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現在進行形の音

最近、ライブハウスに足を運ぶ機会が極端に少なくなった。
別に音楽が嫌いになったとか、バンドを辞めたとかそういう話ではない。

3月に生まれた息子は今月で生後8ヶ月目を迎えた。まだまだ目が離せないし、いつだって息子のことが頭をよぎる。物事における優先度が変わったのだ。

メンツが良さそうなライブの告知を目にしても、どことなく終演時間を気にしてしまったりとか、なかなか手が伸びにくくなってしまっているのかもしれない。ちなみに今月末は久々に下北沢ERAにライブを見に行くのだが、トリのバンドが目当てなので、それこそ意を決する思いでチケットを取った。
(Soul Blindの来日公演は流石に見ないと後悔しそうだった)

話は少し飛んで、ここ数週間の話を2つ程。
1つはふと思い立って、あまり弾けていなかった2本のFender Jazzmasterをアストロノーツギターズに持ち込んで隅から隅まで調整してもらったこと。
恥ずかしながら結構酷い状態ではあったのだけど「ネック反ったまま埃かぶっている場合じゃないんだよ」という気持ちで部屋から引っ張り出した。

何が自分を突き動かしたのかは覚えていないが、無性に音を鳴らしたい気持ちに急に駆られたのは覚えている。あんな音を鳴らしたい、こういう表現をしてみたいとかイメージが広がりつつある。おかげでエフェクターや音に対する熱も再燃し始めた。

それこそ、止まっていた時間が動き始めたというか、ようやくエンジンがかかってきた感じ。いつでも戦えるように刀を研ぎ続けていこう。そんな気持ちでもあった。

もう1つは先日、たまたまSNSを眺めていたらシバノソウのライブ映像公開のポストを目にしたこと。面識こそないがTTUDの本名さんとkurayamisaka/せだいのうんにょんさんが爆音でギターを掻きむしる様を観て、ここ最近ずっと自分が抱えていたモヤモヤに真っ向から突き刺さってくるような感覚があった。素面の自分にブッ刺さるとは思わなかった。本当に不思議だ。

画面の向こうにいる友人であったり、見知らぬ誰かが鳴らしている音。
全てが2023年の今、この瞬間に鳴り続けている音なんだなと。
ごく当たり前の話なのだけど、妙にリアリティが増したというか自分にとって違った意味を持つようになった。

自分のバンド、縁あって手伝っているバンド。それぞれが共に現在進行形の音を鳴らし続けている。間違いなく2023年の今、この瞬間に鳴っている音。
自分は生きている限りはこの先も音を鳴らし続けたいと思っているし、そのために今を大切に行きたいなとも思う。

別に何かが止まっているわけでもなんでもなくて、単に自分が環境の変化に揉まれてモヤモヤを抱えていただけだった。全ては自分の気持ちの持ちようであったり、行動に移すかどうかの話だ。

とは言え、今はそこまで多く時間を作れるわけでは無いし、家族が第一ではあるのだけど、少しずつライブハウスに足を運んで現在進行形の音を浴びに行きたいなと思う。そして、またステージで爆音を鳴らしたい。その日まで刀を研ぎ続けて待とう。