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【VRChat】全力で楽しむ猫 vol.4 イントロシーンができるまで

はじめに

 「きょうのブイチャ」というタイトルで僕のXアカウントにその日のブイチャ、VRChatで遊んだ様子を1クリップだけ毎日投稿しているよ。

 数週間に一度だけ、毎日投稿では紹介しきれなかったクリップやオリジナル要素も交えて1つの映像として「きょうのブイチャ・まとめ」をYouTubeに公開しています。

 今回はそのまとめ動画「【VRChat】全力で楽しむ猫 vol.4」から、イントロシーンだけに絞ってアイデアやプロセスについて紹介してみるね。


イントロシーン

 イントロシーンはこれね。最初の僕が寝落ちした後、どんどんと新しい自分が表れて最後には大集合するっていう表現だよ。

アイデア

 海外のMVを見るのが好きなんです。その中でも特にアイデアと力技で映像表現しているものが好みでよく見ています。

 上の二つは僕のお気に入りの監督が作ったMVなんだけど、どちらもアナログなアイデアで目を引く表現をしてて、いつかこういうのを作ってみたいなぁって思っていました。

 はじめはどうやって作っているか全然想像もつかなかったんだけど、毎日ブイチャで動画とっていると、「あれ?このツール使ったらあの表現できるんじゃない?」って気が付く瞬間があって、今回やってみることにしたっていうのがはじまり。

 正直なところ他にも力技でやる方法はあった。例えばフルボディートラッキングのフレンド6人くらい呼んで、全員にアバター買ってあげて同じ改変させて同時に撮るっていうの。でもそれってやっぱり時間もお金もかかるしみんなの協力が必要だからなかなか実現できるものじゃないよね。

ツール

 HppedeafさんのVRChat Camera Animation (CAHppe)というツールをつかっています。

 カメラのモーションパスを作ってあげると、そのパス通りにカメラが動いてくれるっていうすごく便利なツールです。滑らかなカメラワークが作れるので、まるでドローンやクレーンをつかったのようなリッチな映像がとれるからすごくオススメ。たぶん実写でやろうとすると数百万、数千万するような撮影をたった15ドルでできるってすごくない?

 くわしい導入方法や使い方については、ティキレスさんが動画にしてくれているからよかったら参考にしてね。

導入方法

使い方

プロセス

ロケーション

 まずどこで撮るか、なんだけど、結構これは最初の段階で決まってた。VRChatですごいワールドをたくさん制作しているFinsさんのワールドが大好きで、ここで撮ってみようって思ってました。

 Finsさんのワールドってライティングもしっかり作られてるし、シェーダー?(っていうのかな?)がすごくリッチで、普通に撮るだけでいい感じにエフェクトが載ってたりするから、手軽にきれいな映像が撮れるなって思ってました。Finsさんありがとう。

撮影

 上で紹介したツールを使用して1つのカメラワークを作った後、同じ軌道で何度も何度も自分の登場位置を変えて撮影しました。

 これが意外と大変だった。フルボディートラッキングでVRCを遊んでいる方ならわかると思うけど、途中でトラッキングセンサーの位置が少しずつずれちゃうことがあって、キャリブレーションしないといけなないんだ。でもそれをしちゃうとさっき作ったカメラのモーションパスが消えちゃうってこと忘れてたんです。

 十数カット何度も何度も撮って、さあクライマックスだから一度キャリブレーションしようってやっちゃうと、それまでの撮影が全部パーになっちゃう。バカだからおんなじ間違いを4回もしちゃって、くたくたになりながら何度も撮影しました。最後のほう諦めかけたけど、がんばってよかった。結局4時間くらいかかっちゃいました。

 で、実はこの撮影、これが最初じゃなかったんです。

 ミドルシーンで使っているこのカット、実はもともとイントロ用に撮っていたんだけれど、いろいろ失敗しちゃって最初はボツにしてたシーンなんです。

 よく見ると最初のほうカメラちょっと傾いているし、途中マウスが映り込んでるでしょ!いろいろくやしくて最初ボツにしちゃいました。結局ミドルにつかっちゃったけどね。

 その失敗があってからの上の撮影だったから、どうしても失敗したくなかった。だから頑張れたっていうのはあるかも。

ポスプロ

 十数カット一気に撮影して、やっと編集に入るよ。一度にたくさんの自分を1シーンに出すにはどうしたらいいかって言うところの核になるところなんだけれど、ここからが力技だけれどシンプルです。

 基本的には自分の形にあわせてマスクを切って、ベース映像の上に重ねるだけ。

 下の映像は全然系統の違う映像だけれど、やってることとしては一緒。参考に貼っておくね。

 シンプルな映像だったら、簡単にディゾルブでつないだり上みたいな大まかなマスクを切るだけでぜんぜんオッケーだと思う。

 ただ、今回少し特殊な事情があって、僕自身の形に合わせて一匹ずつロトスコープ(動くキャラクターに合わせてトレースすること)をしました。

 特殊な事情っていうのは、この撮影ツールの仕方のないクセみたいなところなんだけど、同じ軌道で撮影しているように見えて、実はほんのちょっとだけズレていたり、スピードも数フレームのずれがあったりで、完璧に同ポジで撮れているわけじゃなかったんだ。

 これはPCの処理速度とかGPUとか、いろんな状況によって変わってくるところだ思うからみんながみんな同じ現象ではないけど、そういうものだと思っていた方がいいかも。

 上の映像はわかりやすいようにわざと大げさにマスク切った映像だよ。マスクの内側と外側でちょっとずつズレたりフレームが合わなくなってるのわかるでしょ?
 正直このままでも全然よかったんだけれど、一度気になるとどうしようもない性格だから、細かくマスク切るところは細かく、大胆にするところは大胆にするっていう方針で、なるべく気にならない方法で作業しました。

 ロトスコープの方法はこんなチュートリアルを参考にしました。

仕上げ

 あとはちょっとした仕上げのところだけれど、遠近感を出すために手前の自分はすこしぼかしをかけたり、画角を調節したりってのをやって仕上げていったよ。

仕上がり

 それで仕上がったのがこれ。

 上手くできてよかった!

さいごに

 やったことない表現を調べながらやるってめちゃくちゃ刺激的だなと思った。ツールの使い方とかすごく勉強になるし、ツールのクセとか仕様とかどんどん理解できるようになってくる。ブイチャだと遊びながらできるのがめちゃくちゃ楽しいね。

 あとこんなことバレちゃいました!

 いろいろ苦労したけどとてもいい思い出になりました。ここまで読んでくれてありがとう。何かの参考になったら嬉しいです。


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