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四月大歌舞伎千秋楽夜の部

歌六丈も米吉丈も夜の部には出演していないので、自力でチケットを確保。
結果として千秋楽になった。

三階の脇、しかも西なので、花道は全く見えず、舞台下手4分の1ぐらいは見えないが、もともとわかっていることなので、特にストレスもない。

三階正面席の狭い椅子の真ん中に座るよりは、余程よしとの心持ち。
まあ、幕見で、於染久松色読販 土手のお六・鬼門の喜兵衛の幕だけを見るという手もあるが売り切れの不安もあるので、これも、今回の選択で納得。

結果、二幕目、三幕目の所作事が、相当に素敵で、いわば大正解だったとも言えるんじゃないか。

於染久松色読販 土手のお六・鬼門の喜兵衛は、現在、最も円熟し、必ず見るべしである、仁左衛門・玉三郎のコンビ。
今日も、蕩けるように堪能する。ちょっとした所作に二人とも色気が充溢して、たまらん、というところ。
二人の年齢を考えれば、歌舞伎の凄さを意識させられる。

二幕目の神田祭も仁左衛門・玉三郎。夜の部は普段の公演に比べれば短時間だったが、内容的には大サービスなんじゃないか。
神田という地域の持つ、粋やキップの良さが満喫できる。

三幕目は初の鑑賞になる、九條武子 作の四季。
仁左衛門・玉三郎の後で気が抜けるのではと思ったが、どうしてどうして。幹部連中や花形も次々出演し、名代や名代下たちも立ち回りで活躍して拍手を受けていた。

なかでは中村男寅の涼しい美しさが目についた。ちょっと気になる役者になった。
もちろん雀右衛門の秋・砧での踊りは、真に入って注目だし、児太郎は体格や顔の作りは女型としてはどうかと思うが、動きで十分に「舞妓らしさ」を作っている。

四季では、夏の大文字が地域を背景にしている。神田を含め、既に投稿した昼の部の夏祭浪花鑑の「こってり」とは違う土地の空気感。

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