2018ジェフユナイテッド千葉結果報告MF&FW&エスナイデル編

もはや言うことがあまりない!!さらばエスナイデル!さらばハイライン!

MF

佐藤勇人

シーズン途中に近藤からキャプテンを譲り受けたベテランだが、チームを引き締めることはできなかった。今シーズンはたまにスタメンはあるものの基本的にはサブ。スタメンで出た時も何かインパクトを残せたかというと微妙だったので、精神的な存在という意味合いが結構強い。いろいろと漏れてくる話を聞く限り、自分を犠牲にしてでも若手を叱ったり範を示すタイプではないので、キャプテン向きではないんだろうなあ。それでも、元チーマーとして、相手チームとの揉め事には最年長なのに一目散に特攻していく、居残ったファンを片っ端から鉄パイプを振りぬいて潰すなどの武闘派方面で活躍してもらいたい。あと顔がイチローに似てるので、そこをなんとか生かして3000本安打して欲しい。引退はないと思うのだが、平山相太発信羽生直剛経由で某かぼちゃの馬車案件に投資などをしていないことを祈るのみである。

熊谷アンドリュー

J2のトニ・クロース。前半はエスナイデルの1アンカー地獄に苦しんだが、途中からはさすがに諦めたのか、小島や矢田とダブルボランチを組まされるようになった……のだが、最後の方にはまたアンカーに戻したりもしてた。しつけえ。今年は急に前線に駆け上がってみたり、カウンターでなぜか最前線を走り、誰かがものすごく長いスルーパスを送って当然アンドリュー追いつけないという微笑ましい場面も見られた。しかし、チーム内で攻守のバランスという概念があまりないため「そこはいかなくてもいいのでは?」というところでもかなり高い位置でボールを捌いてて、アンドリュー自身はボールを取られなくてもその先でボール奪われてカウンターして地獄タックルで帳尻合わせるというような場面が散見された。そりゃ自由に攻撃的にやりたいのはアンドリューのマインドでは当然なので、そこに枷を嵌められなかった首脳陣たちが悪いと言えるだろう。せっかく上がった守備力が自分たちのケツを拭くために使われることばかりで、正直もったいないなあと思った。来季もいて欲しいのだが、J1強豪チームからオファーがあったとインタビューで応えていたこともあり、去就は不明。来季の体制次第なのだが、きちっとした監督だと反発して胸倉つかんでアンドリューしそうな気もするので、なかなか難しいところである。

小島秀仁

30節くらいからアンドリューの相棒になった髪の毛サラサラキューティクルボランチ。「1アンカーにあらずんば人にあらず」の精神でやってきたエスナイデルだがさすがに不安定すぎてダブルボランチにした恩恵を最も受けることができた。攻守のバランスに優れていて前線に顔も出せる能力は2ボランチ向き。ただ、2ボランチにしてもまたハイラインにしたりして全然安定しなかったのはナイショだゾ。最後の方でアンカーシステムに戻してもインサイドハーフとして攻守のバランスを取るために腐心。序盤よりもアンカー周りを使われてラインの裏の広大なスペースにボールを出されて即死、みたいな状況は前よりも少なくなった。なぜここにたどり着くまでにこんなに時間がかかったのかわからない。来年もおそらくいるでしょう。年齢も26歳で中心選手として申し分なし。J2ではかなり優秀な選手なので、来季も頑張ってください。

矢田旭

便利使いをされてきた男前。ハイライン&ワンアンカー、ツインタワー、船山システム、ゲリア地獄、佐藤優也長距離弾道ミサイルシステム、など様々に変遷するフォーメーションで出場を重ねた。出場時間はMFではアンドリューに次ぐ数値を記録。今年の主力選手であった。サイドを突破してクロスを上げる、中央で受けてミドルを撃つ、上がってきたサイドバックへスルーパス、船山が絶妙に外しそうなボールを供給するなどFWやサイドバックと絡んで攻撃を機能させていた。ただ、守備はイマイチであり、プレスに行くのが若干遅れたりしていたので、ハイライン破りの一因となるようなこともあった。また、攻撃面でも決定機の一歩手前くらいまではけっこう行くのだが、そこから先というのがなかなか難しく、それは2点という少ない得点が示してもいる。イマイチ適正ポジションがどこなのか?というのがわかりづらい選手でもあり、どこで使っても帯に短し襷に長しとなりがちである。もうちょい得点に直結するプレーができるようになると彼自身も一皮剥けるのではないだろうか。来年もいると思うので、その男前さで女性ファンの不満を和らげてください。

町田也真人

やはりこの10番がいるといないとでは大違いである。豊富な運動量とそれに基づいたプレス、的確な位置取りによるボールの引き出し、受けてからの的確な判断、シュートへの積極性と文句のつけようがない。終盤には茶島と町田のちびっこ両サイドで船山とともにスピーディなカウンターを繰り出していた。途中で怪我して10試合以上欠場してしまったのが、本当に痛かった。J2としては期待値十分な攻撃的なMFと言えるだろう。来季も当然いて欲しいのだが、昨オフに名古屋からオファーがあったこともあり、上から当然狙われる選手。DAZNマネーによる選手流動化の促進もあり、移籍が活発化しているため、いつ呼ばれてもおかしくない。結局エスナイデル体制が失敗に終わったので、次の魅力的な体制を提示できるかどうかだろう。まあ、そこがかなり難しいんだけど、「グァルディオラが来る」「グァルディオラが来るかも」「グァルディオラっぽい名前の人が来る」「グァルディオラの愛弟子が来る」「グァルディオラと国籍が一緒の人が来る」「和製グァルディオラが来る」でオフシーズンを引っ張りまくって、最終的にギリギリで「グァルディオラと生まれた星が一緒の小林伸二が来る」でなんとか踏みとどまってもらいたい。詐欺?いいや、もはや、これは、政治なのだよ。

ホルヘ・サリーナス

なんかよくわかんないけど前半はけっこう使われたのだが、やっぱり後半は干されてしまった。足元のテクニックはあるのだが、どこで、どのタイミングで、どう使っていいのかさっぱりわからず、RPGの毒を無効にする防具みたいに延々と道具袋の中にしまっておかれることとなってしまった。さすがに来年はいないであろう。去年も書いたのだが、なんか間違って中国が高値で買ってくれることを祈るのみであり、そのためならばパスポートの書き換えも辞さない覚悟である。

本田功輝

見てない。高卒ルーキー。リーグ戦出場はゼロでした。頑張れ。

工藤浩平

途中加入した一瞬だけレギュラーになったが、その後はすっかりサブ生活。0得点と特にインパクトを残す活躍はできなかった。出れば円滑なボール回しに貢献できるのだが、このチームの問題点はそこではなくてとにかく失点なので、あまり意味はなかった。ただ、まあ、来季も残ってベテランとしてチームの秩序を保ってください。34歳かー、姉崎のマラドーナも年とったなあ。ちなみに「○○のマラドーナ」の中でも伊東輝悦の「テルドーナ」と張るくらいのマラドーナ感の薄い姉崎のマラドーナ・工藤浩平です。

FW

為田大貴

今年はなかなか使い方が一定せず、主にスーパーサブとしての役割が多かった。ただ、スーパーサブで出たとしても「為田で勝負!」という組み立てがあんまりできていなかったので、ほとんどの試合で埋没。シーズン通して2得点という寂しい数字となってしまった。エスナイデルのフォーメーションガチャの煽りを最も食ってしまった選手である。しかし、その突破力はJ2でも屈指で1対1ならほとんど勝負で負ける選手はおらず、縦に行く、中に切り込む、あるいは抜かずにクロスに行くなど非常に多彩な選択肢を持っている。これで守備の意識をもう少し高めたらスーパーな選手になるのだが、それができてたら千葉になんかいるわけがないのであり、為田は為田なのである。ただ、「性根を叩き直す」「僕が一番為田をうまく使えるんだ」というクラブがもしかしたらJ1にいるかもしれず、今年のオフのJ1個人昇格の可能性がアンドリュー、町田とともに高い選手だろう。もしJ1に移籍したら、その持前の性格の悪さで相手を舐め腐ったタコ踊りドリブルを披露して西大伍あたりに後ろから思いっきり削られて欲しい(ノーファウル)。ただ、J1でサブ生活だと不満たらたらで途端に元の自堕落な選手に逆戻りしそうなので、その際には千葉に戻ってきてください。残ってくれるといいのだが。

船山貴之

今年は船山の年であった。出場時間3000分超はFW陣の中ではトップ、さらには41節終了時点で19得点とまさに大車輪の活躍だった。ポジションも2トップの片割れ、サイドハーフ、トップ下、内閣官房副長官、東京特許許可局ライセンス管理部知的財産権保護活用課知的財産保護係長、あまりにもメンバーの数が増えすぎたハードコアバンドで特に楽器を担当せずライブの際には客を煽るのが仕事になってるフロントマンを経て、最終的には1トップに落ち着いた。岡山一成解説員は「ターゲットになる身長がないから船山は0トップ」という斬新な理論を発表していたが、まあ1トップでも0トップでも船山は船山なので別にどっちでもいいのである。とにかく今年はけっこう点を取っているのだが、確率も悪くない。ヘッドでポストに押し込み、グラウンダーのクロスをノーマークで枠外に叩き込み、ミドルシュートをゴールの上に突き刺した場面ばかり覚えていて、肝心の得点シーンをさっぱり覚えてないのだが、意外と点を取っていたということなのだろう。ワンタッチゴーラーは得点数の割に印象が薄い。ただFW陣で唯一裏抜けができる存在なので、その個性はかなり貴重であり、戦力として重宝されたのもよくわかる。もはやJ1に行ってどうこうという年齢でもないので、来年以降も変な紐を頭に巻いて千葉に骨をうずめていただきたい。来年は12点くらいだと思う。

ホアキン・ラリベイ

夏場以降、ぐっと出場機会は減ってしまい、終盤にはほとんど出番はなかった。理由としては指宿が一時期レギュラーとして活躍したことと、最後は船山ワントップシステムになったことだろう。とにかくポストプレイがうまいのだが、一番相性のいい町田が怪我で途中だいぶ離脱したので、そこも運が悪かったなあ。まともなクロッサーもいなかったし、その特徴を出せる機会があまりなかった。それでも二桁得点は取っているわけなので、その辺はさすがである。来年以降にいることはおそらくないだろう。本来J2に来るようなレベルの選手ではなく、うまく使えないことがもったいなかった。好きな選手でした。さらば。

指宿洋史

30節から一瞬だけ1トップのレギュラーになったが、基本はスーパーサブの1年であった。とにかく背が高いのに1トップ向きではないというアルナウトビッチ的な仕様であるのを理解するところが難しく、誰もがまずは1トップでガンガンにハイボールに競り勝ってくれるものと期待して使うのだが、さほど空中戦が強くない。体の使い方もうまくなくて手をよく使うのでファウルを取られてしまい、ロストが多いのである。これなら長いストライドを生かして2トップの一角としてチュポ・モティングするか、あるいはサイドからごりごり人を引きずりながらアルナウトビッチしていった方が使い方としては正しいのではないだろうか。ちなみにシュートはうまくない。ここ2年は切羽詰ってくるとラリベイとのツインタワーを形成して全然機能しないということをやっていて、「今年ももうこんな季節か……」と風物詩のようになってくる。ハイプレス・ハイラインとツインタワーって「こってりラーメンさっぱり味」みたいなもので、両方の持ち味を消すよね(唐突な天下一品Dis)。来年もいるんだろうか。よくわからない。年齢を見てみるともうとっくに30を超えてるかと思ったら、まだ27歳だった。うそでしょ。絶対EXILEだったらそろそろ30半ばで中堅ポジションになってHIROさんに「お前もそろそろ結果だな」って言われてる見た目でしょ。

三代目 JEF Soul Brothers

清武功暉

干されたー!いやー干されたわー!むしろ干されたっていいうか進んで俺が干すように頼んだわー!というわけで、今年は先発も数えるほど、主に途中出場で切り札として使われるも結果を出せず。後半戦はすっかりベンチからも姿を消し、千葉中央警察署に行方不明の届け出が出されたとか出されないとか。まあ得点も3点ということで全然伸びてなかったのやむを得ないか。90分間無謀な突破を繰り返してそのうち2~3回で抜けてゴラッソを叩き込むという、ファイアーエムブレムでいったら海賊の手斧みたいな選手なので、正直使いづらいのは確か。エースとして我慢強く使うしかないので、清武と心中する覚悟がなければ厳しい。来年は移籍だろうか。もうちょっと予算規模の小さいクラブでブリブリのエースとして昇格候補を殺すみたいなのが一番幸せそうな気がする。

古川大悟

見てない。今年は出場機会ゼロ。まあ君を使っている余裕などなかったので、すまんな。

監督

フアン・エスナイデル

爆死した。もうこれ以上ない爆死である。世界サッカー爆死年表があったらひっそりと載るくらいには爆死である。お膳立てはすべて整っていた。昨年7連勝で滑り込みでプレーオフに行ってそこで名古屋にボコられたにも関わらず、そのドラマチックさでなんか「すげえことやったぜ!」ってな具合で留任。よくよく考えたら7連勝してもプレーオフにぎりぎり滑り込むくらいの成績なのだが、人生に間違いはつきものである。それでも、レンタルだったアンドリュー、矢田、為田などの主力選手を本契約でゲット。さらにはロドリゲス、高木利哉、茶島、増島、エベルト、ゲリアなどの上積み戦力を獲得。「時は来た!それだけだ!」と高らかに宣言して、今年こそはと思ったらハイラインである。もう圧倒的にハイライン、夏への扉が開いちゃうほどハイラインである。去年の終盤にラインを下げて成功したのに、また理想を追い出したエスナイデルには「こーのロマンチストめ!」とロベスピエールと並べてギロチンにかけたい気分だ。そしてハイラインだけならともかくアンカーシステムに固執。「それは去年やったでしょ」というリプレイをひたすら10節以上見せられて、シーズンは終わってしまった。そこから試行錯誤するもツインタワーにしてみたり、船山システムを発動させたり、サリナスを召喚してみたり、ゲリアを突撃させたり、まぐろステーキで寿司を作ったり、寿司対決のライバルを倒すために電車に轢かせたり、貴重なアサクサノリをガソリンで焼いたりした。すいません、冷静さを失って後半は将太の寿司が混じりました。41節時点で72失点とJ2ワースト2位を記録。勝てるか、バカ。ラインを下げてもガバガバ守備に「あ、去年の7連勝の守備を構築したのはもしかして長谷部コーチ?」とうっかりみんなに気づかれてしまう始末。シーズンを通して「最適なシステムは?」をいつでも探しているよ、どっかに君の姿を、向かいのホーム、路地裏の窓、そんなとこにいるはずもないのにというわけで、ひたすら自分の影を探し続けた。ともかく、そこがエスナイデルの最大の問題点だった。「自分たちのサッカーを極めたい」「自分たちのサッカーをやれば勝てる」と、まあそれはそれでけっこうなことなのだが、結局サッカーとは相手がいるものなので常に自分たちのサッカーができるわけではないのである。その時に自分たちのサッカーができないときには次の矢、さらには3本目の矢という対策をするのが普通なのだが、エスナイデルにはそれがない。大分の片野坂監督とか松本の陰険メガネとかにひたすらハイラインを破られようが「自分たちのサッカーをできれば勝てるはず、勝てないのは自分たちのサッカーができないから」と頑固に自分たちのやり方を変えない。それじゃあ圧倒的に実力差でもない限り勝ちまくることは不可能なのだ。負けた試合でいつも「何もしてないのにPCが壊れた」みたいなこと言われても困る。理想がない者に現実は語れないが、現実が見えない者に理想を語る資格はないのである。さて、J2では強めの戦力を要しながらも中位以下ということで、さすがに来季はもうないだろう。2年間でハイライン・アトラクションとその裏取られまくって無残失点アトラクションなどを楽しませてもらったが、もうサーカスは飽き飽きである。もうさあ、将来につながるとかいいからさー、小林伸二監督とか陰険メガネ監督とかさあ、「とにかく昇格!あとは知らん!」みたいなJ2名人でいい加減1回でもいいから上がっといたほうがいいんじゃないかなー。ともあれ、さらばだ、エスナイデル……え?まだ退任が決まってない?なんで?もしかして来年もやらせるの?なんで?正気?PDCAとか知ってるの?知らないの?なんで?正気?え?継続性?何を継続するの?ハイライン?ハイラインを継続するの?ハイラインを3年継続して来年は3倍ラインって何を言ってるの?3は素数だから縁起がいいって正気?正気なの?

ネタとしては千葉史上最高の監督でした

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