受験を前にして。君はヒーローになれる!!

今年もこの季節がやってきた。
中学受験 関西統一入試日まで、残り25日。

この手のテーマで文章を書くのは凡そ残り数日、もしくは前日の夜なのだが
今年はほぼ1ヶ月前にこれを書いている。
この仕事にまつわる業が身体から抜けてきたのか
あるいは今年の労苦を振り返るのが早すぎたのか
何にせよ、今年は早めだ。

毎年この時期になると必ず言うことなのだが
俺は子供が好きじゃない。
理由は長くなるので割愛するが
要するに、子供が好きだからこの仕事をしているんじゃないと言っておきたい。

だけどこんな文章を書いている。
それは受験にかこつけて何か大仰なことを言いたいからでもなく
生徒との思い出をエモに昇華したいからでもない。
ただ、自分の一年の清算として書いている。


子供が好きではないと言っても、やはり思い入れのある学年や生徒はある。
特に持ち上がりで長く持った学年には思い入れが深く
その時の思いは、俺の拙い筆では到底文字に起こせそうもない。
ただ、あの時校門で見送った姿と、その後惹き付けられる様に神社に向かい、祈ったことだけを覚えている。
結局、1番大事な思い出はエモに昇華することは出来ないと思っている。


最近、こうして文章を書いたり、歌を歌ったり、絵を描いたりして思い出を振り返る機会が多くなっている。
それをエモと笑う人もいるだろう。

ただ俺は、振り返って何かに残すことでもう一度蘇る思い出があると思う。
心に深く刻み直す物語になると思う。

つい先日、合唱団での練習中に
「世の中について色々思うことがある。みんなそれを何とかしたいという気持ちを抱えてモヤモヤしているはず。ただ俺たちには歌がある。歌っても何ともならないかもしれないけど、自分の思いをぶつける先があるのは幸せなことだと思う。」
と話したが
まさしくそういうことなんだと思っている。


エモと笑う人を気にして自分の思い出がぼやけてしまうのはとても悲しい。
何かに昇華出来るのは素晴らしいことだし、結局のところ、本当に大切な思いは形に出来ない。
ならば、形に出来そうな思い出だけでも思い切って表現していくのが良い。
たとえそれが人に笑われそうなキレイ事だとしても。

キレイ事を形にする人は素晴らしい。
漫画『僕のヒーローアカデミア』にそう書いてあった。
ヒーローはキレイ事実践するお仕事なのだ。
君のエモいキレイ事も、形にすることで、きっと誰かの気持ちを救うヒーローになれる。
さあ、一歩踏み出そう!

『僕のヒーローアカデミア』
週刊少年ジャンプにて好評連載中。


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