【初心者向け】ATEM miniの活用には"IPアドレス"の理解が重要な理由(前編)
配信初心者の皆さんは「IPアドレス」という言葉を聞いてどのように感じるでしょうか。「あぁ、それね」となる方もいると思いますが、「できれば関わりたくない」という初心者の方も多いと思います。
「ネット関係の言葉」というなんとなくの印象はあるかもしれません。私も配信を始める前はそのような理解でした。ですが、ATEM miniを使った配信を行う上で「IPアドレス」の理解は重要です。
今回は「ATEM mini」の活用に絞って、初心者の方に向けて「IPアドレス」を解説していきたいと思います。
どんな時に使う?
「ATEM mini」は映像切替や配信を行うための映像スイッチャー機材です。このマガジンをお読みの方なら一度は名前を聞いたことがあるかと思います。
ATEM miniはどんな時にIPアドレスを使うのでしょうか。それは他のソフトや機材と連携するような時です。
連携例1:ATEM Software Control
例えばATEM miniは、パソコンソフト「ATEM Sofrware Control」と組み合わせることでフル機能を使うことができます。
このソフトはUSBケーブルで繋ぐだけでなく、ネットワーク経由で使うこともできます。その場合は複数のPCから同時操作もできるので、チームで配信する際にも便利なソフトです。
連携例2:外付けキーボード
他には、ATEM miniと外付けキーボード「StreamDeck」を連携することも可能です。ほぼ全ての操作をボタンに割り振ることが可能です。
この連携には、「Companion」というサードパーティのソフトを仲介役に使います。Companionを使うことで、ATEM miniと様々なデバイス・ソフトを連携することが出来ます。
連携で必要となるIPアドレス
これらは一例で、こういった連携性がATEM miniの強みだったりします。競合に当たるRoland製機材とは大きく異なる特徴です。
そして、この連携で必要となるのが今回のテーマである「IPアドレス」情報ですね。上で紹介したどちらもIPアドレスを使っています。
USBケーブルで直接繋ぐことで、IPアドレスを使わなくても連携ができる場合もあります。ただ、ほとんどの連携では、IPアドレスを使ったネットワーク経由の連携を行います。
そのため、ATEM miniを深く使おうとすればするほど、IPアドレスの理解は避けることができないのです。
IPアドレスとは?
そもそもIPアドレスとはなんでしょうか。一言で書くと「ネットワーク上で互いを認識するID番号」です。
ここで大事なのは"ネットワーク上"ということ。つまり、有線LANやWi-Fiなどでネットワーク接続した機材やソフトが、それぞれを認識し合う番号として「IPアドレス」を使います。
これはインターネットの世界も同じです。ネット上で通信する際にもIPアドレスが割り振られていて、これを「グローバルIPアドレス」と言います。
一方で、ATEM miniが連携に使うのは「プライベートIPアドレス」です。これはネット上のIDではなく、自宅やオフィスのネット(ローカルエリアネットワーク)で使うID番号という意味合いになります。
インターネットと拠点内のネットワークで、IPアドレスの扱いが異なるのは大事なポイントです。そして、今回解説する内容は、主にプライベートIPアドレスのことになります。
IPアドレスは誰が決める?
ではその「IPアドレス」は誰が決めるのでしょうか。一般的な家庭環境のようなネットワークだと「ルーター」が決めてくれます。
ルーターと言えば、Wi-Fiを飛ばしたり、複数のLANケーブルを挿したりできる機械です。いわばネットワークの分配器的な装置ですが、実は接続端末にIPアドレスを割り振る仕事もしています。
この機能を「DHCP」と言います。DHCP機能がONのルーターと繋がり、自動でIPアドレスを受け取る設定をした端末は、ルーターから自動的にIPアドレスが割り振られていきます。
ATEM miniにもこのDHCPでIPアドレスを受け取る機能があります。一方で、毎回同じIPアドレスにしたい場合もあるので、そんな時は自分で手動設定する「固定IPアドレス」のモードに変更します。
後編につづく
以上、ATEM miniとIPアドレスの関係について紹介する前編でした。まずは「IPアドレスとは何なのか」を意識して紹介してみました。
後編では、具体的にIPアドレスの理解が必要になるようなシーンや、実際にあったトラブルを紹介したいと思います。
ぜひ併せてご覧ください!
※↑の記事は1/16に公開予定です