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【古民家庭づくり_雨庭プロジェクトvol.2】〜焼き杭でつくるウッドデッキ編〜

*土地を傷めない庭づくりの備忘録


🌱プロジェクトの背景

3年前に購入した自宅は、築100年以上の養蚕農家の古民家です。前住人の方はご高齢で別の場所に住まわれて約10年ほど空き家状態でした。

お庭も背丈をこえるが草がボーボーです。草刈り機で開拓するところから始まったお庭づくり。果樹のなる木や既存木も立派で、大切にしていきたいなと思った植物たち。土地を傷めない形でお庭づくりを実践するため、前職の造園会社の同僚を講師にワークショップ形式でガーデンデザインの専門学校の友人たちを中心に手伝ってもらいながらやろう!と思いました。

プロジェクトへの想いなどは、vol.1の記事に書き留めています。
↓↓

🌱[第ニ回WS]実施したこと

第一回目では、庭の全体の車路と坪庭を綺麗にして、ひとまずの土台を整えることをするができました。

第二回目でやりたかったことは、

土地を傷めない方法での、縁側のウッドデッキづくりです。

洗濯物を干すにも足場がなくて、いつも背伸びをして手を伸ばさないと、物干し竿に届きにくい状態でした。
日当たりもいいので、少し外に出れて日向ぼっこする空間、こどもが気軽に外に出れる空間が欲しいと思い、自分たちで一からつくる形でワークショップにしました。

造園やエクステリアを学んだ専門学校時代の仲間たちの中にも、プランナー・設計士としてデッキ図面は描いても、自らデッキをつくることはしたことがない人が多かったので、自分も含め、仕事にも活かせる経験になって一石二鳥!

ウッドデッキは、友人のお知り合いのお家で不要になったものを解体し、デッキ板をそのまま再利用する形としました。今回も極力、既存物を利用し、ゴミを少なくする方法で実施しました。

日時:2022年7月9日・10日
<1日目>
ウッドデッキの基礎づくり

<2日目>
ウッドデッキ仕上げ
駐車場整備

<使用した材料>
焼杭、大引き、根太、デッキ板(リサイクル)
竹炭、くん炭、栗石、瓦、レンガチップ、ウッドチップ、砕石、しがら枝など

<講師・指導>
いしい造園:石井さん
大工:丸さん

◾️1日目

今回もいしい造園さんに講師をお願いし、一緒に仕事をされている大工の丸さんにも来ていただきました。

初めて参加するメンバーでの自己紹介や、この土地やプロジェクトの想いなどをお話したあとは早速ウッドデッキづくりを開始です。

まずは、デッキを立てる場所の整地から。

ウッドデッキができる前の縁側
既存木を掘って移植
草とりをして整地から
鋤簾で平らにしていきます

整地後は、デッキの基礎となる焼き杭を打っていきます。
通常は束石を据えて、束柱で組み立てていきますが、大切にしたい「雨庭」がテーマということもあり、焼き杭を打つことで、土中の水脈が動くような造作として施工していきます。

環境資材としての焼き杭

杭を焼くことによって、防虫・防腐効果もあるといわれますが、主でやりたいことは、杭を打つことによって雨水の浸透をより土中深くまで誘導することです。土中の水と空気を動かし、停滞しない造作を促します。
また、炭化させることで微生物たちの住処ともなり、時間を経ていくと菌糸がびっしりと杭にまとい、しっかりとした支えとなって安定していきます。

今回はすでに用意してくださった焼き杭を使用していますが、木杭を焼いて自分で作ることも可能です。
ドラム缶を半分に切って、その上で焼き鳥みたいにくるくる回しながら焼いて、簡単にできるかつ、炭化具合を調整したり結構楽しいです。

この焼き杭を基礎として打って、打って、打ちまくります!

これだけの焼き杭を地面に打ちます
かけやを持つことも中々ない機会
プロは振り下ろし方も勢いが違う
私も打ちまくる
かけやだけでなく、タコという道具も使ってみたり。女性ひとりで持ち上げるには一苦労な代物。

全員で30本以上の杭を打ちました。かけやも蛸も重いので、杭をめがけて振り下ろすのも初めてだと中々難しいです。杭を押さえている人の頭を打ったり、手を打ったりしないよう扱いは要注意です!安全第一。

杭を打ち終えた後は、高さを揃えるためにノコギリで切っていきます。
水平にするための繊細で大事な作業。大工の丸さんが数センチ余裕を設けたところに印をつけてくれているものの、ノコギリで水平に切るのはだいぶ難しい作業でした。
切りすぎた!!もDIYならではなのであまり気にせず(笑)、黙々とカットしていきます。

杭の高さを揃えていく作業。結構神経を使います。
水平器でチェック中
圧巻、等間隔に並だ杭が綺麗。

◾️2日目_ウッドデッキづくり仕上げ&駐車場整備

2日目はいよいよデッキの仕上げです。

断面をバーナーで焼いていく作業
根太を固定。

今回の肝はリサイクルのデッキ板を使用するということ。
元のデッキを再現するわけではないため、自宅用にリサイズしながら板の枚数やビス跡の位置を綺麗に揃えて再配置。この計算を丸さん、石井さんがしてくれてプロってほんとすごいです。

位置決めだけ最終調整いただきあとは、最後は全員でインパクを打ちまくる作業。これだけの人数で仕上げれば本当にあっという間でした。

はみ出た板を丸のこで切り落とし、断面を焼いて完成です。
自分たちの手でウッドデッキがつくれる楽しさと、焼き杭が地面に刺さっている横からの見た目も素敵でとても気に入っています。なかなか珍しいウッドデッキでは?

完成した姿

駐車場整備

デッキ板の位置調整を丸さんがしてくださっている間に、同時並行で玄関前の駐車場を整える造作も今回おこないました。

方法としては第一回目のWSと同じく、横溝・縦穴を開けながら水と空気の流れを作り、滞らないような手を加えました。
車路同様、玄関前も土が剥き出しで、雨が降るとすぐ水たまりができるような状態でした。

地形に合わせた横溝ほり。栗石・藁・炭・くんたんなどを混ぜる。
瓦チップ、ウッドチップ、砕石を撒いて整え、完成。

◾️WS後

ウッドデッキができて、我が家の暮らしの快適度がぐんっと上がりました。
息子もよくこのデッキで遊んでいます。
デッキができたことで、この周りに木陰になる樹木が欲しいね、とか足場になる沓脱石が欲しいね、などまたやりたいことが増えていくのがワクワクしてとても楽しいです。

一気に施工を任せて委ねるのではなく、欲しい、つくりたいと思ったところから自ら少しずつ手を加えていく。労力や金銭的なことも関わってくるので自分たちに無理のない範囲で、少しずつ形にしていく作業は心地よく、持続的だなと思います。今回もみんなの力を借りて最高な仕上がりになりました!引き続き風景づくりを楽しんでいきます!

早速、みんなの休憩場所🌿

最後まで読んでいただきありがとうございました。

いつもありがとうございます!スキもメッセージもシェアも全部嬉しいです。なかなか発信下手ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします😁