性愛2

不謹慎ながら、本当は私みたいな人間が身体を売るのに向いているのではないかと思ったことが何度もある。貞操観念の死んでいる私みたいな女。けれど、一つ向いていないのは、私は性欲がその他の欲求と比べたとき、それほど高くはないということだ。加虐的にも被虐的にもなることができ、他者から向けられる性欲を可愛らしいとさえ思うけれど、一日中そんなことに興味を向けていられない気がする。

男の人が何かを求める様子は子どもみたいに可愛くて、けれど、その一方で私を力ずくで押さえつけることもできる。私はこの二面性が愛おしいとさえ思う。時折、私は自分を分裂させ、自分とは違う何かになって、全ての人を愛したいような気持ちになる。でも、今付き合っている恋人を私は確かに愛しているから、きっとポリアモリーではないのだと思う。

自分を大切にするという感覚があまり分からない。両親が私を厳格に育ててくれたことに反して、私は見知らぬ他人とホテルに行くことがある。けれど、思い返してみれば、一人目の人は簡単な愛撫で、二人目の人はオーラルセックスの練習に付き合ってくれたに過ぎなかった。最後までしても構わなかったのだけれど、そういえば何故か私は好きな人以外としたことがない。私が何かをすることで相手が満たされるならば、それでいいと思うのに。

貞操観念のない私が、ひとえに浮気をしないのは恋人が悲しむからである。抵抗がないというだけで、進んで悲しませてまで他人を満たしたいという欲動はない。

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