デュアルISOのカメラについて
今回はカメラの中でも「デュアルISO」を搭載したカメラについて。
ISOは撮影した映像の明るさを決める要素の一つですが、最近は「デュアルISO」を搭載したカメラが増えている印象です。
比較的高価格なカメラに搭載されている印象ですが、その機能について紹介をしていきたいと思います。
ISOとは
カメラで撮影した映像において、明るさを決める要素の一つに「ISO(ゲイン)」があります。
これは、レンズから入ってきた光をどのくらい増幅させるかの設定です。その増幅具合を数字で表しています。
他にも「絞り(アイリス)」「シャッタースピード」も、映像の明るさに影響します。この辺りは、以前にも記事を書いたのでご覧ください。
デュアルISOもある
そんなISOですが、最近のカメラには「デュアルISO」を搭載したカメラがあります。
カメラのISOには「最適な感度設定とされるISO値(ベースISO)」があります。これはカメラごとに異なるもので、そのカメラで最も良い色表現、最小限のノイズで撮影できる値です。
ベースISOを離れるほどノイズが増え、また表現できる色の範囲も狭まります。これは明るくするだけでなく、暗くする時も同じことが言えます。
デュアルISOとは、そのベースISOが二つあることを意味します。一般的なカメラは明るい状況に合わせたISOだけだと思いますが、さらに暗い状況用のISOがあるのがデュアルISOのカメラです。
BMPCC4Kの場合
デュアルISOなカメラの例に「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC)」があります。
ATEM mini と同じメーカーが出しているカメラですが、ホームページにはISOと色表現の関係性が紹介されていました。それを再現したのがコチラです。
細かいことは置いておき、ISO1000と1250の間に段差があることが分かります。これがデュアルISOの切り替わるタイミングを指しています。
BMPCC4KのベースISOは400と3200です。ISO1000まではベース400の世界、1250からはベース3200の世界という訳ですね。
ちなみに、BMPCC4KはISO1000で撮るよりも、ISO1250で撮った方がノイズが少ないそうです。これはベースISO3200だとしても、1250の方が増幅する量が少ないからという訳です。
他のカメラの例
デュアルISOのカメラは他にも様々あります。また、公式が宣伝をしていなくても、実はデュアルISOなカメラもあります。
例えば、私の使っているSONY FX3は、公式ではデュアルISOと謳われていません。ですが、機能を見れば搭載は明らかで、ISO12800から途端にノイズが減ります。
これは同じセンサーを搭載した別のカメラの検証動画です。私も暗めの環境では、敢えてISO12800にするようにしています。
民籍機のカメラで言うと、最近のビデオ押しで暗がりにも強いカメラだと、デュアルISOを搭載していることもある印象があります。ただ、基本的には高価格帯に搭載されている機能です。
以前使っていたLUMIX BGH-1もデュアルISOのカメラでした。CanonのEOSや、SIGMAのfpにも搭載機種があるようです。
音声にもある
今回は映像でしたが、同じような話は音声にもあります。
最近「デュアルADコンバーター搭載」を謳ったレコーダーがあり、例えば「Zoom F3」や「TASCAM Portacapture X8」などです。要は小さい音・大きい音用、それぞれの回路を搭載しています。
ただ、製品サイトの説明を読むと映像のそれとは少し異なるように思います。映像は二者択一だと理解していますが、音声は併用しているような説明が書かれていました。
ただISOと同じように、ゲイン調整によってはノイズや音の表現に影響が出ると聞いたこともあります。
カメラもそうですが、実際に試してみて仕様を理解して使うことが大事になりそうです。