つばめのブックバーに参加して〜勉強の哲学/千葉雅也〜
教員の道から外れてからというもの、めっきり読む本は塗料、塗装、ものづくりの類しか読まなくなってしまった。
本というか勉強である。
それはそれで非常に楽しく、おもしろい仕事に就けたなあと満足ではある。
今ふりかえると、院生の時は本当に幸せな期間だった。
本を読んで、それぞれ異なる興味と視点を持つ院生が周りにいて、さらに専門家たちがとても近くにいて。
何かあの時のような時間を過ごせる場はないのか!
自分で設けなきゃないのか!
設けたとしても、そもそもそういった事に興味のある人はいるのか!
と思い悩んでいたところ、たまたまこの会が催される事を知って参加してきました。
これこれ。
住まいからは近いけど職場からは少し遠いので、定時過ぎにそそくさと上がらせてもらい、車を走らせて到着。
場所はツバメコーヒーさん。
以前お邪魔した際に本棚には私の好みの本たちが並んでいてブチ上がった。
↑その時の様子
妻は全く興味無い様子でしたが、1人で勝手に話しながら狂喜してる、もはやキマッてたであろう私を見て、「今までで1番楽しそうにしてるじゃねえか」と思ったそうな。
そんな場所での開催という事で期待と不安を抱えながら参加した訳ですが…
まずは内容というよりは、会の感想から。
1.内輪ノリ感
まず内輪の感じがすげぇ!
友人or顔見知りorなんかしらの繋がりの集まりみたいなグルーヴがひしひしと。
こういった地元ベースの活動に参加されてきているのでしょう。
そこに入れてないのかなっていう感じなのは、私とご婦人3人組の参加者(個人の感想)。
ホスト役の方が2〜30分ほど遅刻されたのは、まあ仕方なく無いけど仕方ないとして、そのあたりから、主催の方や知り合いの方とのマイクを通した会話などなどメリハリのない会になっとるなあと率直に思いました。
Aくんに誘われて遊び行ったら、自分と面識のないAくんの友人達が多数いて、特に混ざれる感じもなく遊びが進められていく感覚というか。
(分かりづらいっすね)
2.会の趣旨が結局よくわからない
終わってみて思ったのが、会の趣旨がようわからん。
参加型なのか、講義型なのか、どうしていいのか、、、
ホスト役とパネリスト数人みたいな感じにはなってたんだけど、いかんせんようわからん!で終わってしまい。
テーマ本は読んでこなくてもいいって事だったのですが、読んできてなかった人には今回の話はちんぷんかんぷんだったんじゃないかなと。
さらに今回は哲学なので、言葉の定義とか解説を明確に行えるなら読んでこなくても話わかるかなとは思ったけど、それでも酷だなと。
自分も院の時に経験しましたが、哲学とかは読み解いて理解した!と思っても説明し始めると全く上手く伝えられずに、本の文そのままで解説して、結果ふわっふわしたホスト役で終わるってのありがち。
ホスト役の方は、テーマ本は自分の興味の範疇ではなかったとの事でしたが、なかなか苦戦されていたように思いましたし、読んできてない方には余計に理解出来ずに終えてしまったんではないかなと。
なので内輪ノリのところにもかかってくるのかなと思いますが、会の運営方法や、対象、目指すカタチなんかをもっと明確にする必要は非常にあるように感じました。
↑会場の様子
前談が長くなりましたが、内容について。
テーマ本「勉強の哲学〜来るべきバカのために〜/千葉雅也」
千葉雅也さんの本はこれが多分始めてかな?と思います。
読んでみた感想は、あーわかるわかる!、です。
「勉強とは獲得ではなく自己破壊である」
「今までのノリを喪失する」
的な事が前談であったかと記憶していますが、大学→大学院→教員→会社員と自分のキャリアアンカーをもとに選択してきた身としては自己破壊や喪失っていう感覚は、人生の分岐を選んだ際に常に感じ得ていたので非常に納得な内容でした。
ただ哲学とか原理を読み解こうとする時に、初めから自分の経験や体験など身近な事に当てはめて考えると、理解しやすいけど大事な観点やらを取りこぼして誤った理解に繋がりそうなので、自分の中ではNGにしているのですが(これが良いのかもわかりませんが)、いきなり「コレわかるわー」的な気になって読み進めていったので、正しく理解は出来ていないでしょう。
自分の中のベストは、なるべく俯瞰で見て単語のひとつひとつをしっかり理解して読み解き、全て読み終わってその内容を正確に読み解けたであろう時に、ようやく自分と照らし合わせる形を取りたいと思っていますが、なかなかこれが難しくてね。
会の中でツバメコーヒーの店主さんや、哲学の先生が話されていた事などで、面白い考えやハッとさせられたり、同意!と感じる事も多かったです。
それだけに会のカタチがより整備されていたらなあーと思わずにはいられませんでした。
皆で本の内容のこの部分について考えるとか、読んだ感想を話していく中で展開していくとか、そもそも読んできていない人にも本当にわかるのか…などなど、会の中頃〜終盤にかけて、こうだったらいいのにって事だけが頭の中を駆け巡っていました。
そもそも会のもともとの狙いを達成するにはこの本というか哲学を取り上げるのは結構しんどいのかもしれないな。
今後の予定には読了済の暇と退屈の倫理学や、読みたかったマチネの終わりになどあるので参加したい気持ちはあります。
こういった場は貴重だしね。
ただ、ノリに慣れるまでの耐久力が自分にあるかと、会そのもののカタチがどうなっていくのか。
ノリに関しては待ってないで、自分から自己開示して進んで行けよって話ですが。
ただ、地方にもこういう気概を持った人たちがいて、そういう場があるっていうのを知れて嬉しかったです。
また参加なり、ツバメコーヒーさんにお邪魔するなりして交流していきたいと思った夜でした。
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