Bluetooth通話を引退します

皆さんお疲れ様です。ARASKAです。

私は日課のランニング中に音楽を聴いています。以前私は、音楽を聴くならスピーカーじゃ!と豪語していたのですが、やはりスピーカーを担ぎながら走るストリートスタイルのランニングでは骨が折れるので、コードレスのBluetoothイヤホンを購入し使用しています。

2年ほど前からP10という近未来のプレイステーションチックなBluetoothイヤホンを使用しているのですが、これがなかなか耳とのフィット感が半端じゃなくて、顔に耳が付いているというよりもイヤホンに耳が付いていると言う方がふさわしいのかもしれません。

今日は、日中の程よい疲れから解放され少しばかり気分も良いのでゆったりとした音楽でも聴こうかなと、RADWIMPSの「Light The Light」を再生し走り出しました。

2キロほど走ると着信があり、いつもならプロのランナーのように次の電信柱までなどと、電話に出るのが面倒臭い理由をプロランナーの如く美化し陶酔していると、いつのまにか着信は頭に不在の二文字が追加され、督促通知ぐらいの後味の悪さが残ります。

ですが今日は何と言っても気分が良いので、応答ボタンに指を乗せ通話状態にしました。

イヤホンをしているので、耳元で喋られているような感覚になります。そしてP10にはマイクも搭載されているので、手ぶらで通話をすることができるのです。これがBluetooth通話のヴァージンでした。

便利ではあるのですがこれがまた奇妙なもので、コードレスのBluetoothイヤホンが耳に装着されているのは近くからでないと視認することが出来ず、なおかつ私は走っているので誰にもBluetoothの存在を認知することが不可能なのです。

電話では友人に履歴書の書き方を教えていて、激しい息遣いの中で説明をすると自然と声が大きくなるのですが、現代の機能を使いこなしている充実感からか清々しい振る舞いになるもので、たとえ周りに人がいようとも気にはなりません。

履歴書には過去の学歴や職歴や個人情報を書く欄があり、あまり電話で周りに人がいる場所でする話ではないのですが、なんといっても私はBluetoothイヤホンで通話しているのでお構いなしです。

夜でしたがまあまあ買い物帰りの人たちがおり、その流れに沿って追い抜く事が多いのですが、歩行者の身になって考えてみました。

後ろから切迫した息遣いの男性が、え?今どこ住んでんの?とか言いながら追いかけてきたらどうでしょう。そして別の人は通り過ぎるまさに横で、モスバーガーでいいんじゃない?と疑問を投げかけるなどの犯行に及びました。少しばかり恐怖体験でお茶の間で語られたり、なんだよBluetoothかよ紛らわしいなと後ろ指をさされたりしたら、私はいくら真剣にBluetoothイヤホンで通話していても恥ずかしくてたまりません。

それもそのはず、私がBluetoothイヤホンで通話しているその光景は、私のしゃべる声がスピーカーの役割を担っているので、スピーカーを担いで走るそれとなんら差異はなかったのです。私は知らず知らずのうちにストリートスタイルのランニングをしてしまっていたのでした。

今日の経験をもって、私はストリートスタイルのランニングを引退し、ある程度ルールによって定められたランニングに復帰しようと決心しました。

そして何年かすれば、あの頃は若かったと今日ストリートスタイルだったことを思い出すのでしょうと、しみじみしながら帰路につきました。

後日談ですが、友達は就職できました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

書くために本を読みます! 本の経済が潤いますように!