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プレーオフの思い出

プレーオフとは

「プレーオフ」とは、スポーツ競技において、予め定められた試合数やリーグ戦を終えた後、同じ順位や同じ成績の選手・チームがいる場合に、順位や次のステージへの進出を決めるために行われる追加の試合であります。

レスリング競技は主に大きな大会(世界選手権など)への出場をかけて行われることが多いです。私はこれまでたくさんのプレーオフを実践してきました。この一戦に勝てば大きな道が開かれ、新たな可能性にチャレンジできる切符がゲットできます。しかし負けてしまった場合は道が狭まり大きなチャンスを掴めずに終わってしまう可能性が高くなってしまいます。「勝負はいつも儚い。」

レスリング競技のオリンピックへの道のりを簡単に説明します。
レスリング競技は例年、オリンピックが開催される前々年度からオリンピックトライアルとして始まります。
例えば、パリオリンピックの選考会において、2022年12月に行われた全日本選手権で優勝をすると、2023年6月に行われた全日本選抜選手権の第一シードを獲得することができるかつ、一番大きい要素として「アドバンテージ」を獲得することができます。このアドバンテージとは6月の全日本選抜選手権に例え敗れてしまっても、プレーオフの出場権を獲得できるチケットです。
パリオリンピック階級男子フリースタイル6階級において12月、6月の優勝者が同一なのでプレーオフ無しで世界選手権に内定しました。
しかし、女子およびグレコローマンの数階級は上記の優勝者が異なったため、7月にプレーオフが行われました。

天と地

ほとんどどの階級においても白熱した戦いが繰り広げられ大接戦でした。痺れた。
私が現在指導を行っている茂呂選手もこのプレーオフに挑みましたが、苦杯を喫し敗退してしまいました。悔しい。
現在日本女子レスリング界においては、日本で勝つことが難しいほど国内レベルが均衡しており、日本で勝つ=オリンピック選手=オリンピックメダリストの方程式が成り立つほどハイレベルです。
そのため勝利した者は大きくオリンピックの道が開き、敗北したものは大きくオリンピックの道が閉ざされます。
あと1点取っておけば…あそこを守りければ…という思いがおそらく敗退した者は思ったであろうし、あそこを強気で攻めた結果得点に結びついた!日々の練習の努力が最後の守りに結びついた!と感じているものと思います。日々きつい練習をコツコツ重ね、何百時間、何千時間と競技に時間を費やすものの、勝負は6分間で確実に決まります。もう一度言わせてください、「勝負はいつも儚い。」

プレーオフの経験

私は何度も世界選手権およびオリンピック代表を決めるプレーオフに挑んでいた過去があります。何度も挑んだということは、勝ち負けを繰り返しているということです。つまり人一倍プレーオフに挑んだという経験を持っています。
過去に4度のプレーオフを経験しています。
1つ目ユニバーシアードの代表決定戦
2つ目は2014年世界選手権の代表決定戦
3つ目は2015年世界選手権の代表決定戦
4つ目が2021年オリンピック代表決定戦
以上が私が経験したプレーオフです。
戦績は3勝1敗です。まずまずかな。
唯一敗退したのがユニバーシアードの代表を決めるプレーオフで、対戦相手は長年ライバルであった森下選手です。
いつかこのプレーオフに挑むための心構えといいますか、試合に挑むための向き合い方や、気持ち、練習、などなど記事にしていきたいと思っています。

勝負はいつも儚い

最後に何度も言わせて頂いていますが、「勝負はいつも儚い。」です。
1番になるためにたくさんのことを犠牲にして競技に充てていると思います。おそらくほとんどの選手が夢が大きければ大きいほど、そして勝つ気持ちが強ければ強いほど、犠牲にしていると思います。私の個人的な意見としては、最後にはこの「犠牲」にしてきたものが「最強・最大の勝つ武器」として発揮されるものと思っています。何かを得るためには何かを失うもの、つまり大きな夢を追うのであればあるほど失うものは多いし大きいです。
どなたか、この方程式を覆すものを作ってください(笑)
1つの物事に全力で挑むすべての人々にリスペクトをそして、幸運を祈りながら終わりにしたいと思います。

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