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浮世絵の別嬪さん@大倉集古館

大倉集古館で開催されている「特別展「浮世絵の別嬪(べっぴん)さん―歌麿、北斎が描いた春画とともに」を鑑賞

肉筆浮世絵の秀品が揃っていた。
時期的に並べることで「美人」視の変遷も見えてくる。

岩佐又兵衛、菱川師宣という口開けから始まり、懐月堂安度、宮川長春。安渡がもとは絵馬屋だったというのはとても納得する。

鳥居清春、勝川春章、窪俊満を経て、鳥文斎栄之と喜多川歌麿に至り、葛飾北斎、歌川広重、さらに渓斎英泉、歌川国芳、月岡芳年とくれば、浮世絵ファンには垂涎だろう。

今回注目されている肉筆画が、当初、版画の色数が限られていたことに対し、さまざまな色で描けるという優位性を持ち、また、錦絵の登場により、美人画への注目が高まり、錦絵と差別化した、富裕層による肉筆画への嗜好が高じたという説明はよく納得できた。

さらに、今回の展覧会のトピックは春画。国貞の金瓶梅、歌麿の歌満くら、栄之の源氏物語春画巻、北斎の波千鳥と、美しい色彩やさまざまな交わりの名品が揃って展観されているのは白眉だった

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