2021/08/26 私のリリック……ダサくない!?
最近『オッドタクシー』というアニメにハマっている。
『オッドタクシー』
2021年の4月から6月にかけて放送していた全13話のアニメ。声優や芸人、ラッパーというキャスティング、ヒップホップアーティストによる劇伴、さらにミステリーとサスペンスの色が強い脚本をポップな動物のキャラデザで進めていくという異色の傑作。内容は端的に説明するとタクシードライバーの主人公を中心とした、とある事件を巡った群像劇。現在はAmazon primeにて独占配信中。とにかくまずはネタバレ無しで本編一気に観るのがおすすめ。
どれくらいハマっているかと言うと、生活がめちゃくちゃになるくらいハマってる。ダイエットによりすっかり運動習慣が身につき食べ物も気をつけて健康的に過ごしていたが、ここ最近は考察などをしていて気づいたらド深夜になってその日の運動がろくに出来ないこともままある。「あ〜このまま健全な人間になるんだろうな……」と思っていた私を返してほしい。
アニメの中でも私のお気に入りはヤマアラシのヤノというキャラ。ほとんどの会話が韻を踏んだラップ調というトンチキな奴だ。中の人もラッパー。ちいこい見た目だが暴力団に所属している27歳で、作中におけるヒールキャラである。ちなみにヤノはヤノをマジリスペクトするバカでけぇ体の舎弟である白熊の関口を侍らせている。関口は33歳なので年下兄貴と年上舎弟という、まあオタクが好きな関係性である。
そのほか、ヤノはオフィシャルブックにて全編ラップ調で過去を語った書き下ろし小説が書かれていたり、一人だけインスパイア作品という名のほぼキャラソンのEP(ミニアルバム)がリリースされているなどやたら掘り下げがなされている。
で、それがまためっっっっちゃ刺さるやつなのだ。オタクはそういう設定に弱いの詰め合わせみたいなキャラなのである。本編だけだとトンチキラッパーなのに……。
かく言う私も刺さったので生活をめちゃくちゃにされている。あまりにも好きでせっせと二次創作もしているのだが、ここで大問題が発生した。マジで困ってる。
先述したようにヤノは会話のほとんどがラップ調というキャラだ。
つまり、漫画を描くにせよ小説を書くにせよ、ヤノが喋るとその台詞をラップ調にしなければならない。
私が触れてきたヒップホップなんて片手で足りる程度しかない。瑛人はヒップホップは歌えないと言っていたが、私はヒップホップがわからないのだ。
はじめこそなんとなく語尾で母音を合わせてみればいいか、という軽い気持ちでやっていた。ただ、その場合最終的に出来上がったものを見て抱くのは「これ、吉幾三の『俺ら東京さ行くだ』じゃね?」という感想だった。(「〜〜ねぇ」で韻を踏んだつもりになっていた)
これは……え!? 私の好きなヤノは……こんなダサいリリック書くか……!?!?
とにかくそう思った。ダサ過ぎる。本編や書き下ろし小説のヤノはライム刻みまくりつつ語彙がクレバーなところが良いし、EPのヤノは本編にも増してリリックがヒップホップのそれになっているので(作詞がヤノ役のラッパーの人なのだ)洒落た韻を踏んだりする。
私が考えるものは当然だがどちらにもなりきれていない。
推しの……推しの台詞の解像度……上げてえ……!!
というわけで最近はヒップホップを聴きまくっている。今まで触れてこなかったジャンルの音楽で、音が面白いという印象だったが、きちんと歌詞にも注目するようになると「え!? 今めちゃくちゃおしゃれな韻、踏んでない!?」とかに気づくようになって面白い。
ついでにあまりにも韻を踏んだ台詞が書けないのでヒップホップの本も買って読んだ。結構ちゃんとこういう考え方でやるといい、みたいなことやこうするとかたくなりがちだけどこうすると逆に面白みになる、とかがきちんと書いてあってすご〜く助かってる。私はどちらかというと頭のかたい韻を踏んでいたんだな〜など、自分の書くものにあった「ダサさ」を紐解くきっかけになりそうだ。
しかし…………
いやなんで…………
なんで私はヒップホップの勉強をしているんだ……????
キャラの解像度を上げたいからなのだが、たまにこう思う。いやほんと、なんでだろうな……。
とにかく『オッドタクシー』、非常に面白いのでぜひ視聴してほしい。おすすめは一気見なので、休日はアマプラへかじりついてほしい。そのままプライムミュージックでヤノのEP聴けるしね。
今日は以上。
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