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SoulBound Token(SBT)への期待

最近ホットワードになりつつある、「SoulBound Token(SBT)」について魅力や可能性を感じたので、備忘のためにも記録に残します。

Web3 の記事はほとんどの場合で横文字と長い熟語で語られるため、あまりお利口でない自分でも復習できるようにできるだけ平易な言葉にしています。そのため読む人によっては厳密に性に欠ける印象をもつかもしれませんが、少なくとも今後用途が広がる一般人にとっては有益になるようにと思っています。

この記事は、概要レベルでの SBT をまず記述した後、自分が”こんなところに活用されそうだ”、”されるといいな”、を妄想(アイディア?)を膨らませるといった流れにしています。

SBT は何かの前に、NFT が何かを知っておく

残念ながら、ここは避けてとおれません。初見の方はまず、以下のような点を学習してください。

  • NFT が何か?

  • NFT がもたらしているイノベーションは何か?

  • そのイノベーションが起こっている最中(今)、内在する課題は何か?

とこのあたりを踏まえておくと、「なるほどそれは便利そうだ!」とわかるのではないかと思います。

NFT については、ちょっと検索しても情報はたくさんでてきますが、以下のページでも解説をしていますので合わせてご参照ください。

SBT は何か

SoulBound Token」の略です。これを仮に和訳したとしても、なんのことだかわかりませんし、どういうものか、特徴をわかったとしても、この名前にその印象がいまいち紐づきずらいです。(少なくとも日本人である私は)

よって、「魂(ソウル)がどうのこうの!?」とかそういう視点は忘れてもらって、単純に字ずらとして「SBT」とまずおいておきます。

押さえておきたい点として、このSBT、2022年1月(記事を書いている時で7か月前くらい)にEthereum の創業者であるVitalik⽒より発表されたアイデア であり、具現化されたものです。彼はホントに発想がすごいです。

Token なので、NFT と同じブロックチェーン上で発行されるものです。でも、NFT と違う点があります。何が違うのかも含めながら、SBT はどういったものか、3点ご紹介します。

1,譲渡不可能

SBT は、

一度得ることができたら、他の人に渡せない

です。
一方、NFT はそんなことはなく、マーケットプレイスなどで売買可能ですし、売らなかったとしも人から人にあげることも自由にできます。

2,公開(提供)情報が選択可能

あなたが NFT を持っているいるとき、その NFT が持つ様々な情報を、あなた自身で公開・非公開をコントロールすることはできません。
SBT はそれができます。

例えば、ある SBT にあなたの「名前、生年月日、年齢、性別、血液型」という情報があったとき、あるサービスやアプリケーションには、「性別と血液型だけ開示する」といった事ができます。

3,発行元でのみ取り消し可能

”取り消し可能”とはどういうことか、SBT は発行元から他の人の手に渡ったあとも、発行元が剥奪する権利を持ち続けることができるということです。
NFT にはそのような事はできません。

具体例をあげてみます。
私が(元?)エンジニアなのでエンジニアっぽい例を・・・

あるITプロダクトベンダーが、そのプロダクトの専門的な技術スキルを持っている事を証明する”〇〇〇エキスパート認定”に合格している人のみが特別なサポートを利用できる、という SBT を発行していたとします。この認定は毎年1度テストを受けて合格基準をクリアした人が(更新として)認定を維持できます。
もし、このテストに合格できなかった場合、”認定者”ではなくなるため、自動的にこの SBT は剥奪され、今まで利用できていた特別なサポートを利用できなくなる、といったようなことが可能となるというイメージです。

【参考】つい最近、ERC-4907 という NFT規格である ERC-721 の拡張版として承認されたものがありますが、これはいわゆるNFT にレンタル機能をもたせるものです。SBT の3,の特徴と若干似たような雰囲気ありますが所有権自体が貸している側にあるという仕様となりますし、別のトークン規格です。

SBT により何が変わりそうか?

それはもう、現状の Web3 や NFT にある課題解決を含め、いろいろユースケースが提案されています。特に現状の課題解決系のユースケースはすぐにでも採用されそうなものばかりです。

ここでは、ぱっと自分が思い浮かんだものを書きます。しっかりと、フィジビリティまで深く考察してませんので、あくまで個人での想像の範囲です。

学力(学歴)・能力・スキル・キャリアの証明 SBT

個人を証明するためのもとして使えそうです。譲渡が必要なくて、自分で情報の開示を選択できるものとして、自分自身に紐づくパーソナルなデータはいくらでもある気がします。特に、抽象的にはくくられつつもあまり具体的には語られていなそうなところとして、教育やキャリアの証明があるのではと思います。

その中で、自分が学習してきた情報、とってきた資格情報、キャリアの情報を確かに本人であることを見出すものとして SBT を獲得できるとよさそうです。

卒業証明なんかの取り寄せるのはなかなか手間です。これを学校など教育機関が SBT を発行してもらうとそれだけでよい気がします。

能力やスキルについても発行元のベンダーや資格機関が認定試験に合格したことによる SBT を発行することで、その当人の能力・スキルの確からしさを証明できます。

なによりも、毎回どこかの企業に転職するや能力・スキル証明するときのレジュメを自分で更新するのでなくそういった SBT の必要な情報を企業側や契約先に公開したらよいだけになるのでキャリアを簡単に可視化できるのではないかと思います。

要は、教育・採用といったジャンルでは活きそうです。

プロフィールは 複数の SBT から選択的に公開

みなさんも経験あるかとおもいますが、WebサイトやSNS等でプロフィールを作る事があるとおもいます。もちろん別のサイトやサービスなので、中身の多い少ないはあれど、ベースとなる個人情報を含めだいたい同じ事も多いのではと思います。

正直面倒くさいです。

そこで、人生を生きていき、SBT が集まっていく事で、ある種のアイデンティティ(自分ってこんな人です的なこと)が形成されるのだとしたら、プロフィールそのものも SBT から選択的に情報を公開するというだけにしたらよいのではないでしょうか。WebサイトやSNSなどプラットフォーマーに依存せずに、個人が中心となり、常に自動的にアップデートでき手間いらずになりそうです。

SBT で収益化

プロフィールの件と、似てますが「面倒くさい」という点で、病院のカルテが思い浮かびます。これらも病院毎で、書かされ、お薬手帳なんぞも毎回用意され、それぞれの医療機関で管理されていますね。

すべての通院履歴や病歴、手術記録や、薬の投与履歴など健康保険証をIDにしてデータベース化できないものか?と結構前からおもっていたりましました。

これなんかも、SBT(発行元は医療機関の長みたいなところ)にしてしまって自分でそれぞれの医療機関に開示するということができれば楽になりそうな気がします。

というのと、この SBT やそれまでの健康診断、人間ドックの記録、食生活、ライフスタイルの記録などと合わさった SBT も含め、研究機関への売り物にもなるのではと思います。自分が提供したい(できる)情報のみを選択的に提供することが、自分中心から行うことができて、それに応じて収益を得るなんてことはできそう。
そして研究機関などもそれによってさまざまな分析や臨床試験、新薬開発なんかに活用できそうです。

まとめ

今回、SBT を取り上げてみました。
後半の”妄想”は考えがまだ浅い感じはしますが、既に採用を始めたプロジェクトもあるようですので、そのあたりの経験をしながら、アウトプットをしていければと思います。

ブロックチェーン上のトークンの種類や規格はまだまだ様々提案され続けていくように思えます。1つのものですべてが解決できるというものではなく、これらは補完関係であったり用途分け、すみわけをしていく流れかなと思います。

今後も他のトークン種類や規格なども注目していきたいです。

なお、本記事であまりよろしくない表現、間違った理解などがあった場合はご指摘いただけると幸いです。都度修正していきます。しかしながら、テクノロジーは進化していくものでもあるので、公開日時点の情報である点もご配慮いただければと思います。

お読みいただきありがとうございました。

参考

https://crypto-times.jp/ct-analysis-33/

https://hashhub-research.com/articles/2022-08-01-about-soul-bound-token


https://note.com/shinkinjo/n/nd968502eee99


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