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ビデオカメラ「SONY AX60」をライブ配信の観点でチェックをする

今回のテーマはビデオカメラです。

先日の配信では、会場機材の関連で「SONY AX60」というカメラを使いました。

私は初めて使うカメラだったので、使用感などが勉強になりました。

ライブ配信のカメラとして購入やレンタルを検討する方に向けて、使って気づいた点を紹介したいと思います。

SONY AX60の概要

SONYが2018年に発売したビデオカメラです。

4K解像度の家庭用ビデオカメラで、シンプルな本体や初心者でも分かりやすいメニュー操作を備えています。

6年前の製品なので、既に生産は終了しています。残念ながら後継機種は無いようです。

引用:https://www.sony.jp/handycam/products/FDR-AX60/


AX60の発売当初の位置付けは、家庭用ビデオカメラのミドルレンジの機種でした。業務用機や家庭用ハイエンドモデルの「FDR-AX700」を基に、機能を削った機種です。

姉妹機の「FDR-AX45」は、AX60から機能を減らした下位機種です。レンズリングとビューファインダーなどの機能が省略・簡易化されています。ただし、画質面などの性能は同じようでした。

AX700もAX45も生産完了品ですが、こちらは後継機種の「AX45A」が今も生産されています。しかし、機能・性能は殆ど変わらず、部品調達の関係で型番が変わっただけのようです。

引用:https://www.sony.jp/handycam/

余談ですが、この手のハンディカム製品は近年進化が止まっています。業界全体として、スチルやハイエンド機種へ開発を集中していることが伺えます。

しかし、ライブ配信ではビデオカメラの方が信頼性は高く、ハンディカムを検討する方も多いと思います。いつか後継機種が出て欲しいものですね。

使って感じた画質の良さ、運用の手間

実際にAX60を使い私が配信したアーカイブを掲載します。(クライアントの許可は得ています)

最新のスチルカメラなどに比べると劣りますが、この手の配信としては十分ではないでしょうか。

画質面で言えば、上位モデルの「AX700」や業務用の「PXW-Z90」などの方が優れています。

光を取り込むセンサーサイズについて、AX60は1/2.5型ですが、AX700などはより大きな1.0型です。センサーは大きい方がより明るく、より情報量多く取り込むことができます。

ただし、明るい環境ではそこまで差はないかもしれません。過去にAX700を使ったこともありますが、今回はあまり差を感じませんでした。暗めなところではノイズに差が出るかもしれません。

そんな訳で、AX60の画質面は個人的にな満足のいくものでした。しかし、運用面では不便さを感じる点がいくつかあったので、順番に紹介していきたいと思います。

絞り・シャッタースピード・ゲインの調整

AX60で困ったのはカメラのマニュアル設定が柔軟にできないことでした。

カメラの基本的な設定に「絞り・F値アイリス」「シャッタースピード」「ISOゲイン」があります。これらは映像の明るさや雰囲気を決める重要な設定です。

AX60はどの項目もマニュアル設定ができますが、同時にマニュアル設定ができるのはいずれか一つだけでした。

例えば、シャッタースピードを設定してから絞りを設定すると、シャッタースピードは自動的に「オート」に変更されてしまいます。

3つの内いずれかしたマニュアル設定できない

結果的に、今回はISO|《ゲイン》を優先に設定しました。

ただ、本当はシャッタースピードも絞りも個別に設定をしたかったです。場合によってはフリッカーが起きたり、作りたい絵の雰囲気と変わる可能性もあるからです。

webで調べてもこれが仕様のようでした。普段拘って設定している方はご注意いただければと思います。

HDMI出力映像

AX60はMicro HDMIで映像出力が可能です。

画面のアイコン表示などを省いた「HDMIクリーン出力」が可能なのですが、メニューを開いた場合はHDMI出力映像にも映ってしまいます。

基本的には事前に設定をしておくのですが、何かあった際に配信に映ってしまうのは微妙だなと思いました。

メニュー画面はHDMI出力にも表示されてしまう

メニュー操作

AX60には本体には設定を変えるボタンがありません。原則的にメニュー画面から操作することになります。

変更のたびにメニューを開いて階層を掘っていくのは、操作数が多くて面倒を感じました。タッチパネル式だったのが、余計にそう感じさせたかもしれません。

上位機種のAX700や業務用カメラだと、本体に設定変更のボタンが複数用意されています。

それこそ、ゲイン・シャッタースピード・アイリスなどの基本設定はメニューを開かずに変えられます。それに慣れている方だと、AX60は不満を感じるかもしれません。

AX60とAX700の側面比較
かなりボタンの数が異なります

補足すると、レンズリングには好きな機能を割り振って操作が可能でした。よく使う一つの設定だけは、ここから操作ができそうです。

業務用機種の効率さを学ぶ

以上、SONY FDR-AX60について、ライブ配信の観点からの印象をまとめてみました。

今回の経験を通じて、業務用機種に沢山のボタンがある理由が理解できました。初めは操作に困惑しますが、慣れてみると便利だったなと。

仕込みの時は設定を何度も変えるので、本体のボタンなどである程度変えられた方が効率的ですね。

その観点では、もし今後レンタルなどをするなら、本体ボタンの多い機種を選ぼうと思いました。ハイエンドモデルのAX700や、業務用機種のNX80、PWX-Z90ですね。

この3製品は、基本的な映像スペックは同じですが、細かなところで色々と違いがあります。この辺はまた記事にしていきたいと思います。

ただ、より安価なカメラを探している時はAX60の方がお安くレンタルもできます。その際にはご検討いただくと良いと思いました。

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