非常識に向かう常識

常識は守るだけのものではなく、非常識になる為に弁えるものです。

私の社会人としてのキャリアは、そう長くはありませんが、ほとんどを労務周りの世界に身を置いてきました。そして、一口に労務と言っても幅広いものですが、多くの場合、法律が密接に関わってきます。

例えば、会社に新しく社員が入社した際には、健康保険法や厚生年金保険法、雇用保険法に関する手続きが発生します。他にも、給与計算をする際には所得税法や労働保険徴収法が絡みます。あるいは、労務管理を適切に行うには、労基法などの知識は不可欠です。留意しなければならないポイントがともかく多岐に渡ることが、労務担当者の悩みの種です。

ところで、ここで大切なことがあります。それは、「原理主義に囚われてはならない」ということです。原理主義とは、原理原則を徹底する立場を指します。労務で言えば、先ほど挙げた法律や、社内のルールなどが原理原則にあたると考えて良いでしょう。法律を守る、ルールを遵守する。それも勿論大事ですが、それしかできない人は(極端な言い方をすれば)存在意義は小さいと言わざるを得ません。

一方で、大切なことがもう一つあります。それは、「原理原則は常に意識しなければならない」ということです。原理主義であってはならないが、臨機応変である為には、原理原則とは何か、が正確に把握できていなければなりません。原理原則のない臨機応変は、ただのカオスです。

結局、基本を身についているからこそ、応用が利くのです。常識を知っているからこそ、時には非常識になれるのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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