猿若祭二月大歌舞伎

野崎村でのお光を鶴松が好演。深みや伝統という印象ではないが、十分に好演と言える内容。

籠釣瓶花街酔醒。歌舞伎を見慣れぬ客が多かったせいか、変なところで笑いがある。この後、次郎左衛門が八ツ橋を殺すことを知っている身としては、一見可笑しみとして見える振る舞いの裏が見えて苦しささえ感じる。
男にとっての世間、恥と、女にとっての恋。それぞれを理解できないことによる悲劇。

義経千本桜・すしや。
すしやは何回も見ているわけだが、いがみの権太が無駄死か否かについて、さまざま考えていた。

今回。いがみの権太の振る舞いがあったからこそ、梶原が維盛を殺さずに済んだと考えれば、権太は無駄死にではなかったわけだ。

梶原としては頼朝からの指示を実現することに苦慮し、維盛を殺しても仕方ないと考えていたはず。
そこに、権太の振る舞いは渡りに船。

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