【映画】「大怪獣のあとしまつ」観ました【ポップコーンムービーなのに下品なセリフで食欲が失せる映画】


〇前置き

 映画館で予告を見てからずっと気になっていた作品「大怪獣のあとしまつ」。見たいと思いつつ時を経てつい昨日やっと見る時が訪れました。

〇感想

 オダギリジョーさんをはじめとする豪華キャストが勢ぞろいしているのがとてもすごい作品。オダギリジョーさんが特撮作品に出るのも久しぶりな感覚で、当時すごく沸き立っていたように記憶しています。

 さて感想ですが……。

 つい最近ものすごく評判がよろしくないということを知りました。当時の映画館で予告を見た時はともかく、その情報を知る前の私は「特撮作品としての期待よりも、ストーリー展開の方に興味を持っていた」ので特撮的な部分に関しては特に思うことはありませんでした。むしろ意外と表現の見栄えが良いように感じました。

 で肝心のストーリーですが、怪獣の死骸から成り立つ政治家たちの思惑や死骸をどう対処、処理するのかといったストーリー展開は意外としっかりしていてそこは良かったです。
 ただ導入が長いように感じました。とはいえ本格的に対処する前に死骸を有効活用できないのかなどといった話が出るのも納得ですし……。

 ただまあセリフがすごく下品でしたw 「腐敗臭はウンコかゲロかどっちなんだ! →銀杏の臭いです」は、そう来るかと少し感心しましたがw しかし、なんというか心の底から笑えない下品なワードや「さあここで笑ってください!」というコミカルを狙った描写がひたすら寒く感じて、笑かせに来てる部分がどれも全く笑えないのが問題なのかなと思いました。
 下ネタを扱うならコロコロコミックを参考にしてもろて。

 マジで何もおもしろくなかった……w それが苦痛になって退屈に感じたのかもしれません。

 真面目に怪獣に対して対処しようという部分はかっちりしてるのに、コメディ部分がどこもおもしろく感じられないという。

 そして冒頭を含め、ところどころ伏線を張っていたデウスエクスマキナ。演劇的な意味でいうと、これを終着点としてストーリーを進行させている部分もあったみたいなので必要か不必要かと考えると、「大怪獣のあとしまつという演劇のデウスエクスマキナとしては必要」だと感じました。
 ただその理屈を抜きにして考えると必要性を感じさせない。マジで『無理やり映画を終わらせるための舞台装置』でしかないんですよね。

 特撮映画のお約束として無理やり入れただけって感じで。特撮でデウスエクスマキナというと、ウルトラマンダイナ第38話「怪獣戯曲」を思い出しました。

 後半になって突然デウスエクスマキナの謎について猛プッシュしてきていましたが、ぶっちゃけ無理やり入れてる感じが強く感じました。
 謎の巨人なシルエットのデウスエクスマキナが最後の最後で無理やり解決させたことで、今までの隊員の頑張りが無に帰してフラストレーションの行き所がなくなってスッキリしない終わり方になってしまったという。

 終盤の特撮でお約束の大ピンチ展開に、せっかく怪獣の死骸に向けて放たれたミサイルを撃ち落として切り抜けたんだから最後の最後まで人間が努力で何とか解決して一件落着という形だったらスッキリできたのに……。というもったいない気持ちになりました。

〇おわりに

 日本の政治家たちの思惑が絡んできたり、怪獣の死骸が思いのほか処理に困る代物だったり、それに向けて本気で解決しようとする人たちがいたり、怪獣の死骸に関する世間の意見だったり、ストーリーやその世界に住む人たちの思惑や思いはめちゃくちゃ良かったのに最後の最後でドラゴンクエスト ユアストーリー展開にしてしまったのが残念に感じた映画でした。
 ただユアストーリーと違ってちゃんとデウスエクスマキナの伏線を張っていたのは良かったと思います。必要性を感じない伏線でしたけど。

 あと普通にコメディ部分がめちゃくちゃ寒くて下品で面白くないという……。ウルトラマン的な存在の扱いも下手だし、いろんな意味で残念な要素が強いのが残念でした。

 ただまあ、ブチ切れるほどの映画化というとそうでもない気も。しかし見るんだったら他の映画を選んだ方がいいかなぁという気持ちですw

 ポップコーンムービーなのに、ウンコやゲロだのポップコーンへの食欲が失せる映画でした。


 怪獣の死骸の処理をメインテーマに扱ってる映画なのに、謎の巨大ヒーロー的な何かが無理やりそれらの展開をねじ伏せて終わらせてしまったため、結局最初から最後まで何が描きたかったのか、何をしたかったのかがわからない映画でした。

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