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Apple信者がXperia1を使ってみて

4月末にfreetelがXperia1(SO802)のSIMロック解除済み品を約5万円で販売すると聞いて、販売開始したときすぐにポチった。

G.W.の過ごし方としてずっとゲームは既に飽きつつあって無理だし、弄れる端末があれば多少は楽しめるだろうという思いと、Android端末はauのOptimus G以来触っていなかったので進化が気になるという興味が半々だった。
信者と書きはしたが、筋金入りという程ではなくむしろニワカに近い。だが現役デバイスは全てApple製なので、普通の人から見たら信者と見なされるだろう。

さて結論から言えば約5万円で手に入る端末としては最高のコスパを誇っていると言える。某店舗では在庫限りになったようなので、入手してからはだいぶ時間がたってしまったが久しぶりのAndroid端末ということもあり所感を残しておく。比較対象はメイン端末のiPhone 8 Plusだ。

良いところ ディスプレイのクオリティ

Xperia1は4K有機ELディスプレイを搭載しており、ピクセル密度(ppi)はiPhone 11 Proの458ppiを凌駕する643ppiとなっている。正直どちらもピクセルを視認することはないが、4Kか否かの差はコンテンツの視聴体験に大きな差を生む。

4Kディスプレイが出始めた頃、立体感や表現力の高さがしきりに謳われていたと記憶しているが、4K有機ELのテレビは軒並み高価だ。それを6.5インチとはいえ半額以下で体験できるのだから圧倒的にコスパが良い。

また21:9という縦横比も最初は戸惑いがあったがすぐに慣れた。そしてこれが想像以上に快適だ。スマートフォン向けに表示されるWebサイトは基本的に縦長に構成されているが、とにかく一覧性が高い。横幅が短いのは持ちやすさにも貢献している。

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デレステMVを見る分には最高。プレイは……

プライムビデオで「翔んで埼玉」を視聴したところ、余白なく表示された。動画、特に映画は21:9のディスプレイをいかんなく発揮できるだろう。

また一部のゲームアプリもフルサイズで表示できる。操作性はさておき、臨場感・没入感はiPhoneの比にならない。

マスターモニターと同等の表示を再現するクリエイターモードは現状生かす機会がなく使っていないが、動画の撮影においては有用かもしれない。

良いところ スペックの高さ

Xperia1は2019年発売ではあるが当時のハイエンドモデルだ。8コアのCPUと6GBのRAMで、動作にもたつきは感じない。黎明期のAndroid端末を買い漁っていた身としては、語弊のある表現だがAndroid OSは高スペックでぶん殴る、iOSは最適化で誤魔化すという印象を持っている。

最近のiPhoneはずいぶんCPUスペックをアピールするようになったが、RAM容量はAndroid のハイスペック端末と比べるとまだ少ない。Android OSは新興国での普及に伴って軽量化に舵を切ったのか、Android 6.0あたりでUXの向上にも力を入れ始めた。出発地点が違う両者が互いに欠けていたものを補完しつつあるのは、理想のモバイルOSの終着点が同じところにあるということか。

話が逸れたが、普段使いでストレスを感じる挙動は全くない。予期せぬエラーを頻発していた2.xが懐かしくさえ感じる。スクロールの挙動は慣れないところもあるが、これはスペックの問題ではなく味付けの違いなのだろう。

ディスプレイとCPU・RAMの進化があったにも関わらず、電池持ちも改善されている。理屈の上ではCPUのサイズが小さく、性能が上がることで省電力化できているのだと思うが、それにしても4Kディスプレイは相当バッテリーを消費するはずだ。

良いところ アプリの常駐

iOSはバックグラウンドプロセスが時間経過で止まってしまう。電池持ちの良さに繋がる一方で、利便性が落ちることは否定できない。

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例えばカメラとBluetooth接続して、位置情報や日時設定を同期するアプリは都度立ち上げなくては確実に接続できない。写真のバックアップをプライムフォトに取っているが、アップロード中にバックグラウンドに回すとアプリを立ち上げたままの方が速いと注意喚起される。

こういった不便さはAndroid OSには設計上ないので、予期せぬエラーがない限りは裏で動いてくれている。設定しておけばカメラのBluetoothに反応して接続してくれるし、Wi-Fi接続を検知してアップロードを始めてくれる。他のデバイスとの連携に関してはやはりAndroidは強い。

まあこれはXperia1の、というよりAndroidの利点だ。

イマイチなところ アプリのデザイン

これもXperiaのというよりはAndroidの話になるが、PlayストアはApp Storeよりも自由度が高い。デザインの制約は天地の差だろう。しかしそれ故に野暮ったいUIだったり、デザインに全振りして機能が少ないアプリが見られる。もちろんiOSにだってそういうアプリは存在するが、Appleのガイドライン改定ごとにある程度淘汰されてきた。

AndroidアプリはiPhoneアプリほど制約が多くないので多機能にできる分制作者のセンス次第なところが大きく、デザインを流行に合わせてアップデートが出来ていないものも散見された。メジャーどころの開発元は何の問題もないが、中小規模や個人開発のものは当たり外れが大きい(iPhoneアプリでは機能性で同じことが言えるかもしれないが)。

数は多いがUXについては大きな隔たりを感じた、というのが正直なところだ。

イマイチなところ アルバムアプリの完成度

Xperia1にプリインストールされているアルバムアプリだが、iPhoneのように年・月・日ごとに表示単位を変えることができない。

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デザインは良いのだが、アプリ側で良いと思われる写真をピックアップしてまとめるということもなく、日単位で表示を分けることもできないので野鳥を撮るとスクロール量がとんでもなく膨大になるのだ。また読み込み済みの写真をスキップすることもできない。仕様の違いではあるが、このあたりはiPhoneの方が利便性が高い。

細かなところの不便さは本当に惜しい。こういうところの積み重ねで印象は悪くなる。Playストアで探すことも選択肢としてなくはないが、こういうところにユーザー側の工夫が求められる点は使う人を選ぶと言わざるを得ないだろう。

少なくともスマホデビューする中高生にはiPhoneを勧めたい。余程のガジェットオタクでもない限りは、使いやすいアプリが見つかるまで試行錯誤するなんて面倒に思うだろう。学生の頃はそれを楽しんでいた自分ですら、今は面倒だと感じている。

イマイチなところ ROM容量が少ない

国内版のXperia1はROM、端末内のデータ保存領域が64GBしかない。グローバル版との差は納得できないが、5万円台のスマホであればそんなもんかと諦めもつく。

どちらかというとアプリをSDカードに移すことができないことの方が問題だ。パソコンに繋いでadbコマンドを使うことでSDカードを内部ストレージ化することはできるようだが、Xperiaシリーズは容量が正しく表示されない不具合があるとの情報もあり自己責任で行う以上万人におすすめできる方法ではない。

ハイエンドモデルで発売時は10万円くらいしたのだから、そこはグローバル版と同容量にしてほしかった。いたわり充電という機能でバッテリー劣化に配慮しているのに、このROM容量では1年で空き容量がなくなるだろう。ライトユーザーならいざ知らず、Xperia1はハイエンドモデルなのだ。これを買うライトユーザーはまずいないのではなかろうか。

内部ストレージ化を試してみたが、純正のカメラアプリが使えなくなってしまった。サブ機なら問題ないが、メインで1台持ちするには心許ないという結論は変わらなかった。

総評

ユーザー側に工夫が求められる点は良くも悪くも変わっていない。標準アプリはメーカーごとに違うものもあるが、少なくともXperia1に搭載されているものはユーザビリティが今一つだと感じるものが目についた。

それを差し引いても4K有機LEDディスプレイの映像体験で十分元が取れたと感じる。本体サイズが特殊なので所持しているVRゴーグルは使えなかったが、YouTubeの4K動画をVRで視聴したらiPhone以上の臨場感が味わえるのではと期待している。買おうと思って未だに注文し忘れているが。

欲を言えばPS4のリモートプレイで4Kが選べると最高だった。有線接続限定でもいいからできるようになりませんかね、ソニーさん。

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