見出し画像

アウトソーサーとしての労務、企業人事としての労務

はじめまして。株式会社リブセンスのtkndと申します。
今回は労務 Advent Calendar2019の6日目として書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

このnoteについて

私は、現在社会人7年目の29歳ですが、これまでのキャリアは以下の通りです。
【2013年4月~2017年2月】人事アウトソーシングの会社でクライアント企業の労務業務を担当
【2017年3月~2019年9月】事業会社の企業人事として労務を担当
※今年10月からは所属が変わり、今は主に人事企画を担当しています。

社会人としてのほとんどの期間で労務に携わってきましたが、アウトソーサーの立場で労務をサービスとして提供するのと、企業人事の立場で自社の労務を担当するのとでは、業務への取り組み方ややりがいが全く違ったものでした。

そこで今回は、それぞれの立場でやってきたことや感じたことをシェアさせていただきます。
私の経験は奥深い労務の世界のあくまでほんの一部、一例でしかありませんが、労務に関わる方にとってキャリアを考える上でのちょっとした参考程度にでもなれば幸いです。

アウトソーサーとしての労務

私は人事アウトソーシングの会社に新卒で入社しました。その会社では、
・クライアント企業の採用活動を支援する部署
・クライアント企業の人事労務を支援する部署
・自社開発の人事システムを提供する部署(正確には子会社)
の大きく3つの部署があり、私は人事労務の部署に配属されました。

クライアント企業の従業員規模は大小様々で、それに合わせてこちらのチーム編成も、2,3名のチームで1社数百人の企業を数社担当するケースから、20名弱のチームで数千名規模の企業1社を担当ケースなど多様でした。
私は前者のパターンで、上司や先輩の力を借りながら、数百名規模の企業を3社ほど担当させていただきました。

その会社は勤怠管理やワークフローなどの機能もある人事システムを自社開発して提供していたり、提携の社労士事務所と連携して各種手続きもワンストップで対応したりしている会社でした。
その為、クライアント企業の窓口(人事担当者や現場の従業員の方と直接やり取り)から給与計算などのオペレーション、給与計算ソフトや自社開発システムの設定、運用に至るまで、労務のオペレーション周りの業務は幅広く経験することができました。

■アウトソーサーとしての労務のやりがい・面白さ
上記のような仕事を数年間行った中で、私が感じた「アウトソーサーとしての労務のやりがい、面白さ」は以下の通りです。

①人事の業務をサービスとして提供して直接利益を生み出せる

→この会社には前職が企業人事だったという中途入社の方も多くいましたが、「間接部門としてコスト扱いをされるのが嫌だった」といった声を時折聞きました。一方、アウトソーサーであれば人事の業務で売り上げを生み出すことができるので、「好きな仕事で直接利益貢献できること」にやりがいを感じている人が多くいました。

②多種多様な企業を知ることができる

→企業人事だと基本的には自社の業務しか触ることができませんが、アウトソーサーは業種も従業員規模も多様なクライアントに関わることができるので、一社に閉じない経験を積むことができます。

③周囲に相談できる人が多数いる

→企業や組織体制によっても勿論変わりますが、企業人事(特に数百人規模の中小企業やベンチャー企業など)だとその業務を担当しているのが自分しかいないという状況はよくあるのではないでしょうか?
一方でアウトソーサーであれば、クライアントが違えば会社ごとの運用ルールの違いはありつつも、周囲に相談できる人(かつ自分より経験や知識のある人)が多くいる環境です。

企業人事としての労務

新卒で入社したアウトソーシング会社に4年弱勤めたあと、今在籍しているリブセンスに転職しました。

転職理由は色々あるのですが、「アウトソーサーだとできることに限界がある」と感じたことが大きなポイントの一つでした。もう少し細かく見ていくと以下のようなことを感じていました。

・「ここを改善したい」とか「こんなことにチャレンジしてみたい」とか思っても、自社が提供しているサービスの範囲内でしか基本的には対応できない。

・アウトソーシングで請け負っている業務はあくまで労務の全体の一部で、自分たちの業務の前後にクライアント側でどんなことが起こっているのか見えない部分がある。(企業人事を経験したことがない私は特にそれが気になりました)

その為、「企業人事として業務プロセスの設計、効率化などの上流から関わってみたい」、「労務業務の全体像が知りたい」という想いを実現する為に転職しました。

リブセンスでこれまで経験した労務業務をざっくりと列挙すると以下の通りです。
給与計算、賞与計算、住民税年度更新、年末調整、各種社会保険手続き、衛生委員会運営、体調不良者・休職者対応、従業員問い合わせ対応、労使委員会運営、就業規則制定・改訂、勤怠管理システム運用、労務システム導入、障がい者雇用・納付金対応etc

業務の一部は外部の社労士事務所にアウトソーシングしているので全てをカバーしている訳ではありませんが、一通りの経験は積むことができたと感じています。

■企業人事としての労務のやりがい・面白さ
実際に経験してみて、企業人事での労務はアウトソーサーとは違ったやりがいや面白さがあることに気づきました。

①従業員の顔が見える

→アウトソーサーとしてクライアント企業の人事担当者とミーティング等で顔を合わせることはあっても、従業員と直接顔を合わせる機会はほとんどありませんでした。それが企業人事であれば、日々従業員と直接接する場面が多く、「この人たちの為に頑張りたい!」という想いがモチベーションになります。縁の下の力持ち的な存在として、時折従業員から直接感謝の言葉をかけられた時は内心飛び上がりそうなくらい嬉しかったりします。

②上流から携わることができる

→新しい制度の検討や、既存業務の効率化などを最初の企画段階から携われる(というより自分から声を上げないと誰もやってくれない)ので、思考の幅という面では広くなったと感じています。

まとめ

ここまで、アウトソーサーと企業人事それぞれの労務のやりがいや面白さを述べてきましたが、結論としてどちらが良いかは人それぞれです。
私自身は暫くは今の会社で企業人事としてのキャリアを積んでいきたいと考えていますが、数年後には「企業人事無理!!アウトソーサー最高!!」となっているかもしれません(笑)

いずれにせよ、「色んな選択肢があるということを知ること」、そして「自分が今いる場所は過去の選択の積み重ねであり、自分自身の選択に対して常に自覚的であること」はとても重要だなと思います。
そういった点で、このnoteを読んでくださった方に少しでもお渡しできるものがあれば、とても嬉しいです。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?