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「プログレッシブ」と「インターレース」を初めて意識したお話

今回のテーマは映像伝送方式の「インターレース」と「プログレッシブ」について。

今回初めてインターレース方式が必要となる場面に出くわしました。

その経緯や対応について、今回は紹介をしたいと思います。


インターレースとは?

映像の伝送方式には「プログレッシブ」「インターレース」という方式の違いがあります。

映像を連続する一枚の絵と考えた時、一度に一枚の絵を送るのが「プログレッシブ」。一枚の絵を2回に分けて送るのが「インターレース」です。

昔はテレビの表示性能や伝送帯域の都合で、少ない情報量で映像を送れるインターレース方式が主流だったようです。ですが、2018年の4K放送開始からテレビもプログレッシブ方式になり、今ではこちらが主流の方式のようです。

カメラや映像スイッチャーで最後に「p」や「i」と付いた表記を見たことはあるでしょうか。「1080p」「1080i」といった具体ですね。このpが「プログレッシブ」、iが「インターレース」の方式を表しています。

ライブ配信の情報を見ていると、インターレース対応が機材の選定条件になることを聞くことがありました。今ではプログレッシブが主流とは言え、インターレースのみ対応の機材を使うことがあるからのようです。

とは言え、最近発売の機材なら基本的にはプログレッシブに対応しています。なので、これまで私は敢えてインターレースの機材を使うことはなかったのでした。

インターレースが必要になる

ところが、先日の配信ではインターレース対応を求められるケースがありました。

その配信はレストランを貸し切ったイベントで、既に映像システムが構築されている会場でした。配信用ではなく普段のステージパフォーマンス用で、天井にはPTZカメラも設置されています。

今回はこのシステムをベースに、持ち込みのカメラを加えながら配信することになっていました。

会場の映像システム
天井に設置されたPTZカメラ

この配信では2回の現地下見を行い、事前準備は万端の心持ちでした。

ところが当日、持ち込んだカメラを繋げて表示されたのが「UNSUPPORTED」の文字。映像スイッチャーがカメラの映像を受け付けてくれなかったのです。

確認をした結果、原因はこの映像スイッチャーがインターレース方式で動作していることでした。

カメラが対応していた

本番が2時間後に迫った状況でしたので、非常に焦ったのは言うまでもありません。一瞬「家電量販店に変換アダプターってあるのかな…」と頭によぎりました(笑)

確認すると、映像スイッチャーはプログレッシブにも切替可能な機材でした。 ただ、PTZカメラやプロジェクターなど既にインターレースでシステムが組まれています。動作しない可能性が高いですし、切り替えてみるのもリスクを感じました。

ふとカメラの設定を見てみると、映像出力フォーマットには「1920×1080i」の選択肢がありました。こちらに切り替えたところ、無事に映像スイッチャーへ映像が送られたのでした。

今回の学び

名前としては「インターレース」を知っていたのですが、今回のような必要になるケースは初めてでした。

慣れた自分の機材なら大丈夫でも、今回のような他人の機材システムを借りるような時には注意が必要だと学びました。また、事前の下見もひとまずカメラを繋いで確認するようにしたいと思います。


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