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【2021.1.30】オメでたの正月と風呂屋では人が飛ぶと相場が決まっている

オメでたい頭でなにより(通称:オメでた)のワンマンライブ@Zepp Tokyoに行ってきました。約1年振りとなった有観客、<笑うしかできない全席デリケートゾーンライブ>と銘打った今回のワンマン。オメでたが今まで掲げてきたデリケートゾーン(暴れないエリア)を最大限に活かしつつ、このご時世を逆手に取っていたのが流石。オメでたがデリケートゾーン(通称:デリゾ)を作るようになった理由や、物販にあったサイリウムに「使用禁止」と書かれていたのは何故か、開演前に流れていた深夜ラジオ風番組は何か等に興味を持ってくださった方は、彼らがメジャーデビュー前に行っていたライブについて書いたこちらの記事を是非ご覧ください。

さて今回のライブに話を戻します。本編のオープニングでは、過去に行われてきたオメでたのライブ映像がスクリーンに映し出されたんです。ぐちゃぐちゃで汗だくで円になっているフロアを見て、何故ここに椅子があるのだと。スクリーンの向こうにある景色を見ながら悔しさが滲んで、泣けてきてしまった。でもきっと、今までと同じ条件でライブができる日を待っていたらいつになるか解らない。オメでたのメンバーだって、全席デリゾを望んでいたわけじゃないはず。それでも開催に向けて準備して調整してくれたことが答えだと受け止めました。オープニングのSEが導くのは「ザ・レジスタンス」。メンバー1人1人の名前がスクリーンに表示され、ステージに5人が揃っていきなり「音返し(おんがえし)」をしてくれました。久しぶりに会っても、すぐいつもの空気になれるのって居心地が良いですよね。まさにそんな感じ。

2020年4月にリリースされたアルバム「オメでたい頭でなにより2」は、ツアーが途中で中止となったためライブで披露されていない曲もたくさんあります。アルバムの個人的感想は是非こちらを。

「頑張っていきまっしょい」の前に赤飯さんが話してくれた「頑張れ」の解釈について、これは私が記憶している中では2011年の震災のときにも話してくれていました。上手くいくように願ってる、祈ってるという意味での「頑張れ」。決して押し付けるわけではなく。赤飯さんは、今とても肩の力を抜いてゆるゆるできていると話してくれました。特にこのご時世、皆が抱えていたであろう怒りの感情をぽにきがストレートに出してくれていたから、自分はそれを出さずにいられていると。ヘイトの塊だった頃の赤飯さんからは考えられないような、私が知ってる赤飯さんの中で過去イチ穏やかで良い意味でほんとに肩の力が抜けている様子が伝わりました。バンドっていいな……!

推しメモ、推しどこでは例の使用禁止サイリウムが解禁されます。推しカラーを振って、ステージのおにいさん達へ各々が声援を送っていました。最近MVも解禁された「推しどこ」はかつての大人気アイドルグループのオマージュが強めに効いていて、刺さる世代にはドンピシャ、解らない世代にはまったく刺さらないといういつものオメでたスタイルで最高です。謎の感動があり、ローラースケートで楽しそうに歌い踊ってたおにいさん達を見ていたら何だか泣けてきちゃうんですよね……w

本編ラストは、彼らの主題曲である「オメでたい頭でなにより」(曲名)。椅子があったとしても、ぐちゃぐちゃになれなくても、ダブルピース越しのステージを見るのが大好きです。やっぱりオメでたのライブはこの景色がないと、って実感。フロアが歌うパートで声を出して歌えないこと、メンバーの名前を呼べないこと、ありがとうも言えないこと。声を出せないライブで何度も悔しさを噛み締めました。それでも彼らはバンド結成時から伝えてくれている「一人でも多くの人を笑顔に」「誰も置いていかない」ライブを魅せ続けてくれるんです。今回様々な事情で参加を断念した方もいると思います。どの選択をしても間違いではない、また必ず会えるからと、真っ直ぐなメッセージを受け取りました。

これまでたくさんの縁を繋いできてくれたオメでたがアンコールラストに届けてくれたのは「えんがちょ!」。悪い縁を断て、と繰り返し歌ってくれるこの曲は、負のスパイラルを断ち切りたい気持ちの表れのようでした。ネガティブをポジティブに変換してくれるバンドなので、無駄なことは何もないと、いつか笑って話せる日がくるという決意も感じました。

ここで今回のブログタイトル回収しますが、オメでたの正月と風呂屋では人が飛ぶと相場が決まってるんですよ(正月→SHOW-GUTS/風呂屋→スーパー銭湯〜オメの湯〜)。リハでやったSHOW-GUTSではサーフ初詣できてないのでまだ一年始まってないくらいの勢い。今となっては1月にしか聴けないレア曲なので嬉しいのですが!それができない今の状況では取り戻せないものもたくさんあるけれど、オメでたはまだまだこんなもんじゃないです。今まではこうだったのに、と悔しい思いがあるのなら、それを必ずポジティブに変換してくれると信じてます。だって今すごく笑えてる。

そういえば、今回の影アナと規制退場時の誘導はイベンターさんや制作のスタッフさんが担当してくれていました。噛み噛みで言葉に詰まってしまう箇所はあったけど、定型文ではなく心が伝わるあったかいお言葉がたくさん聞けました。愛されてるなぁ、オメでた。改めて、スタッフの皆さまにも感謝の気持ちでいっぱいです。動けない間もオメでたを支えてくれて、たくさん調整と準備を繰り返してくれてありがとうございました。オメでたに関わるスタッフさんからはいつも愛情を感じます。

最後に。今回のライブ中、赤飯さんが何度も謎の転倒を繰り返していてさすがに心配になるレベルでした。「魔物がいる……!」と赤飯さんも言ってましたが、ライブ翌日に通院したところ左足捻挫で松葉杖の痛々しい姿がTwitterにUPされていました。赤飯さんの左足といえば、知る人ぞ知る生霊ちゃん。開き直って生霊と共存する曲(生霊の盆踊り)を作ってしまうほど有名ですが、これは最近ライブで生霊(曲名)をやっていないからでは……?左足に取り憑いた生霊と赤飯さんの運命や如何に?それはまた別のおはなし。お大事にしてください。

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