ATEM Mini Proには「リミテッドレンジ」の映像を使おう
長らくATEM Mini Proの「色問題」に悩まされてきました。ATEM Mini Proから出力する色がどうにもおかしい...!
この問題を解決したのは色設定でした。「フルレンジ」ではなく「リミテッドレンジ」に変更することで解決しました。
検証した結果も含めてご紹介します!
ATEM Mini Proの色問題
ATEM Mini Proは素晴らしいハードウェアですが、個人的には大きな問題がありました。それは「色問題」です。
「今日の配信、色が変じゃない?」と、クライアントから指摘を受けたこともあり、配信を仕事にする自分にとっては大問題でした。このせいでATEM Mini Proを使わず、無理やりLiveShell Xを使う構成にしたくらいです。
リミテッドレンジの検証
この問題、出力機器の色設定で改善できました。
調べる中で知ったのですが、色には様々な出力設定があります。RGB出力にも種類があり、それがフルレンジとリミテッドレンジです。
これは出力機器・入力機器のそれぞれで対応有無があります。対応していない組み合わせで接続すると、表示がおかしくなる要因になってしまいます。
VP-42Hの検証
私が使っているスイッチャー「Rolad VP-42H」は出力の色設定ができます。そこで「フルレンジ(RGB 0-255)」と「リミテッドレンジ(RGB 16-235)」で比較してみました。
[PC画面] → [VP-42H] → [ATEM Mini Pro]の順番に出力し、最後はYouTube Liveに配信した画面をキャプチャしてみました。
結果がこちらです。
やはりフルレンジの方は色が濃いと言うか、レベルが強いと言うか。。色が飛んだり、潰れているところがあります。薄いグレーなんて消えてしまい、これにずっと悩んでいました。
一方、リミテッドレンジの方はとても綺麗ですね。今まで潰れる、消えていた物がハッキリと映るようになりました。
残るMacの色問題
以上の検証から、ATEM Mini Proの色問題はリミテッドレンジで解決する事が分かりました。これで、安心して使う事ができます...良かった〜。
しかし、検証中に新しい問題に気付いてしまいました。。それはMacを直接ATEM Mini Proに繋いだ場合です。この時は、色問題を避ける事ができません。。
Macは色出力が「YUV」に固定されているんだとか。また、新しい言葉が出てきましたね。。RGBとはまた違う色設定で、これは変更ができないようです。
Q.MacとHDMIケーブルで直結したところ、DVI接続に比べて発色や階調表現が異なるのはなぜですか?
A.MacとのHDMI接続では、Macの仕様によりPCで一般的なRGB・フルレンジの信号が出力されず、YUV・リミテッドレンジの信号が出力されます。そのためHDMI接続ではモニター本来の発色や階調表現がおこなえません。MacのHDMI出力を用いる場合は、DisplayPort接続やDVI変換接続を推奨いたします。
参照:https://www.eizo.co.jp/support/db/faq/1594
同じリミテッドレンジでは?と最初思ったのですが、RGBとYUVは異なるようです。調べてみると、そもそもの仕組みが異なる事が分かります。VP-42Hのような、色設定を変えられる機材を挟まないと、色問題が起きてしまうようです。。
これ、Macユーザーは苦労しそうですが、皆さん困っていないんでしょうか。。
まとめ
ATEM Mini Proの色問題にお悩みの皆様、これからは「RGB リミテッドレンジ」で映像を入力するようにしましょう。
とは言え、改めて映像の難しさを実感しました。こんなにも色の種類があるのですね...いやー勉強になりました。
これからも一歩一歩勉強していくので、また何か分かった時は共有します!