気楽に生きろ

日付が変わって昨日、フジロックの開催中止を発表された。

コーチェラすら延期を発表している中で、ギリギリまで開催を検討してくれた運営側には頭が上がらない。夫婦で悩んだ挙句、一先ずチケットは払い戻しせずに来年に向けて取っておくことにした。そうすることで少しでも運営のスマッシュ側が負担にならずに済めば良いなと思う。

近頃は楽しみがどんどん奪われていってマイナスな気分になりがちだ。
決まっていたライブは全て無くなり、その中には憧れだった海外アーティストとの共演もあった。コロナの影響がなければ、明後日には新代田FEVERでライブのはずだった。3月のLightfoilsの来日公演だって無事に終わらせて、次の招聘どうしようかなんて考えていたかもしれない。大袈裟ではなく、全てが消えていった。

くよくよ考えても仕方ないよなと思いつつも、頭をよぎることは沢山ある。
常に前を向き続けることなんて無理なのだ。何かしなきゃと焦る気持ちにもなる。
そんな中で「気楽に生きろ」と言ってくれた友人がいた。

ここ最近でのBlack Lives Matterの騒動で安否が不安になり、昨年共演したオハイオのNIIGHTSのボーカルのJennaに先日連絡を取った。
「日本人である自分に何かできることはないか」と。

俺は必死だった。Black Out Tuesdayのタグで黒塗りの画像をSNSに投稿しているアメリカやイギリスの友人達、そして国内の身近なバンドマンの姿を目にして何もしない自分が果たして正しいのかわからなくなったからだ。

理解も知識も深くない。浅い中で自分は事の本質をわきまえて発言ができるだろうか。意見が述べられるだろうか。いつだってその葛藤ばかりに苛まれた。

彼女はすぐに返信をくれた。それこそ何回もスクロールするくらいの長文だった。

「これは言わば平和のための戦争だ。犯罪や暴力行為を容認したり加担はしないけど、変化の必要性を支持するために声を上げていきたい。アーティストとしての立場や能力をもっと生かしていくべきだと思った」

「あなたが私たちのことを考えてくれて嬉しい。でも私の友人であるあなた自身はどうか気楽に生きてほしい」

こんな大変な時期なのに、気楽に生きてほしいだなんてね。
脳天撃たれたような気持ちになった。だからだろうか、この混沌とした状況下でも自分の生活を大事に、そして気楽に生きることを心がけようと思うようになった。

フジロックだって来年行けば良い。招聘活動だってまた再チャレンジすれば良い。
極端な話、生きていればどうにでもなるし、俺自身が元気で居続ければいくらでも未来は広がる。だから今自分にできることを精一杯やって、前を向こうと思った。

大事なことを気づかせてくれた友人Jennaに感謝。
本当に気づきが多い時期だ。