【読書記録】新規事業の実践論

月3冊くらいは、本を読んでいきたいなーと思うので。
せっかく読むならレビューでも。

今回はこちら

新規事業の実践論 (NewsPicksパブリッシング)
麻生要一 著

こんな人におすすめ
新規事業の担当だけでなく、サービスの設計をする方。既存事業内でも新たな取り組みをされる時に、活かせる知見が記載されています。

読了後身に付く知識
事業やサービスのグロースまでの道筋と、その時期ごとにやるべきこととやってはいけないこと(や考え方)。


概要
リクルート出身で1,500件もの新規事業に携わった著者が、創業チームの組み方から立ち上げの6ステップなど、新規事業の立ち上げにおけるポイントを網羅されています。
ステップごとに具体的な実践方法で書かれています。個人的に、担当事業で行っていたことがどこに活きたのか、どこが足りなかった、こういう順番で行うべきだったなどをイメージしながら読み進めました。
今の事業に当てはめてイメージできるくらい具体で書かれているので、読みやすいかと思います。


以下、要約
チームの組み方
大事な構成要素(下記を加味すると、2~3人がベター)
・コミュニケーションスピード(人間関係を端的にし、スピードを早める)
・チームレジリエンス(困難の直面から回復する精神力)
・マンパワー
チーム内での役割その事業のうち、外部に委託できない役割を担えるメンバーをチーム内で設定する。

創業チームに必要な3つの力
・Network 異分野をつなぐ構築力
・Execution あらゆる業務を圧倒的に実行しやりきる力
・Knowledge 深く広い教養と知識6つのステージ

WILL(意志)
:朧げでも取り組みたい顧客課題を見つけ、そこへのWILLの形成を目指す
WILL(意志)の形成は、後天的にも可能
WILLの定義は、誰の、どんな課題を、なぜあなたが、解決するか。
取り組む領域の明確さと、使命感・圧倒的当事者意識がはっきりすることにより、強い意志が生まれ、原体験化する。
原体験化につながる行動
・実際に現場に足を運び、肩書きや経験を捨て1人の人間として現場の当事者と会話すること。
・本場を訪れ、刺激を受けること。
・この経験を誰かに話し、小さな約束をすること。

新規事業のSTEP
1.ENTRY期:魅力的で検証可能な事業仮説の提示を目指す
事業仮説の構築:顧客は誰、課題は何、解決方法は何で、どう検証するか実現できるソリューションかではなく、確実にその課題を解決できるソリューションは何かで考えるとにかく顧客起点であること。
既存事業での正しい仕事の進め方が、新規事業開発の立ち上げ期ではやってはいけないことになりうる。
ENTRY〜MVP期は、仮説を顧客に持っていき、修正するのサイクルを回し続ける。経験から言うと、300回。

2.MVP期:事業性を伴った魅力的な事業計画の提示を目指す
事業仮説の検証:課題を持った顧客を実際に見つけ、仮説の検証をする。仮説を押し付けすぎず事実のみをヒアリングする。
事業計画の成立:売り方と値付け、コスト見積もり、時間軸を入れシミュレーションし将来的に利益が生まれるかの計算を成り立たせる。

3.SEED期:商用レベルでの事業の成立、グロースドライバーの発見を目指す,
実際に商売として成り立たせる。
リリース直後はLTV >CACを目指し、マーケティングではなくLTVにのみ目を向ける。
グロースドライバー(顧客拡大の方法)を発見する。

4.ALPHA期:実際にビジネスが最初のグロースを実現することを目指す
グロースの実現

5.BETA期:経営会議で討論できる最小限の規模に到達し、かつ成長状態であることを目指す成長率を落とさず、既存事業と比較が可能な最小規模まで到達する

6.EXIT期:新規事業の枠組みを卒業し、成長投資を獲得。企業戦略の一部に組み込まれることを目指す。
既存事業を凌駕する規模への投資戦略社内での位置付け、IR方針の策定

Company(卒業):既存事業と呼ばれる段階

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?