたと褒めてあげられるまでの時間をできるだけ最短にしたい。

私の置かれている環境は少々特殊であること、自分の手の届くところに読みのてっぺんの人たちがいたことがあること、それがこじらせを増強している自覚はある。だけど、それがかるたを続ける理由の一つであることも事実。だからさー、諦めが悪いけどいつかギャフンと言わせてやると未だに思ってる。

これは、こんなアプローチをしたという備忘録なので、正直自己満の何物でもないが、これより突き抜けてるのが専任読手なんだというのも知っている自分が、自分のできる範疇でできることを模索した一つの結果です。選手としてオワコンだからこんなことしてるとか思われてるかもしらんけど、心の中ではまだ選手も現役だし、だからできることがあるのだと思って、これからも精進します。

おしまい。

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