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パブリックビューイング形式のお手軽リアルイベント配信をサポートしました

今回ご紹介するのは私がサポートに入った配信の事例です。

特徴的な点として、リアル会場を用意したイベントでありながら、パブリックビューイング形式で配信を見るイベントでした。

そこではメリット・デメリットの双方を感じる点があったので紹介ができればと思います。

イベントについて

今回サポートしたのは、とある企業様のイベント配信です。ITエンジニア向けのセミナーイベントで、一日の中で10以上のセッションが用意されていました。

都内のイベントスペースで1フロア・5部屋を使った中規模なイベントでした。内2つの大会議室がセミナー用に割り当てられ、常に2トラックのセミナーが走っています。

面白かったのは、セミナー会場があくまでパブリックビュイーイング会場だったことです。登壇者は隣の小部屋からオンライン登壇し、参加者はそのYouTube Liveをセミナー会場見ている状態でした。

プロジェクターからはYouTube Liveの映像を投影
セミナー会場に登壇者はいません

手軽にリアルとオンラインを共存する

パブリックビューイング形式のメリットは、配信コストを大きく削減できることです。

以前にも記事を書きましたが、音声系統を「会場用」「配信用」と複数作らなくて済みます。これだけで配信担当者の負担は大きく減りますね。

それでいて登壇者は現地にいるので、終了後はすぐに交流をすることができます。また、リアルならではの催しにも力が入っており、企業や企画の出展ブース、夜には懇親会も用意されてたのでした。

Twitterでは久しぶりのリアルイベントを楽しむ声と、遠方からも参加できる喜びが入り混じっており、リアル回帰の中でもコロナ前とは違う時代の到来を感じたイベントでした。

会場後方にはケータリングも用意
リアルイベント感が溢れていました

負荷を下げて配信をしたい

今回クライアントの意図として、自分達の内製でイベントを完結したい意向がありました。それでいて、イベントはリアルとオンラインの共存が必須条件です。

ここで課題になるのはやはり配信でした。ハイブリット配信の構成を自分達で実現するのは難しく、できるだけ負荷を下げて配信をしたい。そこで選んだのがパブリックビュイーイング形式です。

私にご相談いただいた時点で形式は決まっており、加えて初の試みなのでサポートをして欲しいとご依頼をいただいたのでした。

手軽に配信を演出できるStreamYard

配信ツールとしてはStreamYardが使われ、クラウドベースにすることでより負荷の低下が図られていました。

StreamYardはクラウド上でライブ配信が行えるサービスです。スイッチング、装飾、動画再生など、様々な演出を機材いらずで簡単に使うことができます。

また、最大10人のゲスト招待も可能です。画面共有もできますので、今回のような負荷を下げたいセミナー配信には打って付けツールです。

他にもロゴ表示、チャット表示、複数サービスへの同時配信などなど、これだけのことがクラウドベースでできるなんて良い時代ですね。今回もStreamYard自体は大きなトラブルなく配信を終えてくれました。

StreamYardは以前に解説もしているので、基本を知りたい方はぜひご覧ください^^

気になった点

実際にこの規模のパブリックビューイング形式を運営するのは初めてだったので、会場でも色々な学びがありました。

大きくクオリティ面で気になった2つを紹介したいと思います。

会場スピーカーへの最適化ができない

今回のパブリックビューイング形式は、配信担当で会場への返し音声を意識しなくて良いのがメリットです。逆に言えば、会場側では細かな調整ができないとも言えます。

例えば、配信をイヤホンで聞くと気にならないのに、会場だと二人の音量差が気になるケースがありました。

やはりリアルでは会場環境(広さ・材質・人数etc)や音質(声の高低感)によって聞こえ方も変わります。通常のリアルイベントだとミキサーで配信用・会場用、に調整もできますが、そこまでの最適化はできません。

この辺りは手軽さの代わりに、ある程度の割り切りが必要ですね。最高クオリティではなく、そこそこの音響感を許容する必要があります。

StreamYardは音量バランスの調整がしづらい

StreamYardには参加者ごとに音量を上げ下げできます。そのため、機能的には音量バランスの調整が可能です。

ただ、配信中にはこの調整ができません。これは機能というよりも、本番へ載せずに音を出すことができないからです。

蓋絵に逃げて音が入らないようにしておき、その間に登壇者の音声を調整する、そんな光景は機材を使った構成だとよくある話だと思いますStreamYardはこういった状況を作れません。

やむを得ず、休憩中に本番に載せながら調整が行われるシーンもありました。この辺りも、それなりのクオリティとして許容が必要ですね。

トラブル:会場だけ音ズレしている!?

当日最大のトラブルとしては、パブリックビューイング会場の音ズレがありました。

この音ズレ、配信上は全く問題がなく、パブリックビューイングだけで起きていたのです。最初はStreamYardの不具合を疑いましたが、どれだけ目を凝らしてもYouTubeの映像・音声はズレておらず悩まされました。

最終的に気づけば単純ですが、ブラウザのリフレッシュで解決しました。単に、プロジェクターに投影していたPCブラウザだけで起きた遅延だったんですね…😅

とは言え、こういったことも起き得ることは大きな学びになりました。長時間YouTubeを再生している場合は、合間にリフレッシュすることも大事なのかもしれません。

まとめ

パブリックビューイング形式は、負荷を下げながらもリアルとオンラインを両立する、これからの有力な選択肢になるのではないかと思っています。自分も小規模なイベントでテストを重ねている最中です。

最高品質なものはできませんが、ある程度のクオリティでリアルとオンライン共存のイベントを行いたい方は、ぜひ検討してみてもらえればと思います!

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