ATEM Miniの「フィルソース」と「キーソース」を理解しようと調べてみた
今回はATEM Miniのお話です。合成する時の項目「フィルソース」と「キーソース」について調べてみました。
正直なところ、今まではなんとなく設定すれば合成できたので、深堀りはしていませんでした。ですが、改めて聞かれる機会があり、自分でも理解を深めたく調べてみました。
まだ完全に理解できていないのですが、現時点で分かったことをまとめたいと思います。
USKとDSK
ATEM Miniで「フィルソース」と「キーソース」の設定が現れるのは、はUSKとDSKを使う時です。どちらも合成機能で、ざっくり言えばUSKは先に、DSKは後に行う合成です。
ATEM Miniシリーズは様々な映像処理を行うことができますが、その機能は「ATEM Sofrware Control」のパレットから確認することができます。例えばATEM Mini Extremeでは9つの機能が用意されています。
実はこの並び順がそのまま処理が行われる順番にもなっています。USKは先に処理が行われ、DSKはそれよりも後に合成されることが分かります。そのため、上流を意味する「アップストリームキー」と下流を意味する「ダウンストリームキー」という名前なのです。
フィルソース、キーソースとは?
「フィルソース」と「キーソース」の項目は、USKの「ルマ」と、DSKの設定項目として現れます。
この2つはどんな項目なのでしょうか。ATEM Miniのヘルプには以下のように説明がされています。
意訳すると「合成する素材」と「抜く場所の素材」になります。ただ、これだけだとちょっと何のことか分かりづらいですね。
ルマキーとリニアキー
まず色々と調べて結果分かったのは、実はATEM Miniのルマキーは「ルマキー」「リニアキー」の2種類が合わさったものだということです。
なぜこの2つが合わさっているかと言えば、ATEM Miniのマニュアルに以下の説明が書かれているからです。
つまり、2つの設定項目は同じなので、一つにまとめたということです。実際のところ、この2つは非常に似た仕組みのようです。この辺りの詳しい違いは、まだ調べている途中なので割愛します。
ルマキをー使った例
ルマキー合成では、例えば以下のような映像を作ることができます。
これはキーソースを使い、単純に黒を抜いただけの状態です。ルミナンスキーはこのようなコントラストのはっきりした素材だと、比較的簡単に抜くことができるでしょう。
上記の例では、ATEM Miniのフィルソースとキーソースを同一に設定しました。そのため、ルマキーとして動作していると思われます。
リニアキーを使った例
リニアキーではフィルソースとキーソースが同じ素材である必要はありません。そのため、例えばこういった合成も可能です。
これはフィルソースにカラーバーを置き、キーソースに別の素材を設置しています。キーの形にフィルの映像を抜いた結果、虹色の合成になりました。
上記の例では、ATEM Miniのフィルソースとキーソースは異なっています。そのため、リニアキーとして動作していると思われます。
DSKはルマまたはリニアキー
ここで気になるのは、なぜDSKにも「フィルソース」と「キーソース」の2つがあるかです。USKでは明示的にルマキーに設定できますが、DSKではルマキーに設定項目はありません。
調べたところ、ATEM MiniのDSKはルマキー/リニアキーのようです。USKのように設定項目はないので、自動的にそうなっているようです。
ATEM Software Controlは、元々はよりハイエンドな業務用機材で使われており、後からATEM Miniシリーズが対応した経緯があります。そのため、初心者には少し分かりづらい構成になっているように思います。
この辺り、放送業界の方だと慣れた感覚かもしれませんが、我々初心者だと中々直感的には理解しづらい世界かもしれませんね。一つ一つ理解していきたいと思います。
また、今回省いた情報に「アルファチャネル」があります。透過pngと言われるような、透過情報を持った画像素材を使った場合です。まだ調べ切れていませんが、この場合はまた違った挙動・解釈になる気がします。
こちらも追って調べていきたいと思いますが、今回はここまでにしたいと思います。この記事が参考になれば幸いです。
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