見出し画像

2022/02/14 ケーキをつくる

ケーキをつくる夢を見た。

無意識下に「バレンタイン」のことがあったらしく、チョコレートケーキをつくる夢だ。

とはいえ、私はチョコレートケーキをつくったことがない。日々テイストメイドジャパンで予習をしているが実践はしていない。YouTubeで視聴して、「大変そう〜! ホホホ!」以上。これが最近の寝る前のルーティンである。そんな習慣身につけるな……ッ!

夢の話に戻る。

夢で私は、幕張にある四階建てのショッピングセンターへやって来ていた。これはイオンモール幕張新都心とは無関係の、存在しないショッピングセンターである。幕張自体も一回しか行ったことがない。テナントがいくつも入っており、お菓子の専門店なども多数揃っているショッピングセンターだった。

そこで私は、見知らぬ女性たちとTVチャンピオンのような、謎の選手権に参加していた。やることはそのまま。一番良い感じのチョコレートを用意するバレンタイン選手権。基本的には店で購入し、そのチョコレートを紹介する催しである。

選手権はだいたい、十五時くらいにはじまった。スタートのホイッスルとともに私は一通りの専門店を見てまわる。

ただ、大型のショッピングセンターといえど、所詮はとぼしい想像力の中で作り上げた架空の場だ。体感一分もかからないうちに店舗をすべて巡ってしまい私は呆然とした。

「心ときめくチョコが……ない!!」

当然である。そもそも私の脳みそに心ときめくチョコレートなどない。私はチョコレートの才能がないので、ピエールマルコリーニもスニッカーズも平等に愛してしまうのだ。どちらも等しくあまきもの、うまきもの。

なので、「店舗をめぐった」という感覚はあれど、そこで見たチョコレートの記憶がまったく残っていないのだ。

選手権にふさわしいチョコレートと出会えないまま、私はショッピングセンターの端まで来てしまった。最上階の四階。大きな窓があり、夕日が差しつつある。

ショッピングセンターの端はすこし毛色が違っていて、一階から四階までイトーヨーカドーになっている。ハトのマークを見た気がするので、たぶんイトーヨーカドーだ。夢の中だから別にイオンでもなんでもいいけど。

イトーヨーカドーにやって来た私は、一応、そこでもチョコレートを探した。夢の中のイトーヨーカドーはパン屋のような一角があり、そこを覗けばあるではないか……!!

でっっかいチョコケーキ!!
でっっかいチョココロネ!!!!


とにかく物量が私の心を動かす!
見た目……わからん!
味……だいたいうまい!

そうきたらもう、でかさしかない。大は小を兼ねるように大はときめきも兼ねていた。

ただ、売られているものをそのまま買うのも味気ない。

そこで私はあろうことか、「よっしゃーつくるぞー!」となるのである。作ったことねえのに。自信過剰にも程がある。

早速チョコケーキに必要そうなものを一通り購入し、イトーヨーカドー内にあるABCスタジオのようなお料理スペースへ向かった。夢の中なのでなんでも都合よくある。

ただ、夢の中での体験というのは概ね失敗する傾向にある。車を運転しようとすれば塀にぶつかって半壊させるし、バンジージャンプを飛ぶことも出来ない。

料理だって例に漏れず、テイストメイドジャパンの手際の良さしか知らない私は、分量というものが頭からすこーんと抜け落ちいた。

私はまず、買ってきた「水と卵を加えるだけでチョコ味のスポンジケーキになるやつ」に、量をろくに確認もせず水をバシャバシャ入れた。卵はとりあえず、一個。

すべて投入してようやく分量の存在を思い出す。作り方が書かれているパッケージを見る。

英語だった。

終わった……と思った。私は大抵の英語が読めない。夢の中なので文法や単語もめちゃくちゃだからますます読めない。

かろうじて添えられているイラストの意味は読み取れた。卵のイラストは一つだけ……よし……大丈夫! 作り方ではサイズについても触れていたが、こういうのはフィーリングでいいとする。

次に水。確認する。
……具体的な数字、なし!

私の頭がそういった場面で必要な量がわからないので、ボウルに対しこのへん、というようなイラストしか記載されていなかった。これはよく考えたらボウルの規格によって分量が変わるガバガバな説明なのだが、夢の中で違和感を覚えることはない。「ちょっと多かったなー」と、冷静に計量カップで水を抜いた。

次はクリームを用意しないとな、すぐに使えるスプレータイプのものを買ってきたけど、すこしとろみのあるクリームをスポンジの間に挟むのもいいよな……クリームを上からかけてもいい……。

スポンジより先に夢が膨らむけれど、ここで急速に意識が浮上しはじめる。目を覚ました。時刻は七時半。アラームをセットした時間より二十分ははやい目覚めだ。

結局ケーキはつくれなかった。

起きてしばらくは夢と現実の境目が曖昧なので、「計量カップで最初からはかればよかったな……」などと冷静に考えていた。頭が冴えていくうちに反省するようなものではないことにも気づく。夢だしね。

素朴な疑問なのだけれど、普段料理をこなす人の場合はこうした夢を見たとききちんと最後までつくれるものなのだろうか? 出来たぞー!というところで起きるのかなあ。それとも実食だってするのか。

せっかくなら食べるところまで至りたかった。自分の中での出来事なのに、夢は本当にうまくコントロールできないですね。今日は以上。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?