2019年に紹介したら反響の大きかった本ベスト5
2019年、僕は夏ごろからツイッターをゆるゆると始めました。気づくと、始めたころは300フォロワーだったのが、年末には10,000フォロワーまで増えていました。たくさんの人に自分のツイートを読んでもらえるようになりました。(1万に届いてから遊びだしたりしたら伸びなくなりましたが…)
そうした日々のツイートの中で、自分が参考になった本を紹介することがあります。2019年に紹介した本で反響の大きかったものをランキング形式で再度ご紹介します。
1位 超・箇条書き
これはとても反響が大きかった本でした。こちらの著者である杉野さんは、カーニー時代の僕にとって恩師であります。とにかくめちゃくちゃ教えるのがうまい。そして、当時その下で鍛えてもらって、かなり自分が成長した実感がありました。この本もその時に教わったことのエッセンスがぎゅっと詰まっていて、とても参考になりました。
内容は基礎的なことです。Amazonのレビューでも偉そうなことを書いている人はいます。ただ、こうして分かっているつもりの人は多くても、これができている人はほとんど見ません。また、この本は分かりやすい言葉でさらっと読めるような文章で進みます。難しいことを凄くシンプルに咀嚼して、実践しやすいように書かれています。価値がある本だと思っています。
コンサルが大好きな構造化力のトレーニングにもなるので、若手ビジネスパーソンには自信をもって勧めます。実はJAFCOの投資担当者にも紹介したら、内定者に贈る本にしたと言われました。
杉野さんはほかにも会議のやり方の本など、実践しやすい系の本をけっこう書いているのですが、これが一番好きです。
2位 外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
これも同じくテクニックを学べる本です。山口さんは、ボストンコンサルティンググループとA.T.カーニーにいた方ですが、まさにそこで経験したことをぎゅっと詰め込んだ本になっています。カーニーの社内でも「新人研修、これでいいじゃん」と普通に言われているレベルでした。
1スライド1メッセージ。できてますか?僕はカーニー時代から、慶應ビジネススクール(KBS)で授業のアドバイザーとして参加させてもらっているのですが、すごく優秀なKBSの生徒でさえ、ぐちゃぐちゃなスライドを持ってきます。そう簡単じゃないようです。学生やビジネスパーソンで、パワーポイントなどでスライドをつくる機会の多い人は参考にして損はないです。
3位 楽天IR戦記「株を買ってもらえる会社」のつくり方
市川さんのIRとしての経験談を語った本です。IR担当の本というのはなかなか珍しくって、その界隈では話題になりました。また、楽天はセルサイド・アナリストを2人、出禁にしたことがあったので「武闘派」のイメージがあります。実際、この本の中でも「理解してもらえなくて悲しかった…」(で、出禁にした)という話が出てきます。IRという仕事を知っている人、興味がある人には面白いと思います。ただ、一般受けするテーマではないでしょう…。
実は僕自身はGS時代に一時期ネットセクターを担当していたので、そのころにこの市川さんに四半期ごとに取材をしていました。裏側ではこんなことが起こっているのだなぁと思いながら、本を読みました。
4位 イシューからはじめよ
コンサルを目指す人には必ず読むことを推奨しています。弊社WACULでも推薦図書として、読むことが求められる本になっています。会社で貸し出されます。
模索をするときに本当に“暗中”模索をするのかそうでないのかは大きな違いがあります。進むべき方向に向かう中での模索はよいのですが、暗中模索は避けないといけません。だから常にイシューを起点に、仮説を立てて思考をするんです。
コンサル時代にも「あれに書いてあることがコンサルタントがすべきことのすべてだから」と先輩に言われ、ほーんと思ったのですが、当時はよく分かりませんでした。ただ、プロジェクトを通じて、あぁこういうことなのかと分かっていった気がします。
5位 日本企業初のCFOが振り返るソニー財務戦略史
こちらは自分がCFOとして仕事をする上で、先人から学ぼうとの思いで手に取った本です。ソニーの様々な危機を乗り越える姿や、会計・法務などを中心に、企業経営をどう支えていったのかが克明に語られていて、とても面白かったです。でも、正直「財務戦略」というテーマ自体、読む人は選ぶと思います。
為替ヘッジの話などは、僕のアナリスト時代、各社のヘッジ方針などが全然違って、決算への影響度について、注意深く取り扱っていたテーマだったので、とても興味深かったです。
メモがわりに #ソニー財務戦略史 とハッシュタグつけてツイートをしまくっていて、フォロワー数減りました…(笑)
それ以下でもピックしたい3冊
おしくも6位…『投資家のための金融マーケット予測ハンドブック』。これは辞書的な使い方をする本だと思っていますが、「こういう指標があるので、こういう見方をする」というのをざっと学べるので、学生や投資を始めたばかりの人にはオススメです。景気循環の見方、日本はもちろん各国経済指標の見方など、様々な指標についての解説が載っています。
今年の3月にちょうど第7版が出ていました!僕のはもう古くなってきている…買い換えようかな。。
『シュードック』もオススメしたい本です。特に社会人としてのキャリアや人生に悩んでいるときなど、これを読むと「心が燃えるような仕事がしたい」そう思えるでしょう。僕はちょうどこれを読んでいるときに、GS時代の先輩からスタートアップに誘われて、30代前半の今なら全然チャレンジできるなぁ、転職しようかなぁと、本気で考えだしました。
最後に『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』。これも弊社WACULの推薦図書です。部下を持つようになる人間には必ず読むようにさせています。
マネージャーの成果について、「マネジャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」ということを端的に書いています。そしてマネージャーがやるべき行動は「情報収集、情報共有、意思決定、ナッジング、模範になる」としています。ナッジングは「突っつきとか一押し」という意味ですが、まずは言葉が社内に浸透しました。そして、それらを実現するために、どんなに時間がかかっても1on1を大切にしています。そして常に1on1をブラッシュアップできないかを探っています。
あなたにとって最適かは分からないけれど、本を読むことに損はない
それぞれの本は、それぞれの意味があるので、今のあなたのフェーズや知識、ポジションに最適化は分かりません。だから、誰にでもオススメできるようなものではないかもしれません。あくまで僕が読んだ本の中でオススメできるものをツイートし、そして多くの人が反応したものをピックしているので、比較的色々な人に合いやすいものかもしれません(最後の段落は完全に僕の趣味ですが…)。
ぜひ本屋に寄ってみて、立ち読みしてみて、よさそうだったら買ってしっかり読んでみてください。