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XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

レンズも焦点距離も長いが、正式名称もそれらに劣らず長い。

このレンズは2020年11月現在、富士フイルムが販売しているXマウントレンズで最長焦点距離を持つ超望遠レンズだ。ズームレンズはF2.8通しの赤バッジとそれ以外とに分けられているが、このレンズだけはF値が変動するのに赤バッジが付いている。

つまり富士はF値が変動しても描写力は他の赤バッジに劣らない、と言っていることになる。そして事実、描写に不満はない。

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超望遠レンズの用途として多いのが動物写真だと思う。ボディの性能にもよるが、レンズ自体はカバーできるポテンシャルがある。

動体になるとボディの性能に加えて撮り手の技量も必要なるので、被写体によっては難しいものもあるが、それはレンズのせいではない。そして動物でも動きのゆっくりしたものや止まっているものはシャッタースピードをある程度落とせるので、解像感の高い写りをしてくれる。

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俺が持っているレンズの中ではXF90mmと広角端の焦点距離が近いが、棲み分けは困らない。

XF90mmはF2の明るさを活かして被写体を浮き上がらせるように使うことが多い。一方XF100-400mmはボケ量こそ少ないものの、絞っても丸ボケが崩れにくい。これに気づいた時は90mmとの差に驚いたが、持ち味が全く異なっているのはありがたい。

この写真はF11まで絞っているが、丸ボケは見事に形を保っている。これがXF90mmでは絞りの形が出てしまうので、開放付近で撮る必要が出てくる。
また望遠による圧縮効果も90mmより強いので、より強調した撮り方ができるのも利点になる。

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またテレマクロのように小さな被写体を大きく撮りたい時にも使える。特に昆虫や花壇の奥で咲いている花のように近づけない時は、このレンズでしか対応できない。

ズームレンズなので油断すると足を使わずに撮ってしまいそうになるので、自分の中で3段階に分けて使うようにしている。

①広角端または望遠端で狙う
②構図が決まらなければ焦点距離が書かれた位置に合わせて狙う
③それでもダメなら焦点距離のない位置も使う

こうすれば「まずズーム」ではなく「まず足」で構図を決められる。

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当初の購入理由は近所を散歩ルートに野鳥撮影を追加したいと思ったからだった。良品とはいえ中古でもなかなかの値段だった。正直、定額給付金がなければ買えなかっただろう。

ボディ側のAF性能もだいぶ良くなっているので、X-H2が出る頃にはまた改良されていると思いたい。クロップと電子シャッターの連写を使うとカワセミも撮りやすかった。

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鳥も撮っているが最近は風景でも使うことが増えた。手振れ補正があるので日中なら三脚も不要だし、一部を切り取るように撮りたい時はこれほど頼りになるレンズはない。

親友の娘が運動会で活躍する姿を残すのは昨今の情勢で現実味がなくなってしまったが、学校行事でも活躍することは間違いないだろう。この辺はXF50-140mmF2.8と迷う人が多い印象を受けるが、少なくとも運動会であれば100-400mmを薦める。
焦点距離の長さとズーム倍率から、最良ポジションが取れなくても何とかするだけの性能がある。

50-140mmはレンタルでしか使ったことはないが、屋外でのポートレートで足を使えないときや、フットワークを軽くしたいときに有用という印象だった。

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山に登ったり、徒歩移動が長時間にならなければとりあえず持って歩きたいレンズ、というのが最近下した評価。

重量や大きさは富士フイルムが言うほどコンパクトではないし、今まで使っていたカメラバッグには収まりきらない。それを差っ引いても、体力が本格的に衰えるまで手放すことはないと断言できる。

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