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ゼンレスゾーンゼロの何がヤバいか

スマホゲーの有力メーカーを聞かれたら高確率で挙がる名前がmiHoYoだと思う。原神で一躍名が広まった中国のゲーム開発会社である。
そのmiHoYoが新作を公開した。タイトルにある『ゼンレスゾーンゼロ』だ。

正直今作には手を出すつもりがなかった。というのも崩壊3rd、原神、崩壊スターレイルとプレイしてきたが全体的にボリュームが重いのだ。
これが家庭用ハードやPCでプレイするなら気にならないのかもしれないが、スマホでプレイするにはアクションゲームは隙間時間にやりづらくマップが広大だと探索の区切りもつけづらい。故にゼンゼロもヘビーだろうという印象で、リサーチすらしていなかった。

では何故唐突に始めようと思ったのか。

たまたま見ていた動画の関連に流れてきたこれが原因。
個人的なゲームUIランク不動の1位はペルソナ5シリーズ(ザ・ロイヤル&スクランブル)だが、ゼンゼロのキャラ一覧の動きはそれに通ずるものを感じた。この雰囲気は今まで触れてきたmiHoYoゲーと全く違う。

ついでにSteam Deckでもプレイする方法があると分かったことも要因としては大きい(原神は結局大してやってないのにこの差は……)。

ストーリー初っ端から3Dキャラの動きとマンガ風にコマ割りされた掛け合い、3Dと手書きを融合したムービーに引き込まれた。
確かに各要素だけ切り取ればペルソナっぽいだとかGRAVITY DAZEっぽいとか言えるのだが、そういった要素を高次元でまとめきったというのが正当な評価だと思う。

このシーンで雅を引くと決めた人は多いと思う

海外の文化を取り入れて独自の形に昇華するのは日本のお家芸だと思っていたが、日本の遥か先を行っていると認める他ない。

技術力やデザインセンスもさることながら、最もヤバいのは先に挙げたタイトルが全て現役である点だ。
触れたことのある3つのタイトル全てを運営しながらゼンゼロを開発するというのは、ゲーム業界に詳しくない俺でも異常なことだと分かる。

運営するということは恒常的なアップデートが伴い、当然その開発が必要となる。世界観に合わせたキャラクターや新シナリオの追加、ゲームバランスの調整やシステム面の改修など必要なことは多いはずだ。
開発チームはそれぞれ分かれているはずだが、逆に言えばそれだけ優秀な人が多いということになる。

またゼンゼロの戦闘はアクションだが、これは崩壊3rdと被る。被るのだが見せ方が全く違うため、途中でダレない。同ジャンルのゲームなのに世界観から戦闘システムまで変えるのは本来かなり無駄なはず、というのも流用できるものが多い方が開発が速く楽になるからだ。
もちろん課金周りやミッションなどのゲームシステムは共通の存在だが、それはスマホゲー全般に言えることなので気にならない(というより気にしたらスマホゲーはできない)。

そして世界観だがホロウという未知の脅威はありながらも主人公たちは比較的平和な日々を送っている。この点はポストアポカリプスな崩壊3rdや異世界転移の原神、初っ端からトラブルに巻き込まれているスターレイルと全く違う。
ベースはあくまでも日常側にあるからこそ、ホロウ探索という非日常がリアルに感じられるのだ。
こうしてどハマりした結果、通勤の電車内でも毎日プレイしてpovoの残データ容量がカツカツになってしまった。

最後のボスを倒すとこんな演出が入る

"ムービーゲー"は大抵悪い意味で使われることが多いように思うが、カメラワークや演出がありきたり過ぎるからなのではないかと思った。
ありきたりになるのは当然で、ゲームメーカーはゲームを作るプロなのであって独創的な映像を作るのは映像クリエーターの仕事だ。

しかしゼンゼロの戦闘シーンに挟まれる映像はどれも出来の良いアニメを見ているようで、初見はもちろんアーカイブで再度見ても楽しめる。
朱鳶と青衣の逃走シーンでは落下中に朱鳶だけ頬が風圧で震えているとコメントで読んで再び見てみたところ、1秒あるかないかのシーンだった。見つけた人もすごいが、そんな短いシーンでもキャラの設定に基づいた演出を描き込むmiHoYoもヤバい。

総じてこのゲームのムービーシーンはプレイ時間のかさ増し目的ではなく、開発側の思い描いたストーリーを見せたいがためのものだと実感する。
やはり作り手の熱量が感じられる作品は良い。

敵をブレイクしたタイミングは撮りやすいんだけどね

カメラワークは戦闘中でもこだわりが感じられる。敵の攻撃時にタイミングよくキャラの切り替えを行うと、登場キャラが専用の攻撃で受け流しをしてくれるのだが画面手前側の足が大きく描かれてからバネのように勢いよく敵にカウンターを当ててくれる。
一瞬すぎでスクショは撮れなかったが、こういう演出とバトルを有利に進める機能性が噛み合って爽快感に繋がるのだろう。

また今作は戦闘のボリュームがそこまで重くない。ストーリー・探索・戦闘と分かれており、探索は戦闘を挟まないものもある。
これが移動中の隙間時間にはちょうどいいバランスになっている。

オープンワールドの原神は区切りを付けづらく、ターン制のスターレイルは爽快感が乏しかった。崩壊3rdは初期からやっていたわけでもないので、世界観の理解が大変だったしアクション性はゼンゼロよりも"遊び"が少ない。
そういった爽快感とプレイフィールのバランスが良いのが本作の最大の特徴だと思う。

余談だがアップデートの告知動画も作り込みが素晴らしい。会話は中国語なので字幕必須だったが、ゲーム映像は日本語版が使われている。

例の"下品なボンプ"人形やテレビ、ソファなど忠実に再現されたセットと主人公のリンに扮したMCの振る舞いの再現度など、作品への本気度が分かる良い動画だった。

ポリコレコンサルに金払うくらいならゲームのクオリティアップや世界観の構築に金を使うのが正解だと見せつけられたように思う。スノウブレイクしかりStella Bladeしかり。
株価大暴落で慌てて謝罪(になってない)ツイートしてる汚フランス企業、お前のことやぞ。


ん?
中国企業よりモラルのない企業が人権先進国()にあるわけないですよねー(棒)

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