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NO.6 雨の朝、武満徹の静かなアルバム「森のなかで」を聴くこと

朝、新聞を取りに玄関に出れば夜中から降り始めた雨はまだ降り止まず空は一面黒い雲に覆われている。

今週の天気はほぼ1週間雨の予報。

日本も世界も先の見えない閉塞感に覆われていることもあり気持ちがひどく沈み今はあまり明るい音楽が聴けるような状態ではないので、少し静かな音楽を聴こうとギタリスト鈴木大介による武満徹没後20年記念アルバム『森のなかで』を聴く。

決して明るい音楽とは言えず聴いていると自分の身体が暗い夜の海を漂い気がつけば深海の底に沈むゆくような錯覚に襲われる。

しかし今の僕にはこのほの暗い感覚はとても心地よい。

このアルバムには「燃える秋」「あこがれ」など武満が映画やドラマのために書いた曲を中心に、僕が武満の音楽にはまるきっかけになった曲「波の盆」のギター編曲版も収録されている。

彼が愛したギターの響きの持つひそやかで繊細な味わいが夢の中での出来事のように儚く美しいアルバムだ。

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ジャケットの武満徹と浅香夫人が何かを語りながら遠ざかっていく写真にもドラマを感じて僕はとても好きな写真です。

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