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20231211 ロックンロールのロール

外に出ると服に毛玉ができているのを発見した。いつも暗い部屋で過ごしているのだなと気付く。まるで暗い奴だ、そして暗さを人前で開陳してしまうくらいには傲慢だ。米津玄師がむかしブログにて肥満は怠惰で痩身は傲慢、といっていたが本当にその通りだと思う。

雪が降ったら冬、だと地元ではそういうわかりやすい指針があったので関東の12月はわたしにとってずっと秋みたいなものだった。銀杏が落葉していて、それが雪の代わり。銀なのに黄色。ちぐはぐだ。

横断歩道のボタンを押すとき、その行為がどこかのだれかを絶望させてしまうのではないかという虚妄。それを受け入れて人差し指の筋肉を伸ばすときの、極小の覚悟。話したことがないからわからないけど、こういう人間は他にいるのだろうか。気にしていたらキリがないし実際気にしていないときだって多いが、ふと我にかえって少しだけ怖くなる。

新しい自分に生まれ変わろうとするとき、それは過去の自分を否定する行為の上にしか成り立たないのだと思う。その過程で踏み潰してしまう花を、どうにか避けて通れるのではないかとどこかで考えていた。けれどもそのやさしさに似た甘え自体を捨てなければきっと同じ場所で犬掻きを続けるだけなのだろう。
だからわたしは今自己否定の真っ最中、と言いたいけれどこういう駄文を認めているあいだは当面無理な気もしている。どんなにゆるやかであろうとも坂は坂で、一度足を滑らせて転がればあとは速度を上げるだけ。でもそんな転落を前より少しばかり、自嘲的に楽しめているのかもしれないと思う。これがいわゆるロックンロールのロール、なのでしょう。

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