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a littleとlittle

起こった物事そのものにどんな意味があるかよりも、それを自分の中でどう捉え、解釈するかの方が重要、という話です。

中学3年生の時、卒業も間近になったある日、学年全員(240人くらい)が一つの教室(通常の授業では利用しない大きな教室)に集められました。
その学年を担当する先生6人それぞれから、学生に対してメッセージを送ってくれたのですが、2人だけ記憶に残っています。

1人は数学の先生で、「皆さんにどうしても伝えたいことがあります、、、」と神妙な面持ちで言うので、「どんな重大な話が、、、」と構えていたところ、チョークを手に取り黒板に向かって数式を書き、補講を始めました。
まさかこのタイミングで、と一同爆笑(一部は苦笑)でした。内容は全く覚えていませんが。

もう1人が英語の先生で、「皆さんに、a littleとlittleの違いについてお話しします」と話し始めました。
a littleとlittle。どちらも、モノの量の程度を表す表現ですが、たった一音のaがあるかないかだけで、意味が全く逆になります。
a littleは「少しだけ(ある)」、littleは「ほとんど(ない)」を表します。
例えば、「There is a little water in the glass」は「コップに少し水が入っている」という意味です。一方で、「There is little water in the glass」だと「コップにはほとんど水が入っていない」となります。

ここで大事なポイントは、どちらもコップに入っている水は同じであることです。
つまり、目の前の同じできごとに対して、a littleはよりポジティブに、littleはよりネガティブに捉えている、と言えます。
どちらも言っていることは合っていますが、全く違ったように感じられるのは、私だけではないと思います。

当時は「ふーん」くらいに聞いていましたが、改めて思い返すと「なるほど」と頷かされる思い出です。
そして、一つ一つの出来事は、それをポジティブ、ネガティブどちらに解釈してもそう大して変わらないかもしれませんが、その繰り返し(「a」を積み重ねるかどうか)によって、長い目で見ると大きな差が生まれそうな気がします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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