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2.東京ちひろ美術館 内藤廣

1.牧野富太郎記念館(東京)
2.東京ちひろ美術館(東京)                                                  3.内藤廣の建築の解釈                                                             (牧野富太郎記念館、東京ちひろ美術館、フォレストイン益子)

11/5に練馬区の牧野富太郎記念館と東京ちひろ美術館を訪問。まずは、東京ちひろ美術館について内藤廣の著書「形態デザイン講義」の「技術の翻訳」「場所の翻訳」「時間の翻訳」の観点から解釈。

技術の翻訳-外装と用途
場所の翻訳-敷地とスケール
時間の翻訳-1回の空間体験という時間の流れ方


技術の翻訳
・SUSの外装は、ふっ素塗装となっており、牧野富太郎庭園美術館やフォレスト益子と比較して、色褪せていないので竣工後20年経過するが経年変化を感じさせない作りとなっている。これは、ちひろ美術館という子供の絵本作家の美術館という特徴から人間の肌や自然物の様に経年劣化がわかる印象よりも常にそこに新鮮さがあることを強調したかったことによると思われる。その手段としてSUS+ふっ素で特徴的なレンガ色の外装をつくり可能な限りの新鮮さを表現したかったと思われる。
場所の翻訳
・場所は、牧野富太郎記念館やフォレスト益子と比較すると特別な場所でなくごく一般的な住宅地の中にある。これに呼応させるため、巨大なスケールの建物でなく建物を分節することで、周辺地域との関係を作っている。
時間の翻訳
・牧野やフォレスト益子の様に外装の経年劣化による時間を感じさせるという印象はない。むしろこの建物では、通路的空間と天井の高低差や平面的複雑さ、構造的な複雑さによる操作でシークエンスを生み、1回の空間体験としての時間を作っていると思われる。
・これは、「一生の内で非常に短い期間しかない子供である時間」を表現していると思われる。つまり、この建物の経験は、短くそして多様性に富んだ時間体験を生んでいる。
・またそれが消費的経験にならない理由は、建物の用途で美術館という収蔵庫であることによる落ち着きをつくっており、多様で奔放な空間と収蔵庫という側面が丁度良いバランスで建物を成り立たせている。

色あせていない外装と分節されたスケール
歩くことで流れる時間と豊かなシークエンスと材料

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フォレストイン益子 内藤廣|tkm1982 (note.com)
1.牧野富太郎記念館(東京都)内藤廣|tkm1982 (note.com)
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